大手3キャリアが提供する「+メッセージ」が格安スマホにもサービスを拡大する。メッセージの送受信だけでなく、実は「LINE」と同じようにスタンプや企業アカウントなども存在しているが利用者からは「求めていない」という声も。「打倒LINE」という壮大な目標を掲げてはいるものの、厳しい立場に置かれている。
サービス拡大で巻き返しを図る「+メッセージ」
SMS(ショートメッセージサービス)の進化版として規模を拡大している+メッセージが、9月からサービスの対象を拡大した。もともとドコモ、au、ソフトバンクの大手3キャリアが合同で提供していたものだが、UQモバイルやpovoをはじめとしたサブブランド・格安スマホでも利用が可能になる。ただし対象となるユーザーがサービスを利用するには、Google PlayやApp Storeからアプリをダウンロードすることが必要だ。
2018年にスタートした+メッセージは、電話番号と紐付けをしてアプリ上でメッセージや画像などをやりとりできるLINEのような立ち位置を目指したサービスだ。しかし、時をほぼ同じくして設立された楽天モバイルとの互換性はなくサービスは3キャリアに限定されたもの。ここ数年で格安スマホに鞍替えする利用者も多くユーザー数が頭打ちになる未来は目に見えており、サービスの方向転換が必要だったのだろう。
SMSをベースに発展してきたという歴史もあり、+メッセージの数字上のユーザーはそれなりに大規模だ。しかし、実際に利用されているかといえば疑問が残る。「ショートメッセージが進化したことにすら気づいていなかった」「二段階認証のメッセージが送られるくらい」など存在を知らない、完全に受け身なユーザーも珍しくなく、使う人でも「業務的な短文を送るくらい」と利用シーンが限定されているよう。自分から何かアクションを起こす人が一体何割いるだろうか。
一方、LINEは企業の公式アカウントも多く、飲食店の予約、決済などメッセージの送受信をはるかに超えたスーパーアプリとなっている。傍目に見たらこの2つのサービスがとても同じ土俵にいるとは思えず、+メッセージがLINEを一方的にライバル視しているようにしか見えない。
すでに手広くサービスを展開しているLINEから乗り換えてもらうには、よっぽどのメリットがないとただ面倒なだけだ。不要ではないが、あえて対抗する必要もないのではと思わずにはいられない。
参照元:MVNOに開放された「+メッセージ」 それでも課題は山積、打倒LINEは遠い?【ITmedia Mobile】