絶対王者PayPayついに手数料有料化、最大100万円バラマキで店舗数減少は防げるか?

QRコード決済の絶対王者が、これまでとは違った角度からのバラマキで、体制の維持に必死なようだ。「PayPay」はこれまで中小店舗では無料としていた手数料を、2021年10月から有料へと切り替えていく段階へと突入。手数料の具体的なパーセンテージも公表されている。しかしそれだけではこれまで強みのひとつとしていた「加盟店舗数」に響くと考えてか、加盟店向けの新たなキャンペーンも実施することが明かされた。果たしてつなぎ止めは成功するのだろうか…?

PayPay、ついに中小加盟店の手数料を有料化!

(Image:StreetVJ / Shutterstock.com)

「PayPay使えます」の多さがPayPayの武器でもある

 PayPayは8月19日、これまで中小規模の店舗では無料としていた加盟店手数料を、10月1日以降最低1.60%から設定することを発表した。1.60%となるのは有料プラン「PayPayマイストア ライトプラン」に加入した店舗が対象で、未加入店舗は1.98%となる。

 同業のライバルサービスでは2.5~3%台で、他サービスと比べれば低く設定されており、PayPayとしても「最安の決済手数料」であることを押し出しているようだ。しかしこれまで「無料なので導入しませんか?」としていたサービスが「やっぱり今度から有料にします」となった場合、少なからず現在加盟している店舗が離脱することになりそうだ。

 そして手数料有料化にあたって離脱店舗を減らすべくPayPay側は再び還元施策に打って出る。今度はライトプランを契約しエントリーした加盟店を対象に“PayPay決済額合計の3%(税別)を振り込む(1法人あたり上限100万円)”という「3%振り込みますキャンペーン」を実施するのだ。

 ライトプラン加入時の手数料は1.60%のため、3%が入ってくるとなれば-1.40%、まさかの実質マイナス手数料。まさに“導入したほうがおトク”なサービスであることをアピールする狙いがあるようだ。

(Image:slyellow / Shutterstock.com)

PayPayの登録ユーザー数は4,100万人を突破している(2021年8月20日現在)

 PayPayといえば、「100億円あげちゃうキャンペーン」が記憶に新しい。PayPayはこの施策のおかげで、QRコード決済としては後発のサービスながら、一気にシェアを広げ業界トップへと登り詰めたのだ。PayPayとしてはその成功体験もあって、今回の加盟店引き留めにも還元キャンペーンを選択したのかもしれない。最近でも7月に「夏のPayPay祭 ペイペイジャンボ」と題した大型還元も実施していた。

 しかし大規模な還元キャンペーンは、“バラマキ”と揶揄されることも少なくない。また、サービスのユーザー、加盟店舗どちらにも“バラまいて”いては、収益化はさらに先の話へとなってしまいかねない。

 2021年3月期の営業損益は700億円を超える赤字だった、とされているPayPay。先行投資が大切なことは間違いないが、この規模はこのキャンペーンは果たしてPayPayにとって吉と出るのか凶と出るのか。今後のPayPayの推移に注目したい。

参照元:PayPay、中小店の決済手数料を1.6%に 店に最大100万円還元で繋ぎ止めも【Engadget 日本版

※サムネイル画像(Image:paypay.ne.jp)

オトナライフ編集部
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