1996年にNINTENDO64向けに発売されたアクションゲーム「スーパーマリオ64」。その未開封品がアメリカのヘリテージ・オークションから出品され、現地時間の2021年7月11日、なんと156万ドル(約1億7,000万円)で落札された。これは単一のゲームソフトの落札価格としては史上最高額だ。未開封品であるということに加え、「これほどきれいな状態で保たれているソフトは、世界に5つとないだろう」と絶賛されるほどの超美品であるということだが、そもそもなぜゲームソフトが2億円近い価格で落札される事態になったのだろうか。
アメリカのコレクター内で高まるレトロゲーム人気
マリオシリーズ初の3Dアクションゲームであるという、家庭用ゲーム機史上にも価値あるゲームであることは間違いないが、それにしても2億円近くで落札されることに違和感を覚える人も多いだろう。
このスーパーマリオ64が落札されるわずか3日前、同オークションでは海外版ファミコンNES用ソフト「ゼルダの伝説(The Legend of Zelda)」が約9,600万円で落札されたばかりだった。実は近年、アメリカのゲームコレクター内で、レトロゲームの人気が高まっているのだ。そのため、今回のようなソフトに限らず、プレイステーション試作機に3,800万円の値がつくなど、ゲーム機本体の価格も同じように高騰しているのだという。
本来ゲームは子どもから大人まで、プレイして楽しむためのおもちゃである。「あの頃買えなかったおもちゃを大人買い」は誰もが夢見ることで、実際にその夢を実現している人も少なくないだろう。だが、今やアメリカのゲーマーたちの間では、ゲームソフトが資産と言っても過言ではない値段で取引されている。私たち日本人の驚きと理解を通り越し、もはや摩訶不思議と言っていいだろう。
海外メディアのMashableは、「エスカレートし続けるゲームソフトの史上最高落札額は、史上最高額を更新するために競っているようだ。これはまるで子どもが行うおしっこ飛ばし競争ではないか」などと痛烈に皮肉っている。また、ゲームメディアのKotakuも、「古いゲームにこれだけの金額が支払われているということは、気分が良くない。これほどの金額を使えば、世界中の人々を助けるために何ができるのか?を想像することしかできません」と記しており、加熱しすぎるレトロゲームのオークションには否定的な意見もあるようだ。なお、落札価格の20%は手数料としてヘリテージ・オークションに支払われることとなるというから、今回のスーパーマリオ64で計算すると約3,440万円。批判や皮肉もどこ吹く風、というところか。
それにしても、このスーパーマリオ64、落札者の詳細は明かされていない。想像もつかないほどのセレブなのは間違いないが、どんな人なのか、そして使い道(…そもそも使うのか!?)も含め、ぜひとも聞いてみたいものである。
参照元:1億7000万円で「スーパーマリオ64」未開封品落札、単一ゲームソフトの史上最高額を大幅に更新【GIGAZINE】
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※サムネイル画像(Image:HERITAGE AUCTIONS公式サイトより引用)