iPhoneはAndroidスマホより比較的安全だと言われている。確かにAndroidスマホはあまり聞いたことのない中国メーカーも多いし、Huawei(ファーウェイ)のように、バックドアが仕込まれているとして欧米から排除されてしまったメーカーもある。でも、本当にiPhoneはAndroidスマホより安全なのだろうか? そこでここでは、iPhoneが安全である5つの理由を解説したいと思う。
日本でiPhoneのシェアが高いのは安全性の高さもある!?
世界的に見るとスマホのシェアは7割以上がAndroidスマホだが、なぜか日本ではスマホの6割以上をiPhoneが占めている。このあたりの事情については→こちらで解説しているが、筆者は、日本でiPhoneのシェアが高い理由のひとつに「iPhoneのほうがセキュリティが高い」という事情もあるのではないかと思っている。何しろ日本人は安全・安心を優先する国民性だからだ。
現在、Androidスマホは中国メーカー「OPPO(オッポ)」や「Xiaomi(シャオミ)」といった製品の人気が高いが、過去には中国メーカーの「Huawei(ファーウェイ)」が、米国から“バックドアが仕込まれている”という理由で、Googleアプリの提供が禁止されている。実はこれは、米国の中国に対する経済制裁という側面が強いので、実際にHuaweiスマホが危険なのかは分からないが、この一件で中国製Androidスマホの印象はかなり悪くなってしまった。この辺りの事情については→こちらで確認してほしい。
それにしても、本当にiPhoneはAndroidスマホより安全性が高いのだろうか? それを検証すべく、ここではiPhoneが安全である5つの理由を解説しよう。
【1】iPhoneの「iOS」はオープンOSのAndroidスマホより安全
そもそもiPhoneとAndroidスマホはOSが異なる。iPhoneはAppleが開発した独自の「iOS」で、AndroidスマホはGoogleが開発した「Android OS」を利用している。この2つのOSが大きく異なるのは、Android OSは誰でも自由に開発できるように公開された「オープンOS」なのに対し、iOSはApple以外は触ることができない「クローズドOS」である点だ。スマホの安全性を語るうえでは、ここが非常に重要なポイントとなる。
まず、Android OSは誰でも利用できるため、スマホメーカーが独自機能を搭載できるというメリットがある。もちろん、ホーム画面などもユーザーが自由にカスタマイズできるが、その反面、ハッカーに狙われやすく安全性は低くなってしまうのだ。これに対し、iOSはユーザーの自由度(カスタマイズ性)はかなり低いものの、外部から手を加えることが困難であるため、高い安全性を確保できる。OSは“自由度”と“安全性”のトレードオフになるため、一概にどちらがいいという話ではないが、安全面ではやはりiPhoneに軍配が上がるのである。
【2】iPhoneはApp Store以外からアプリを入手できない
Androidスマホは「Google Play(Playストア)」からアプリを入手するようになっているが、残念ながら稀に怪しい機能を持ったアプリが潜んでいることもある。また、個人が公開しているアプリ(通称:野良アプリ)を、Webサイトから入手してインストールすることもできるため、たとえば、フィッシング詐欺でスパイウェアをインストールさせられるといった被害も防ぐことができない。
これに対し、iPhoneでは基本的にApp Store以外からアプリをインストールするのが困難で、App Storeで提供されるアプリもAppleが厳しく管理している。アプリに関しても、自由度と安全のトレードオフになるが、やはりAndroidスマホよりiPhoneのほうが安全だと言える。
【3】iOSはアップデートが頻繁に行われる!
iPhoneでもAndroidスマホでも、セキュリティ対策が施されたOSのアップデートが行われないと安全に利用できなくなる。OSのアップデートが頻繁に行われるほうがより安全に使えるし、新しいバージョンのOSがいつまで提供されるかによって、そのスマホの寿命も決まってしまう。
その点において、iPhoneはAndroidスマホよりOSのアップデートが頻繁に行われており、かなり古いiPhoneでも最新のOSをインストールすることができる傾向にある。たとえば最新のiOS 15は、2015年9月発売のiPhone 6sや2016年3月発売の第1世代iPhone SEまで提供されるため、スマホの寿命もかなり長くなるのである。
これに対しAndroid OSはオープンOSであるため、アップデートが行われる頻度やOSのバージョンアップをいつまで提供するかについては、メーカー次第となる。発売から3年程度は提供されることが多いが、残念ながらiOSほど長期間バージョンアップが提供されることは期待できないのだ。
【4】iPhoneはサンドボックス構造で安全!
iPhoneでは「サンドボックス」構造を採用している。「サンドボックス」とは“砂場”という意味で、マルウェアから攻撃されても影響がないように準備された空間のこと。具体的にはiPhoneにアプリをインストールした時に、砂場から外部との通信や命令に制限をかけているため、安全性が非常にが高くなるのだ。残念ながらAndroidスマホはこのような構造ではないため、許可していない権限をマルウェアが実行することも可能となっている。これもAndroid OSがオープンOSであるがゆえのことで、自由度と安全性のトレードオフとなっているのだ。
とはいえ、やはり安全性の面ではサンドボックス化されているiPhoneのほうが優れているということになる。
【5】Andoridスマホのほうがハッカーに狙われやすい!
前述したように日本では絶大な人気を誇るiPhoneだが、世界的に見ると少数派だ。となれば、当然ハッカーは世界的なシェアが大きいAndroidスマホをターゲットにしがち。つまり、相対的にiPhoneのほうがハッカーに狙われにくいと言える。もちろん、iOSがオープンOSでないことやサンドボックス構造である点もハッカーが手を出しにくい原因ではあるが、ハッカーからすればシェアの大きいAndroidスマホを狙ったほうが効率的なのである。
いかがだろうか? ここまでの説明で何となくiPhoneのほうがAndroidスマホよりもセキュリティ面では優れていることがお分かりいただけたと思う。ただし、Androidスマホは高性能機でも値段が安かったり、ユーザーが自分でカスタマイズできる自由度が高いといったメリットもある。結局、どちらがいいかはユーザー自身の選択になることは強調しておきたい。
参考元:「Apple製品がAndroidより安全だと言える5つの理由」【lifehacker】