「高齢になっても運転免許を返納しない」22.3%、その理由とは

もしあなたが高齢ドライバーだったら、運転免許証の更新を希望するだろうか。2022年5月から始まった高齢者ドライバーの運転技能検査。免許の更新を希望する75歳以上の高齢者ドライバーを対象に実車試験が行われ、取り締まりが一層厳しくなるという免許の返納ルール。読者のみなさんは「自分は高齢じゃないから関係ない」と思っている人も少なくないかもしれないが。

今回は、日本トレンドリサーチの調査をもとに、まだまだ浸透していない運転免許証の返納に対する世間の動向について伝える。

免許返納義務化、75%以上が賛成も…

「どちらかというと反対」「反対」の合計は23.9%に(日本トレンドリサーチ調べ)

日本トレンドリサーチは、全国の男女2,700人を対象に運転免許証の返納に関する意識調査を行った。「免許の返納義務化についてどう思いますか」という質問の回答は、「賛成」が37.0%、「どちらかというと賛成」が39.1%という割合に。合計すると75%以上の人が賛成派ということなる。「高齢ドライバーによる事故が後を絶たないから」という声が多く寄せられ、安全を考慮して返納義務化に賛成する人が多いことが伺える。

現在運転免許証を所有している人に対し、「自身が何歳になったら免許を返納するか」という質問では、「81歳以上」(24.3%)、次いで「76~80歳」(23.3%)という回答が上位を占めた。そして3番目に多かったのが「返納するつもりはない」(22.3%)という回答だ。「車がないと生活に困る」「運転に自信がある」「認知症とか運転技能の衰えを基準に返納するルールにすべき」など、年齢を基準にしたルールに反対する声も挙がっている。

高齢ドライバーの事故が後を絶たず…家族が加害者になる可能性も

上位2つの回答を合計すると約50%の人が76歳以上になってから返納すると回答(日本トレンドリサーチ調べ)

高齢ドライバーの交通事故で記憶に新しいのが、2019年に都内で起こった「池袋暴走事故」だ。高齢ドライバーが運転する乗用車が暴走し、交差点に進入。計11人が死傷する大事故として各メディアが報じた。運転手は当時87歳で「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と事故の原因を主張している。また、被告人が旧通産省の元幹部であったことから「上級国民」として話題を呼んだ。

こういった大事故を防ぐためにも運転技能検査の内容をおさらいしておこう。運転技能検査の対象となるのは、信号無視、通行区分違反、通行帯違反など過去に一定の違反歴がある75歳以上の高齢運転者だ。採点は100点満点からの減点方式で行われ、信号無視などは一発不合格になるという。また、2017年には高齢者講習制度が改正され、75歳以上のドライバーには認知機能低下などを検査する「認知機能検査」や適正な運転を行うための「高齢者講習」も受けるルールが設けられている。

免許返納に対し賛成派が多い一方で、一部では高齢になっても運転に自信がある人も。車がなければ生活できない人たちをどのようにサポートするかも免許返納義務化の課題だろう。親や親せきの高齢ドライバーが事故を起こさないよう、返納について家族でしっかりと話し合うことが必要なようだ。

出典元:【免許の返納義務化】22.3%の方が「返納するつもりはない」日本トレンドリサーチ
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※サムネイル画像は(「写真AC」より引用)

オトナライフ編集部
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