公正取引委員会は6日、楽天グループに対し、インターネット通販サイト「楽天市場」の送料無料制度の運用について独禁法違反(優越的地位の乱用)の疑いがあると指摘したと発表。それに対して楽天市場は年内にも対応するとの方針を示したため、公正取引委員会は違法な可能性がある状況が解消されると判断し、調査は終了されることとなった。
送料無料スタート時にも独禁法違反の指摘受けていた

公取委から一度目を指摘されたにも関わらず、送料無料義務化を強行するとは強気だ
今回問題となっている、楽天市場の「3,980円以上の買い物をした人に一律で送料を無料とする制度」。実はその導入にあたっては、これまでも公正取引委員会から指摘を受けていた。2020年3月の制度開始時には、全出店者を制度に参加させる方針だったところ、独禁法違反(優越的地位の乱用)の疑いがあると問題視され、一律の導入を見送った経緯があったのだ。
しかし2021年6月には、一転して出店者に対し、出店契約を変更する際には商品の送料無料化制度へ参加するよう義務化。出店者からは「事前の通知もなく、契約の変更に合わせて参加を強制されるのはおかしい」との反発も出ていたが、それ以降、楽天の営業担当者は店側に対し「参加しない店に対しサイトの上位に表示せず、次の契約更新時に退店となる」「今後参加する店には売り上げを大きく伸ばすためのキャンペーンを行う」などとも伝えていたようだ。
こうした半分脅しとも取れるような行為が横行したことによってか、出店する5万5,000店のうち9割以上が送料無料化制度に参加することとなり、なかには送料をみずから負担する店や、送料を捻出するため商品価格を上げたことで客が離れてしまった店もあった、と伝えられている。