8月4日、2021年6月に実施された「JCSI(日本版顧客満足度指数)」の2021年度第1回調査の結果を日経リサーチが発表した。2021年度 第1回調査は、2021年6月2~11日の期間、2万4,982人(順位に含む65企業・ブランドの回答者は2万1,658人)を対象に実施された。調査対象の7業種のうち、今回は「カフェ部門」の顧客満足度ランキングを見ていくこととしよう。
意外すぎ!?トップを逃したスターバックス
まずJCSIについて説明すると、聞き慣れないかもしれないが、日本最大級の顧客満足度調査だ。アメリカ・ミシガン大学で開発された顧客満足度指数をベースに、経済産業省の支援のもと、日本生産性本部のサービス産業生産性協議会(SPRING)が開発した、日本版の顧客満足度指数である。今回のランキングは、この顧客満足度指数をもとに作成させている。
では早速、ランキングを見ていこう。第3位に選ばれたのは、 「ドトールコーヒー」で顧客満足度指数は75.6だった。2019年に実施されたJCSIの調査では1位に輝き、スターバックスを抜いたと話題にもなったが、2020年度にはスコアが低下。今回は持ち直して、なんとか第3位に返り咲いた。ドトールは、肩肘を張らずに気軽に入れる適度なお洒落さから根強いファンも多い。また、ブレンドコーヒー(S)は新鮮で本格的ながら、他のチェーンと比較してもリーズナブルだ。トレンドをおさえた限定商品など、柔軟でスピーディーな商品開発力も魅力の一つとなっている。
第2位は「スターバックス」で顧客満足度指数は76.6だった。前年度の1位からランクダウンしたかたち。商品の美味しさや店員の接客力に定評のあるスターバックスは、言わずとも知れたおしゃれカフェチェーンだ。6月30日より発売されている「47 JIMOTO フラペチーノ®」が話題となり、おいしさと企画の楽しさから顧客満足も上昇しそうなところだったが、2021年度第1回調査の調査期間にはわずかに間に合わずで、惜しくも2位に終わってしまったのかもしれない。
第1位は、地元が名古屋の急成長中コーヒーチェーン
そして顧客満足度第1位を獲得したのは、「コメダ珈琲店」で顧客満足度指数は79.0だった。前年度は2位で、9年ぶりの首位奪還を果たした。コロナ禍でも比較的好調を維持していたコメダ珈琲店。その理由は、「店舗の立地」と「各店舗の柔軟でクイックな対応」にある。
まず「店舗の立地」は、テレワークが普及した昨今、幹線道路沿いへの出店が多いコメダ珈琲店は、人との接触を減らしたいと考える人々から支持を得た。また、店内の広々した雰囲気も、密にならないという観点から顧客に安心感を与えたようだ。「各店舗の柔軟でクイックな対応」は、フランチャイズ店舗の95%以上と割合が高いコメダ珈琲店ならではの事情によるものだ。各店舗の裁量が大きいため、オーナーの判断でクイックにテイクアウトやデリバリーに対応することができたという。
今回の調査では、顧客がそのとき何を求めるかを見定め、柔軟かつクイックに対応できたコメダ珈琲店に軍配が上がったようだ。
出典元:2021年度 JCSI(日本版顧客満足度指数)第1回調査結果【公益財団法人日本生産性本部】
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