マイナンバーカードの健康保険証利用、わずか7.6%!シニア層の高認知も「申込みはネットから」が利用の弊害に!?

MMD研究所は2021年11月16日~25日、予備調査では20歳~69歳の男女8,661人、本調査ではオンライン診療とお薬手帳アプリ利用経験者221人を対象に「医療機関のデジタル化に関する調査」を実施、12月16日に調査結果を公開した。

今回はその結果をもとに、なかなか交付率が伸びないと、なかば批判的に報道されているマイナンバーカードだが、保険証利用できることは国民にどのように認知されているのかを考えていきたい。

“保険証利用”政府の思惑通りに進まず

(Image:umaruchan4678 / Shutterstock.com)

マイナンバーカード、あなたはもう持っている?

マイナンバーカードを発行すると、それが身分証明書になったり、コンビニなどで住民票や印鑑登録証明書などの公的な証明書を取得できるようになったりすることは広く認知されているのではないだろうか。これは、直接的に国民が利便性を感じるところだろう。しかしこの他にも、マイナンバーカードは保険証としても利用できるのだ。

今回のMMD研究所の調査では、20歳~69歳の男女8,661人を対象に、マイナンバーカードが保険証利用できることを知っているかを聞いている。その結果、「現在保険証として利用している」と回答した人はたったの5.4%、「過去に保険証として利用していた(現在は保険証として利用していない)」と回答した人も2.1%という結果となり、利用経験は合わせて僅か7.6%というお粗末な結果に。政府が推し進めたい医療機関のデジタル化は、現状、思惑通り進んでいないことが明らかだ。

認知率は高い一方、進まぬ利用

認知率と利用率のギャップを埋めるには、政府のシニア層の利用促進サポートが必要となりそう(MMD研究所調べ)

一方、利用経験はないものの、マイナンバーカードが保険証利用できることを認知していたのは、利用経験がある人と合わせて81.7%と、なかなかに高い数値を誇る結果となった。マイナンバーカードが保険証利用できることの認知と、その利用経験を性年代別に抜粋すると、認知においては男性60代が90.9%と最も多く、次に女性60代が89.8%、女性50代が86.7%となり、シニア層から広く認知されているようだ。しかし利用経験となると結果は真逆で、男性20代が18.0%と最も多く、次に女性20代が17.0%、男性30代が16.1%と、実際に利用しているのは若い世代が多いことが分かった。

マイナンバーカードの保険証利用の認知・利用経験率※年代別(MMD研究所調べ)

ちなみに利用経験がない人の内訳では、「保険証利用できることを知っていて、今まで利用したことはないが利用したいと思う」が35.1%、「保険証利用できることを知っているが、今まで利用したことはないし利用したいと思わない」が39.1%となり、僅かではあるが、今後も利用したいと思わない人が上回る結果に。マイナンバーカードを保険証として利用することの利便性と、保険証として利用申込みする手間や個人情報に関する不安を天秤にかけた際に、後者の比重が勝つ人が多いということなのかもしれない。

現在も、マイナンバーカードを保険証として利用した際の、個人番号の登録ミスなどのトラブルはたびたび報じられている。こうしたミスが続いていては「正確に利用されるのか」という不安がぬぐえず使う勇気が持てないユーザーがいてもおかしくない。

さらに、保険証として利用するためには、スマホやパソコン等からの利用申し込みが必要となる。このことが、さらにシニア層の申し込みのハードルを高くしている可能性は高そうだ。今後、政府としては、せっかく認知率の高いシニア層に保険証としての利用を促進するためのサポートが必要ではなかろうか。

出典元:医療機関や調剤薬局への支払い方法で77.5%がキャッシュレス決済に対応して欲しいと思う マイナンバーカードの保険証利用認知は81.7%、利用経験は7.6%【MMD研究所

オトナライフ編集部
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