インターネット調査メディアのねとらぼ調査隊は7月25日、「納豆」をよく食べる日本の都市エリアランキングを発表した。このランキングは、総務省統計局が公表する2人以上の世帯における家計調査より、都道府県庁所在市および政令指定都市において、1世帯あたりの品目別年間支出金額および購入数量のデータをもとに、どのような品目でどの程度の地域差があるのかを明らかにしたデータをもとにして作成したものだ。なかでも今回は、納豆に着目したランキングを発表する。
水戸市を破った第2位は、意外な(?)盛岡市だった
ではさっそく、ランキングのトップ3を見ていこう。第3位にランクインしたのは、茨城県水戸市で、年間支出金額は1世帯あたり平均6,353円だった。
水戸市とその周辺地域で生産される「水戸納豆」と言えば、全国的に有名な納豆のブランドのひとつ。水戸では江戸時代に水害を避けて収穫できる早生品種の「小粒大豆」が多く生産されており、その小粒大豆を煮て藁(わら)で包み発酵させた納豆づくりがさかんに行われていた。そういった歴史背景もあり、水戸納豆は小粒で粘りの強さが特徴だ。
大本命と思われた茨城・水戸が3位に甘んじるという意外な結果に驚く人も多いかもしれない。
続く第2位には、岩手県盛岡市がランクインした。年間支出金額は1世帯あたり平均6,497円と、水戸を100円ちょっと上回った。
実は、盛岡にも岩手県産大豆を使用して作られる「盛岡納豆」が存在する。一時はその文化が途絶えつつあったが、現在は“復刻版”の盛岡納豆が流通しレトロなパッケージデザインで盛岡市民から愛されているという。また2018年には家計調査で納豆購入金額1位に輝くなど、このランキングの上位常連でもあるのだ。
堂々の第1位は福島県福島市!
そして栄えある第1位に輝いたのは、福島県福島市だった。年間支出金額は1世帯あたり平均6,773円だ。第2位の盛岡市も含め、東北地方では越冬時の貴重なタンパク源として、納豆が昔から重宝されてきた。交通網が発達していなかった時代には、冬になると厳しい寒さと雪によって買い物に行くこともままならないなどの事情から、冬の備蓄食としても親しまれてきたのだそう。また沿岸地域では、海が荒れて漁に出られないときに、納豆でしのぐことも珍しくなかったとか。
そんな東北地方の中でも、とりわけ福島市では、納豆を飽きずに食べられるようにと、さまざまな納豆のアレンジレシピが考案されてきたそうだ。福島出身の知人に納豆の食べ方を尋ねたら、もしかすると意外な発見につながるかもしれない。
今回、第3位に終わった水戸市では「納豆食べ方コンテスト」などを開催し、市民の納豆消費量をアップするべく巻き返しを図っているという。そういった努力が、次回の家計調査で結果として実を結ぶといいのだが……。
出典元:家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市【総務省統計局】
参照元:「納豆」をよく食べる日本の都市エリアランキングTOP52! 3位の茨城県「水戸市」を上回ったのは?【ねとらぼ調査隊】