メルカリが上場以来初の黒字へ、さらに意外な事実も明らかに

フリマアプリ「メルカリ」を運営する(株)メルカリは6月23日、6月期の連結最終損益が50億円の黒字になる見込みだと発表した。前期は227億円の赤字だった。実際に黒字で着地すれば、18年の株式上場以来、通気決算では初。意外なようにも思えるが、黒字化するまでには様々な課題があったらしい。

巣ごもり効果が黒字化をあと押し

断捨離ブームもフリマアプリの利用を者を増加させた

 メルカリが発表した2021年6月期の通期連結業績予想は、売上高1,060億円(前期762億7,500万円)、営業利益45億円(同193億800万円の赤字)、当期純利益50億円(同227億7,200万円の赤字)と、大幅な増収増益を見込んでいる。見ない日は無いというくらい、テレビCMをバンバン打っているイメージのメルカリ。さぞ調子がいいのだろうと思いきや、実は今期が2018年に株式上場以来初の黒字見込みだというから意外である。

 今期好調だった一番の理由は、やはり巣ごもり効果だろう。これまで中心だった利用者層は若者だったが、2020年は特に中高年の利用者が増えたようだ。仕事もひと段落して余暇時間が多いと思われる60代以上の利用者は、フリマ出品数が月平均6個。これは、20代の2倍になるという。また、中高年の利用者が、家に眠らせてきたバブルの時代などの高額な品を手放したことで、取引金額が押し上げられたことも黒字化の要因になったと見られる。中高年層顧客の取り込みに当たっては、初めてフリマアプリを使う人向けの「メルカリ教室」を開き、購入や出品方法を教えたことが後押ししたようだ。

(Image:about.mercari.com)

メルカリのテレビCMには幅広い年齢層の俳優やタレントが出演する

 メルカリは、広告や販売促進活動も見直ししていた。テレビCMだけではなく、既存利用者からの紹介を受けた人が初めて出品すると、両者にポイントが付与されるキャンペーンなどを実施。このキャンペーンがきっかけになって、子どもや孫からメルカリの使い方を指南してもらい、“出品デビュー”を果たしたという中高年層もきっと多いのだろう。この施策により、広告宣伝費を計画よりも抑えつつ、新たな顧客の獲得につなげることができたようだ。

 そして、メルカリはアメリカでの事業も収益改善をして見せた。販売金額の10%の手数料に加え、20年10~12月期から決済手数料を約3%上乗せするなどして利益率を高めることに成功。それにより21年1~3月期の米アメリカでの流通総額は前年同期比99%増となった。また、プロフットボールNFLの王者決定戦「スーパーボウル」へのCM出稿などにより、現地での認知度も上げることが出来た。
 これまで利用者は増え続けてきたが、広告宣伝費やキャッシュレス還元で出費がかさんだことで赤字続きだったメルカリ。巣ごもり効果や広告戦略の見直しによりやっと黒字化を果たしたものの、今期もこの好調を維持できるのだろうか。心配である。

●メルカリ(公式)は→こちら
参考元:メルカリが上方修正 上場以来、初めての黒字へ【東京商工リサーチ】

※サムネイル画像(Image:メルカリ公式サイトより引用

オトナライフ編集部
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