中国で「JK制服」の経済効果拡大、ロリータに漢服と「3つの沼」市場が2兆円市場に成長と試算も

女子高生の制服は、どれも清楚でありながら、乙女心をつかむファッション性、つまり、可愛さもうまく取り入れている。中には「迷ったら制服の可愛さで高校を選ぶ」という人もいるほど、女性にとって制服は重要だ。

今、この日本の女子高生風制服が中国ファッションにおいて“三坑”と呼ばれるトレンドの1つとして注目されているというのである。果たしてその三坑とは何なのか。そしてそこにチラつくのが、中国ならではの愛国心の影だった。

日本語でいうハマったら抜け出せない“沼”のことを、中国では“三坑”と呼ぶ

(Image:alinabuphoto / Shutterstock.com)

JK制服と呼ばれるファッションは、コスプレではなく普通のファッションとしても市民権を得ているという

 “三坑”、これは中国語で3つの穴、という意味で、「JK制服」、「ロリータ・ファッション」、中国の伝統衣装である「漢服」の3つを指す。ハマるとどんどんお金を落としてしまう……という意味があるとのことで、日本語のオタク用語(?)でいうところの“沼”と同じような意味だろう。

 中国メディアの分析によると、以前は北京など大都市の一部の、いわゆるマニアの間で楽しまれるものだったが、それが今ではそれ以外の都市にも流行が広がっているという。しかもこのJK制服、現役女子高生以外の人が着るとなると、日本ではコスプレ愛好家など一部の人が楽しむ趣味として着る印象が強いが、コスプレとしてだけではなく、一般的なファッションとしても市民権を得ているというから驚きだ。親世代から見ても「JK制服は日常的に着ても違和感がない」との評価とのことで、日本の一歩先をゆく、といった印象すら覚える。

 しかも、この三坑、経済効果もとんでもない規模になりつつある。中国の調査会社によると、2020年の三坑市場の規模は約200億元(およそ3,370億円)にのぼる。これだけでもびっくりだが、2025年にはこの6倍、1,200億元(約2兆円)を超えるとの試算もあるから、深すぎる沼である。

これが単純にファッション性の話ではないところが、中国っぽいというかなんというか

 北京市内には三坑の専門店もある。客層は10代から25歳くらいまでと幅広いという。また、王道のJK制服やロリータ服の王道のデザインのものだけではない。たとえば、中国の伝統的な漢服の要素を取り入れた、どこか中国らしさが漂うロリータ服も並んでいる。西洋×東洋が上手に混ざり合い、ファッション性も高いように思うが、これは単純にファッションの進化、というわけではない、中国ならではのお国事情があるというのだ。

 実は、このようなトレンドの服やモノに、あえて“中国らしさ”を取り入れる動きが中国では目立つ。これは「愛国心」の表れのひとつとみられている。

 あるカフェではコップやインテリアに漢字のデザインが使われていたり、直球で“中国”とドーンと大きく書かれたアイテムを販売するスポーツ用品ブランドもあったり。これは中国で“国潮”と呼ばれていて、経済的に豊かになり、自国の文化に自信が出てきたことが背景にあるといわれている。

「中国でJK制服が流行っている」と聞いて、一瞬我々が想像していたものとは違ってホッとした一方、中国ならではの、愛国心とも複雑に絡み合う若者文化にやや複雑な印象も。
 とはいえ、沼にハマると抜け出せないのと、沼にハマる人口が多ければ多いほど生み出す経済効果も多いのは、万国共通のようである。

参照元:中国で「JK制服」人気“3つの穴”とは【日テレNEWS24

※サムネイル画像(Image:alinabuphoto / Shutterstock.com

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