スマホの普及やソーシャルメディアの利用拡大など、メディアの利用環境が変化してきた近年。ネットでアニメやドラマ、映画まで見ることができるようになり、お茶の間での娯楽が変化し。その一方で、「若者のテレビ離れ」といったニュースをよく見かけるようになった。
今回、総務省が10代~60代の男女を対象に調査した「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」を紹介しよう。
ネットの利用時間が増えたら、テレビの利用時間が減りそうだが……
平日と休日に分けてお伝えするが、まずは平日のメディア利用時間から。ネットの利用時間は、1日平均で168.4分。テレビは163.2分と、ネットの利用時間が上回った結果となった。実は、調査を始めた2012年から2019年まで、テレビのほうが圧倒的に利用時間が長かった。前年の2019年でも、ネットの利用時間は126.2分に対しテレビが161.2分と、30分以上の差があったのだ。テレビの利用時間はほぼ横ばいだが、ネットは40分以上も増加しているのは驚きだ。さて、休日はどうだろうか。
休日に関しては、ネットは174.9分、テレビは223.3分と、テレビが上回った。前年までもテレビの利用時間のほうが長かったが、ネットは前年の131.5分から40分以上も増加しており、平日同様に利用時間がかなり伸びてきている。仮にこの勢いが続くのであれば、あと数年で追い抜かしてもおかしくない。一方で、テレビの利用時間が横ばいということもあり、テレビ離れはそれほど進んでいないように見えるが、テレビを見ながらネットを利用しているということなのだろうか。次にネットの利用時間を項目別に紹介しよう。
平日は、全年代を通して「メールを読む・書く」が40.8分で1位となった。2位は「動画投稿・共有サービスを見る」38.7分、3位に「ソーシャルメディアを見る・書く」37.9分と続いた。前年と比べると、1・3位ともに5分ずつほど利用時間が増えているが、2位の動画投稿・共有サービスを見るについては、10分以上も増えている。これには、動画視聴サービスのサブスク文化が広がったことや、防水機能を持ったスマホが普及したことによりお風呂で動画を楽しむ人が増えたことが要因となっていることも考えられそうだ。
休日に関しては、最も多かったのは全年代で1位を獲得した「動画投稿・共有サービスを見る」(58.0分)。以下、2位「ソーシャルメディアを見る・書く」44.2分、3位「ブログやウェブサイトを見る」27.9分という結果となった。平日以上に、前年から「動画投稿・共有サービスを見る」が20分以上も利用時間が増えており、もしかしたらコロナの影響による外出自粛が影響しているのかもしれない。外出していない分、家でYouTubeやネットテレビを見る人が増えたと予想できる。
どこかの家庭では、「テレビかスマホ、どっちかにしなさい」という声が響いていそうだ。
引用元:「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表【総務省】
参照元:10~60代のネット利用時間、初のテレビ超え 総務省調査【ITmedia NEWS】
※サムネイル画像(Image:Cristian Dina / Shutterstock.com)