九州を中心に展開する「西日本新聞」のフリマアプリの実情をあばいた記事が大きな反響を呼んでいる。記事内では同紙に寄せられた情報をもとに、“模造品”を販売するユーザーと売買を行い、さらに直接コンタクトを取った様子が詳細に語られている。今回は、フリマアプリ上で行われている悪徳ユーザーの偽物を販売する手口についてお伝えしていきたい。
取材記者が模造品とみられる商品の出品者を直撃!
西日本新聞「あなたの特命取材班」は6月14日、「買って届いた模造品、通報しても続く出品…フリマアプリの実情は」と題した記事を投稿した。取材の発端はコーナーに寄せられた「フリマアプリで模造品のSDカードを購入させられ、指摘後も出品が続いている」という情報だという。
取材班は5月中旬に大手フリマアプリ「メルカリ」で、実在するSDカードなどの製造メーカーを謳う新品未使用の1TB(テラバイト)のSDカードを、通常より格段に安い2,111円で購入している。商品説明には「海外製品のため、購入する場合は自己責任で」と書かれていたようだ。すると手元に届いたSDカードには「2TB」と表記されており、メーカーに問い合わせると「2TBの製品は扱っておらず、フォントや塗装の色も粗く偽物だと思われる」と回答が返ってきたという。
その返答をもとに取材班が「偽物ではないか」と問い合わせたものの、出品者は「どんなメーカーでも不良品はある。購入者様の確認不足」だと主張し模造品と認めず、商品を返送し“取引キャンセル”で無かったことにするよう提案してきたという。
ちなみに、取材班がSDカードの容量を計測すると、2TBでも1TBでもなく、わずか14.5GBだったという。盛りすぎにもほどがある。
さらに取材班は運営元のメルカリの運営事務局にも模造品の疑いを通告している。しかし事務局は、「トラブルになるおそれがある」としてアプリ内での取材は禁止であると伝えてきたという。加えて個別の案件に対する回答を差し控えつつ、一般論として「事務局が、合理的な理由に基づき禁止出品物に該当すると判断した場合は、取引キャンセル、商品削除、利用制限などの措置を取る場合がある」と回答したのだった。
メルカリ側としては事を荒立てないために穏便な回答に抑えたのかもしれない。しかしネット上からは、「最悪だなぁ」「偽ブランドにも激甘なんだね」「積極的に模造品の取扱をなくす行動は取らないということなのかな」など、事務局の煮え切らない態度に不満を覚える声が続出。他にも「SDカードやUSBメモリはフリマアプリで買うのは悪手…という結論になる」「やはり店頭で買うことをお勧めします」と、フリマアプリのリスクを指摘する意見も見られた。
フリマアプリは模造品の他にも、買い占めによる転売なども過去に問題視された経緯もある。善良なユーザーも安心して使えるサービスが提供されるよう、各社ともルール決めを見直してみてもらいたいものだ。
参照元:買って届いた模造品、通報しても続く出品…フリマアプリの実情は【西日本新聞me】
※サムネイル画像(Image:ElRoi / Shutterstock.com)