7月16日に公開された細田守監督のアニメーション映画「竜とそばかすの姫」が絶好調だ。公開直後の週末には観客動員数でトップを記録し、作品の舞台のひとつとなった高知県高岡郡越知町の仁淀川流域ではすでに聖地巡礼が始まっているという。そんな細田監督作品の人気ぶりを測るようなアンケート調査の結果が、このたび発表されている。今回は、現在細田監督と双璧を成す人気を誇るアニメ映画監督との比較についてお伝えしていきたい。
「2監督、どちらが好み?」僅差で細田監督が勝利!
2006年に公開された「時をかける少女」以降、3年おきに新作を公開していることでも知られる細田監督。“時かけ”だけでなく「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」などの作品も大ヒットした。最新作・竜とそばかすの姫も、興行通信社が発表する7月17~18日の「週末観客動員数TOP10」では、絶好調の「東京リベンジャーズ」を抑えて初登場1位に輝くなど好調な滑り出しを見せている。
そんな中で、動画配信の横断検索サービス1Screen(ワンスクリーン)では「細田守監督と新海誠監督、どちらの映画が好み?」と、現代のアニメーション映画界を牽引する監督2人の人気投票を実施。7月20日にその結果を公開した。
その発表によれば、「細田監督」と回答したのが52.2%(261票)と優勢に。しかし新海監督も47.8%(239票)と高い支持率を記録し、ほぼ半数に割れた格好となったことが明らかになった。“両雄並び立たず”ではなく“両雄並び立つ”といった様相を呈したのだった。
細田監督に投票した人からは「わくわくするようであり、切なくもある」「キャラクターの性格や表情が分かりやすく魅力的」など、大人から子どもまで幅広い年代が楽しめる作品であるという声が聞こえてきた。また、ファンタジー的な舞台でありながら、どこかリアルさを感じるキャラクターの人間味のコントラストも支持を集める要因のひとつとなったようだ。一方の新海監督への投票を行った人からは「映像が美しい」といった意見が多数見られ、“新海ワールド”とも称される透明感のある風景の描写が非常に好評だ。
今回の調査の総括でも、「細田監督は『共感しやすいストーリー』と『感情移入しやすいキャラクター』が、新海監督は『圧倒的な映像・音楽表現』『壮大なストーリー』が評価されている」、だからこそ「細田監督作品は『エンタメ向け』として大衆に愛されやすく、新海監督作品は複雑な考察要素が『熱狂的なファン』を生み出しやすい」と指摘している。つまりどちらが上という話ではなく、ファン層が異なるからこそ両監督の作品がともに業界を牽引できている現状があるのだろう。
大衆に愛されやすい竜とそばかすの姫は、子どもたちが夏休みに入るこれから観客動員をさらに伸ばすことだろう。細田監督作品の魅力がさらに世の中に広がり、それに呼応するように今後制作・公開されていくであろう新海監督作品も広く世間から愛されることとなりそうだ。
これからも日本のアニメーション映画界をリードする2巨頭の活躍に期待していきたい。
出典元:500人に聞いた!「細田守監督と新海誠監督、どちらの映画が好み?」のアンケート調査結果を公開。僅差で過半数の票を獲得したのは?【1Screen】
※サムネイル画像(Image:Amazonより引用)