QRコード決済をしようとして、レジで意気揚々とスマホを取り出したら残高不足……なんて経験がある人も少なくないはず。そして、「すみませんチャージします」と縮こまりながらチャージ金額を打ち込む姿は、お世辞にもスマートとは言えない。
そんなプチ事件が起きる要因のひとつとして、アプリを開いて最初に表示される画面に残高が表示されていないことが挙げられる。パッと見でコード決済アプリにいくら入っているのかがわからず、残高が0に近づいても気付けないからだ。それはQRコード決済の絶対王者「PayPay」も例外ではない。しかしその仕様にはとある“理由”があったのだという。果たして利便性を損なってでも優先した理由とは…。
PayPayアプリ、残高が見えないようになっているのはなぜ?
QRコード決済界で圧倒的なシェア1位を誇るPayPayだが、アプリを開いてすぐに表示されるファーストビューでは残高が表示されない仕組みになっている。残高を確認するには、画面に表示されたカードの右下にある赤い丸をタップする必要があり、何気に面倒なひと手間だ。
しかし、すべてのQRコード決済アプリがこのようになっているわけではない。「楽天ペイ」のアプリでは、ファーストビューで画面上部に残高や貯まっているポイントが表示されるようになっており、会計に足りる金額がチャージされているか否かは一目瞭然だ。業界トップのPayPayは、なぜここを改善しないのだろうか。
ビジネス系情報サイト「週刊BCN」の取材によると、PayPay広報担当者はこの件について、「プライバシー保護の観点で、残高がすぐに表示されないようにしている」(参照元より引用)と回答。“PayPayの残高”を“財布の中身”と捉えており、財布にいくら入っているかを第三者に覗かれるのを防ぐためなのだという。
たしかに、財布の中身を知られるのは気分がいいものではない。しかし、残高不足で恥をかくのも同じくらい気分がいいものではない。レジ付近の電波が悪くてなかなかチャージできないパターンに陥ってしまったときはなおさらだ。ネットではこのニュースに対し「トップ画面には小さく表示すればいいのでは」「ユーザーが表示するかどうか選べるようにしてほしい」などと改善を求める声が上がっていた。
財布の中身を覗かれることと、レジでもたつくことのどちらを避けたいかはそれぞれのユーザー次第だろう。業界トップのPayPayだからこそ、数多いるユーザーの多様なニーズ一つひとつに対応できるように改良してほしいものだ。
参照元:PayPayアプリ、ファーストビューで「残高」が見えない理由【BCN+R】