ドコモの550円プラン「エコノミーMVNO」にはがっかり! 狙いは3Gサービス終了のガラケーユーザー向け?

2021年10月7日、ドコモはNTTグループの格安SIM(MVNO)である「OCN モバイル ONE」の小容量プラン「エコノミーMVNO」を、10月21日よりドコモショップで取り扱うと発表した。このエコノミーMVNOは、月0.5GB+月最大10分無料通話付で月額550円という低廉プランだが、たった500MBでは事実上Webサイトの閲覧さえ厳しい。これっていったい誰向けのプランなのだろうか……?

OCN モバイル ONEの小容量プランをドコモで販売!

(Image:ntt.com)

月20GBで3,000円以下のお得な格安プランを、大手キャリア各社が用意しているのはご存じだろう。しかし、ソフトバンクの「LINEMO」やauの「povo」が相次いで小容量の3GBプランを発表したことで、いよいよドコモの「ahamo」でも3GBプランが追加されるとみられていた。この辺りの事情は→こちらで確認してほしい。

そもそも、ドコモは以前から小容量のエコノミープランを投入することを公表していたが、それは「ahamo」ではなく、NTTグループの格安SIM(MVNO)である「OCN モバイル ONE」の格安プランをドコモショップで販売する形で実現されることになった。

確かに、ahamoであろうがOCN モバイル ONEであろうが、ドコモショップの窓口で申し込めるなら、「エコノミーMVNO」に乗り換えたい人はいるだろう。だとしても、どうして3GBではなく0.5GB+月最大10分無料通話付で月550円というプランだったのだろうか……。 

(Image:nttdocomo.co.jp)

ドコモでは「5Gギガホ プレミア」を大容量プラン、「ahamo」を中容量プラン、「ギガライト」や「はじめてスマホプラン」などを小容量プランと位置付けているが、エコノミーMVNOはさらにその下の“低廉プラン”となる

エコノミーMVNOはahamoに足りない部分を補ってくれる

2021年10月25日から、ドコモショップで取り扱いが開始されるのは「OCN モバイル ONE」のエコノミーMVNOだ。このエコノミーMVNOは月0.5GB+月最大10分無料通話付きで月額550円というものだが、正直言って、月0.5GB(500MB)では、メールやLINEを使うだけでアッという間に消費してしまうので、Webサイトの閲覧さえ厳しい。いくら安くても、ahamoに注目している層にはまったく響かないはずだ。

しかし、エコノミーMVNOでは、3GBで月額990円や10GBで月額1,760円といったプランも選択できるようになっている。こちらには月最大10分無料通話は付かないが、3GBで月額990円なら「LINEMO」や「povo」と同等だし、6GBで月額1,320円や10GBで月額1,760円のプランは、20GBしか選択肢がない「ahamo」で足りない部分を補ってくれる。しかも、ドコモショップの窓口で申し込めるのだから十分に勝機はあるだろう。

こちらがエコノミーMVNOの料金表。月最大10分無料通話が付くのは0.5GBプランのみだが、無料通話が不要なら、1GB~10GBまでのプランも選択できる

ドコモの全方位料金プランがついに完成!

実は、ドコモの主なプランを比較してみると、なぜ今回0.5G+月最大10分無料通話付のエコノミーMVNOが登場したのかが少しだけ理解できる。

まず、大容量はドコモ「5Gギガホ プレミア」が無制限で月額7,315円。次に中容量は「ahamo」の月20GBで月額2,970円(1回5分かけ放題付)を用意。小容量はドコモの「はじめてスマホプラン」があり、1GBで月額1,815円(1回5分かけ放題付)となっている。そしてその下に“低廉”のエコノミーMVNOを置くことで、ドコモは全方位をカバーすることができるのだ。

また、ソフトバンクには「Y!mobile」、auには「UQ mobile」といった低価格のサブブランドがあり、店頭でも小容量プランを提供しているが、ドコモにはそれがなかった。そういう意味で、ドコモショップで「OCN モバイル ONE」を扱うのは十分理解できる動きであろう。

4大キャリアの主なプランをまとめてみると、各キャリアがどのような戦略でプランを用意しているのか分かる。ちなみに、楽天モバイルは段階制のワンプランで1GB以下なら0円で維持できる

エコノミーMVNOは高齢者のガラケー乗り換え対策!?

実はガラケーの3Gサービスは、auが2022年3月末、ソフトバンクが2021年1月末、ドコモが2026年3月末に終了される予定になっている。詳しくは→こちらを確認してほしい。

そこで、ドコモでは1GBで月額1,815円という「はじめてスマホプラン」を用意している。これは、文字通りガラケーからスマホに乗り換える人向けの低価格プランだが、それでも、月額1,000円程度で維持できているガラケーよりは月額料金が高くなってしまう。

そこでドコモでは、電話とメールしか使わないガラケーユーザー向けに、この0.5GB+月最大10分無料通話付で月額550円というエコノミーMVNOを用意したのではないか……と、勝手に筆者は推測している。 

エコノミーMVNOは、電話とメールしか使わないガラケーユーザーが、スマホに乗り換えるのにピッタリのプランとなっている

いかがだろうか? ドコモの料金プラン戦略を紐解くと、どうしてエコノミーMVNOが誕生したのかが、何となく理解できるだろう。いずれにせよ3Gサービス終了の直前には、ガラケーユーザーが大量にドコモショップに押し掛けるのは目に見えている。そのとき「スマホは0円、料金も月最大10分無料通話付で月額550円ですよ」と言われれば、高齢者もすんなり納得するのではないだろうか?

なお、ドコモではエコノミーMVNOの第2弾として、2021年12月にはドコモショップでフリービットの「トーンモバイル」を販売する予定だ。いったい、どんなプランが用意されているのか注目していきたい。

(Image:nttdocomo.co.jp)

ドコモのエコノミーMVNOは、OCNモバイルONEだけでなく、12月にはフリービットの「トーンモバイル」も用意されている

●OCNモバイルONE「500MB/月コース」(公式)は→こちら
●ドコモ「ドコモのエコノミーMVNO」について(PDF)は→こちら

※サムネイル画像(Image:ntt.com

(※2021/10/27 記事の一部を訂正いたしました)

文=すずきあきら/編集・ライター

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