10月にたばこ税が再び増税される。これまでの度重なる価格改定にもめげず喫煙を続けてきた愛煙家たちだが、お財布事情は確実に厳しくなっているはずだ。今後も値上げの可能性がないとは言えないなか、どこまでの価格上昇なら許せるのか。しかし調査によって浮かび上がったのは、たばこへの風当たりが厳しい世の中でもタフに吸い続ける喫煙者の姿だった。
10月にたばこ税が増税、小売価格も改定へ
2018年の税制改正で増税が決まって以降、たばこの小売価格は段階的に引き上げられてきた。現行法における紙巻たばこの増税は10月に行われるもので最後となるが、加熱式たばこは2022年の10月にも最後の増税がある予定だ。
これに際してゼネラルリサーチ株式会社が全国の喫煙者と非喫煙者を対象に行なった「たばこの値上げ」に関する調査では、10月が間近に迫ったタイミングにも関わらず今回の価格改定を知らないという喫煙者が全体の約3割にのぼることが明らかになった。1カ月あたりのたばこにかける費用が1万円を超える喫煙者も少なくないなか、さらなる出費につながるニュースを知らないとは意外だ。
しかし、その謎は「1箱(20本)の価格がいくらまで上昇したら“禁煙”しますか?」という質問に対する答えを見るとおのずと解けてくる。最も多い回答は「600円以下」で、全体の35.6%を占めていた。しかし次に多いのは「610〜650円」であり18.2%の人が回答。上を見れば「いくらになっても禁煙をしない」という価格度外視の喫煙者も全体の14.1%となっており、もう一段階、価格が上がったとしても吸い続けるようと考える喫煙者が多かったのだ。
少しくらいの値上げはいとわないのなら、ニュースに関心がないことにもうなずける。調査からは、将来的にさらに価格が上がったとしても、それをものともせず吸い続ける人は一定数いるということがはっきりした。
たばこ税は貴重な税収であり、公共サービスや医療福祉など広く一般に使われている。しかし「貴重な税収だから」と喫煙人口を守る必要はないように思う。価格を引き上げればたばこを辞める人が増え税収は減ることが予想されるが、禁煙によって健康寿命が伸びるのであれば医療費の軽減につながる可能性があるからだ。マナーを守ってさえいれば、どちらを選ぶのも個人の自由だろう。喫煙者と非喫煙者、うまく住み分けていきたいものだ。
出典元:「たばこの値上げ」に関する無料調査レポート【ゼネラルリサーチ】