任天堂が四半期決算、売上数トップのSwitchソフトから見るロングセラーのヒミツとは?

任天堂が8月5日、2021年度第1四半期決算(4~6月)を発表した。売上高は約3,226億円(前年同期比9.9%減)、営業利益は約1,197億円(同17.3%減)と、前年度に比べて減収減益となった。しかし、営業利益率は37%をキープしており、悪い結果になったわけではない。それよりも前年度が良すぎたのだ。その一役を担ったSwitch用ソフト2本と一緒に、ロングセラーのヒミツを考えていこう。

今なお売れる人気のあつ森。ソフト・本体共に売り切れ続出!

シリーズ物のソフトは総じて人気があるらしい

 前年度、圧倒的な売り上げを記録していたソフトは「あつまれ どうぶつの森(あつ森)」だ。あつ森の2019年度の出荷数は1,177万本、2020年度は2,085万本だった。2019年度とはいえ、あつ森の発売日は年度末の3月20日。新型コロナウイルスの巣ごもり需要が功を奏した結果ではあるが、約1年で3,200万本以上を売り上げ、Switchソフトの歴代出荷数で2位に躍り出るほどの大ヒット作品となった。

 ちなみに、3位~5位までの結果は、5位「ポケットモンスター ソード・シールド」(2,185万本:2019年発売)、4位「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(2,320万本、2017年発売)、「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」(2,477万本、2018年発売)。「あつ森」とは、3位でも1,000万本も差が広がっている。後発のあつ森がこの差をつけるのは驚異的と言っても過言ではないだろう。では、あつ森でさえ越えられなかったソフトとは何なのか、1位を紹介しよう。

(Image:leungchopan / Shutterstock.com)

売れるソフトは必然的に生まれている

 気になる1位の大ヒットソフトは、2017年発売の「マリオカート8デラックス」で、出荷数は3,708万本を記録している。短期間で爆発的に売れたあつ森とは違い、マリオカート8は、一定のペースで売れているのだから驚きだ。出荷本数の推移をみると2017年に922万本、2018年度は747万本、2019年度は808万本、2020年度は1,062万本。発売初年度に爆発的に売れるのなら分かるが、コンスタントに売れている様子を見ると2020年度に売り上げが伸びたのも巣ごもりの影響だけでないはずだ。

 実は、任天堂の看板ソフトは、長期的に売れる傾向があり、海外ではそれが顕著に表れているらしい。その理由は、「信頼」と「実績」。任天堂は開発期間を長期的に確保し、テストプレーにも余念を欠かさない上に、代表取締役フェローである宮本茂氏の厳しい監修も入り、疑問があればソフトを作り直すことがあるようだ。海外、性別、世代問わずヒットするように、ゲーム内の配慮も重ねているらしい。

 マリオカート8を例にすると、自動車ではなく、柔らかいイメージのあるカートを使用。ランキング性といったゲーマーが好きそうなコンテンツから、友達と一緒にプレーできる要素がある。「あつ森」は、ゲームオーバーも勝ち負けもなく、おしゃれ要素などもあるため、女性でものめりこめるようなゲーム。どちらも幅広い世代から支持されたことが予想できる。

 任天堂の幅広い人に向けた商品開発の姿勢が、任天堂に利益をもたらしているようだだ。ゲーム業界における最大のライバル・ソニーを打ち負かす日は来るのか。今後も期待したい。

参照元:〈あつ森&マリオカートが売上ぶっちぎり〉任天堂決算で分かる「なぜSwitchにはロングセラーが多いのか」【文春オンライン

※サムネイル画像(Image:leungchopan / Shutterstock.com)

オトナライフ編集部
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