回転寿司業界トップ「スシロー」が独走状態に入りそうなワケ!

現在、日本国内の飲食店は新型コロナウイルスの感染拡大によって苦境に立たされている。一方、海外では感染拡大が落ち着きつつある国も出てきており、そこをめがけて日本の外食企業が海外進出を加速させているという。特に目立って海外進出しているのが、回転寿司チェーンだ。そして、いまスシローが絶好調たる背景とは!?

回転寿司チェーンは海外進出に向いている

(Image:MeSamong / Shutterstock.com)

現在スシローは、国内に596店舗(2021年6月現在)。海外は、韓国での14店舗、台湾で9店舗、香港1店舗、シンガポール1店舗(※店舗数は、2019年9月現在)

 コロナ以前、日本は多くの外国人が訪れるインバウンドブームだった。「和食」はユネスコの無形文化遺産にも選ばれ、それをきっかけに健康的で四季を感じられる日本食のファンになったという海外の人も多いという。そしてコロナ禍のいま、日本国内の飲食店は活路を求め、日本食好きが多くいる国への進出を加速させている。なかでも海外進出が盛んなのが、回転寿司チェーン。「SUSHI」という言葉が世界で通じるほど定着していることに加えて、似た業態は世界を見渡しても見当たらないという事情から、進出国での評判は軒並み良いという。

 寿司が海外でも受け入れられている点以外にも、回転寿司チェーンが海外進出に向いていて、日本企業が優位に競争を進められる理由がある。それは、装置産業のため参入障壁が高いことである。回転寿司店のバックヤードには寿司を握る大きな機械が何台も設置され、寿司を店舗内に循環させるための巨大な回転レーンも必要だ。これらの特殊な装置を準備すること自体が到底難しいだろう。
 そして、その特殊な装置によりテクノロジー化が進んでいるので教育コストも低く済ませることができる。よって、業態を真似される恐れもなければ、日本に出店する時とそれほど変わらないアルバイトの教育の手間で海外にも店舗を開くことができるのだ。これが、回転寿司チェーンが海外進出に向いている理由だ。

(Image:InfantryDavid / Shutterstock.com)

スシローはコロナ禍も臨機応変に対応し、業界トップの座を守り続けている

 多くの飲食店が苦境に立たされるなか、快進撃を続けているのがスシローだ。2020年9月期には、コロナ禍にも関わらず過去最高の売上高を記録した。絶好調の背景には、ネタそのもののおいしさはもちろん、コロナ禍の戦略の成功がある。デリバリーへの対応、デジタルトランスフォーメイションを活用したコロナ禍に合わせた店舗作りともう一つ。コロナ禍で「都市型店舗」と「テイクアウト専門店」の展開に力を入れており、従来のロードサイド型の店舗ではリーチできない顧客の獲得を目指したのだ。上期に出店した店舗はどれも好評で、ますますスシローの存在感が高まりそうだ。
 スシローは、2021年4月1日に社名を株式会社FOOD & LIFE COMPANIESに変更。海外を見据えた社名にすることでその意識を内外に知らしめていた。これまでも台湾、韓国、香港、シンガポールに進出していて2021年3月のタイの首都バンコク進出では、オープン日に1,000人を超える来店があったことで、現地でも大きな話題となった。タイでは数年前から日本食ブームが続いているため、スシローも多店舗展開していくことになるだろう。
そして次に同社が狙うのは中国だ。2020年12月に広東省広州市に新会社を設立し、2021年中に一号店を出店させるべく準備を進めているという。世界一の巨大市場で成功すれば、スシローは回転寿司界の王者の地位を盤石のものとしそうだ。
 果たして今後、スシローの王座を脅かすライバルは現れるのだろうか。回転寿司チェーン各社の動向から目が離せない。

参考元:スシロー、くら寿司、はま寿司の海外戦略 国内市場が先細るいま”日本食ブーム”の海外市場が秘める可能性【BLOGOS

※サムネイル画像(Image:MeSamong / Shutterstock.com

オトナライフ編集部
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