2020年頃から日本国内でも携帯キャリア各社が提供をはじめ、テレビCMなどでも大きく取り上げられるようになってきた「5G通信」。読者のみなさんの中にも、既にスマートフォンで5G通信を使ったことのある人や、「なんか知らないけどとにかく通信が速いらしい、ということは知っている」といった人もいるだろう。ではそんな5Gは果たしてどれだけ速いのだろうか?
今回は、4Gと5Gの通信速度を比較した実験の結果についてお伝えしていきたい。
日本の5G、4Gの約3倍速いことが判明!
インターネット接続の速度性能を評価するサイト「Speedtest」を運営するOoklaは、5G通信対応のスマホと4G通信対応のスマホを使い、世界各国で通信速度の比較検証を行った結果を発表した。
その結果、日本では5G通信対応の「iPhone 13」は通信速度95.82Mbps、4G通信対応の「iPhone 11」では36.08Mbpsと、「5Gは4Gよりもおよそ2.7倍速い」という結果をはじき出した。
これだけ聞くと「4Gの3倍も速いなんてすごいじゃん」となる人もいるかもしれないが、実はあまりすごくはないのだ。Ooklaの発表によれば日本の5Gと4Gの通信速度の差は、今回調査された世界各国の中で最も小さな差になっているという。お隣の中国ではiPhone 13(5G)で278.22Mbpsを記録したといい、26.84Mbps だったiPhone 11(4G)の10倍を上回るスピードを実現していたのだ。10倍を見たあとだと3倍に満たない日本の数字がショボく見えてきてしまうのも仕方のないことだろう。
なお、「日本のiPhone 13はミリ波通信に対応していないせい」というわけでないことも合わせて伝えられている。ミリ波対応のAndroidスマホでも、他国に比べて差は開いていなかったという。
「日本の5Gは遅い」という残念な報告となったが、ネット上では様々な反応が見られている。「5Gって思ったほど速くないんだな、と分かりました」「うん十倍も速くなるんでなかったの?」など、速さを前面に押し出している5Gの結果に拍子抜けする人や、「使っているが5Gって思ったほどではない印象」といった既に実際に使っている人の声が聞こえてきている。中には「5Gってどこで使えるんですか?」という、キャリア各社の5G整備が進んでいないことに対する皮肉とも聞こえる意見も見られた。
また、「一般人には、速度2倍とかすごい繊細なカメラとか、大して変わらない」「5G使っててメリット感じるのはもっと先。現状は4Gで充分」と、通信規格が進化しても、スマホで扱うコンテンツが5Gの「高速・大容量」「多接続」「低遅延」といった特徴を活かせる状況にないことに言及するユーザーもいたのだった。
世界に比べて遅い5G回線を持つ日本は、果たして5G環境が普及していった未来には世界水準に追いつくことができているのだろうか。どうせなら5Gの持つ特性をフルに活用した利用をしたい。キャリア各社にはしっかりとした5G環境の構築に頑張ってもらいたい。
参照元:5Gスマホは本当に速い?Speedtestが4Gスマホと通信速度を比較した結果を発表【iPhone Mania】
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