2021年3月頃からスマートフォンキャリア各社が立て続けにスタートさせた新プラン。読者の方々の中にも、「これを機に乗り換えた」という人も少なくないことだろう。では新プランによる携帯料金の値下げは、いったいどれだけの影響を与えたのだろうか。そんな気になる部分が、とある調査から判明したのでご紹介していきたい。
新プランの登場で、スマホの利用はどう変わった?
ICT市場専門のリサーチ・コンサルティング企業のMM総研は8月26日、「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2021年7月時点)」を発表した。それによれば、スマホ利用者の2021年6月の「月間データ通信量」は平均で「8.72GB」と判明。中央値(サンプルとなったユーザーのうち中央の順位の回答した値)では「3GB」、また「7GB」までのユーザーが約75.2%を占めたという。
「平均8.72GB」と聞くとヘビーユーザーばかりで「もしかして自分、すごく使っていない側?」と思う人もいるかもしれないが、そこは安心(?)してほしい。4人に3人は平均に満たず、3GBを超すだけで上位半分に入るのだ。
また、1週間あたりのスマホの利用時間は全体で「953分」となった。これを契約会社別に見ると、キャリア4社のユーザーは「962分」。サブブランド(ワイモバイル、UQモバイル)では「958分」、MVNO(その他格安スマホなど)は「903分」となっている。
キャリアとサブブランドの結果が拮抗し、MVNOのみ一段少ない状態から、MVNOはあまりスマホをいじらないユーザーやサブのスマホとしての需要が高いのかもしれない。
そして、新プランの影響が最も色濃く出ているであろう「携帯電話の平均月額利用料金」は、スマホユーザー全体で「4,845円」。キャリア4社のユーザーのみでの平均の場合は「5,351円」。また、サブブランドユーザーは「3,331円」、MVNOユーザーでは「2,049円」となっている。
当然というか、キャリアの料金が最も高くなってしまっているのだが、ここで注目すべきはこの数字単体ではなく「どれだけ安くなっているか」だ。MM総研が2月に発表した結果(「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2020年12月時点)」)では、スマホユーザー全体が「5,334円」、キャリア3社(楽天モバイルは含まれず)で「6,378円」となっている。
全体としてもおよそ500円、キャリアユーザーに限れば1,000円以上の差がつく結果となった。単純に比較するだけでは全容は解明できないだろうが、少なからず新プランが影響を及ぼしていると考えるのが自然だろう。
新プラン合戦はひと段落したが、7月にはソフトバンクが「LINEMO」で、「3GB月額990円(税込)」という「ミニプラン」を打ち出すなど、今度は舞台を“小容量”に移しての戦いが始まる気配を見せている。
さらに一人ひとりに最適なプランが出てくることを楽しみに待ちたい。
出典元:スマートフォン利用者の月額利用料金は4,845円【株式会社MM総研】