アップルのあの便利機器も悪用される事例が多発?

大切なものの紛失防止に役立つアップル社のAirTagだが、悪用される事例も世界で相次いでいる
今回の条例改正から分かることは、これまでは主にストーカー犯罪などに悪用されることが多かったGPSだが、普段の生活でより身近になったことで、さまざまな犯罪行為に用いられるようになってきた、ということだ。
先日、カナダの警察がアメリカのアップル社の紛失防止タグ「AirTag」が車両盗難に悪用される事件が増えていると報告、注意を呼びかけた。窃盗団はショッピングモールなど公共の場所で高級車に狙いを定め、AirTagをこっそりつけておき、被害者の家まで追跡し盗難するという。外国での事例だが、日本でも悪用される可能性は当然ある。盗難防止として自転車や車にAirTagをつけようと考える人も多いかもしれないが、逆に悪用され盗まれてしまう場合もあるので、これからは身に覚えのない追跡装置が付いていないか定期的に点検することも大切なことになってくるだろう。
GPSを使った新たな犯罪を縛るための改正だが、ネット上からは懐疑的な声が多く聞こえてきている。「誰が取り付けたものかなんて、立証が難しくザル法のような条例ですね」など、実効性があるのか疑問を呈する意見も少なくなかった。また、「認知症の親が出歩く時に持たせている」として、本人の同意は得ているものの認知症の影響で本人が「知らない」と答えないか心配する人も見られた。
車両盗難は一例に過ぎず、今後もGPSを悪用したさまざまな犯罪が増えていくかもしれない。普段から当たり前のようにスマホなど手持ちのデバイスのGPS機能を利用して生活をしている私たち。自分の身や大切な物を守るためにも、位置情報を知られることの危険性を理解し、悪用され犯罪に巻き込まれないように気をつけよう。
参照元:GPS悪用、条例で禁止へ 警視庁、HPで概要公表【共同通信社】
※サムネイル画像(Image:Hadrian / Shutterstock.com)