6月に7業種79企業を対象に「JCSI(日本版顧客満足度指数)」の2021年度第1回調査が実施され、その結果に大きな変化があったことが話題を呼んでいる。数ある企業の中でも、営業時間の短縮や休業を余儀なくされた飲食チェーン店は、順位が大きく変動。今回は、コロナ禍に外食需要が低迷した中、顧客満足度で高評価を得た飲食店をランキング形式で伝える。2020年のランキングと比較しながら順位の変動を見ていこう。
日本発祥のハンバーガーチェーン店が3位に
JCSIとは、「サービス産業生産性協議会(SPRING)」が行う日本最大級の顧客満足度調査。実際の利用者によるアンケートに基づき、最新の知見を結集した科学的な現状分析・改善支援するツールとしても用いられる。今回行われたJCSIの飲食店部門では、11位「ロイヤルホスト」、10位「木曽路」、9位「はま寿司」、8位「リンガーハット」、7位「スシロー」、同率5位に「丸亀製麺」と「ケンタッキーフライドチキン」、昨年1位を獲得した「びっくりドンキー」は4位に転落するという結果に。
気になるトップ3では、日本発祥のハンバーガーチェーン「モスバーガー」(スコア77.0)が3位に選ばれた。ドライブスルーの店舗を増やしたり、ネット注文を拡充したりと、コロナ禍でもユーザーが安心して利用できるようテイクアウトとデジタル施策の強化を実行したことで多くのファンを獲得。さらに売上面でも、2021年3月期(20年4月~21年3月)通期の決算では、純利益9億9,700万円(前年度比173.1%増)と増収大幅増益を発表した。あらゆる角度から巣ごもり需要をすくい上げることで、売上、顧客満足度ともに増加につながった。
安くて美味しい!同率1位は?
今回の調査では、スコア77.6を獲得した2店舗が同率1位に選ばれた。1店舗目はボリューム満点の本格的な中華料理定食がリーズナブルに楽しめる「餃子の王将」。0.7ポイントアップし、前年度の8位から大躍進を遂げた。コロナ禍では出前館やウーバーイーツの対応店舗を300店舗以上にまで拡大するなど、デリバリーにも注力。餃子の王将は「gooランキング」の「1番好きな定食チェーンランキング」でも1位に選ばれており、根強い人気を誇る。
そして、前年度の2位から1つ順位を上げて餃子の王将と並んだのは、子どもから大人まで幅広い世代に人気のイタリアンファミリーレストランチェーン店「サイゼリヤ」。「ミラノ風ドリア」(税込300円)や、「若鶏のディアボラ風」(税込500円)など、並ぶ豊富なメニューもサイゼリヤの魅力だ。低価格でありながらおいしいイタリアン料理が味わえる満足度の高さが顧客満足度に直結しているようだ。
コロナ禍でもホスピタリティの高さがファンを獲得する秘密なのだろうか。今後もチェーン店の企業努力に期待が集まる。
出典元:2021年度 JCSI(日本版顧客満足度指数)第1回調査結果【公益財団法人日本生産性本部】