古いノートパソコン捨てるの待った! HDDをSSD化すれば8年前のパソコンでも超サクサク、その方法を解説

長年愛用してきたパソコンが、最近クッソ重くなったという人は多いだろう。とくに、ストレージにHDDを採用しているパソコンは、起動に何分もかかるうえに動作がもっさりしている。そこで今回は、実際に筆者が8年前に購入したノートパソコンのHDDをSSDに換装して、動作をサクサクにした方法を紹介しよう。

起動が遅く動作が重いパソコンはHDDをSSDに換装すれば超サクサクになる!

長年パソコンを使用していると、ちょっとした作業をしても動作がクッソ重くてイライラする。そのためWindows 11パソコンに買い替えを考えている人も多いのではないだろうか?

とくにストレージがHDDのパソコンは、起動するのに何分もかかるうえに、起動後の動作もモッサリしている。

だが、古いパソコンの起動時間が遅かったり動作が重いのは、転送速度の遅いHDDを使っていることが原因であることが多い。

そこで今回は、筆者が愛用している古いノートパソコンのHDDを、Windows OSごとSSDにクローン(コピー)したうえで換装してみたので、その方法を紹介しよう。

ちなみに、以前、自作のデスクトップパソコンでHDDをSSDに交換した記事はこちらで確認できるが、

このとき使用した「EaseUS Todo Backup」はOSのクローン機能が有料版でないと使えなくなっていた。

というわけで、今回はOSをクローンできるフリーアプリがバンドルされているCrucial(クルーシャル)製のSSD(SATA3接続の2.5インチ)を購入することにした。価格は6,500円ほどだ。

14年前のノートパソコン「VAIO Fit 15 SVF15A 1A1J」

筆者愛用のノートパソコンは「VAIO Fit 15 SVF15A 1A1J」。2014年に購入した15.5型の大型ノートパソコンでHDDは500GBだが、起動に1分30秒ほどかかってイライラしていた

今回使用したSSD「Crucial SSD 500GB MX500(CT500MX500SSD)」

今回購入したSSDは「Crucial SSD 500GB MX500(CT500MX500SSD)」。SATA3接続の内蔵2.5インチで、厚さ7mm→9.5mmのスペーサー付。また、バンドルアプリ「Acronis True Image for Crucial」が利用できるのがポイントだ

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【1】Windows OSを丸ごとSSDにクローンするのに必要なものは?

今回使用する筆者愛用のノートパソコンは「VAIO Fit 15 SVF15A 1A1J」。2014年に購入した15.5型の大型ノートパソコンでHDDは500GBだ。換装用のSSDも基本的に同じ容量のものを購入しよう。

ノートパソコンの場合は、Windows OSの入っているHDD(Cドライブ)を丸ごとクローンするために、内蔵SSDをUSB接続に変換できるアダプタやUSBケースなどを使う必要がある。

筆者は今回、会社に放置されていたSATA-SSD変換アダプタを利用したが、持っていなければ「Transcend 2.5インチSSD/HDDケース(TS0GSJ25S3)」などを別途購入しておこう。

次に、「Crucial SSD 500GB MX500」にバンドルされているアプリ「Acronis True Image for Crucial」を「acronis.com」からダウンロードしてパソコンにインストールしておくこと。これで準備は完了だ。

ちなみに、「Acronis True Image for Crucial」は、パソコンにCrucial製のSSDが接続されると、自動認識して利用許可が下りるようになっており、IDやPASSを入力する必要はない。

Windows OSを丸ごとSSDにクローンするのに必要なもの1

Windows OSをSSDにクローンするには、内蔵SSDをUSB接続に変換する装置が必要になる。写真は「Transcend 2.5インチSSD/HDDケース(TS0GSJ25S3)」で、価格は1,700円ほどだ

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Windows OSを丸ごとSSDにクローンするのに必要なもの2

こちらは、今回筆者使用したメーカー不明のSATA-SSD変換アダプタ。Amazonで探せば似たような製品が2,000円程度で買える。SSD/HDDケースと違い3.5インチHDDなども利用できる汎用性がある

Windows OSを丸ごとSSDにクローンするのに必要なもの3

実際にSSDをSATA-SSD変換アダプタにつないでみたところ。USBをパソコンに接続して、本体の電源スイッチをオンにすると認識される

Windows OSを丸ごとSSDにクローンするのに必要なもの4(Image:acronis.com)

「Acronis True Image for Crucial」をダウンロードしてパソコンにインストールする。Crucialの製品が接続されていれば、アプリを使用することができる

【2】SSDにWindows OSを丸ごとクローンする

パソコンにSSDを接続した状態で、「Acronis True Image for Crucial」を起動すると、案内画面が表示されるので「クローン作成ウィザードを開始」をクリックしよう。

このあとの作業は、基本的に画面に従って操作すれば間違いないが、「クローン作成モード」画面では「自動(推奨)」を選択。

次に、「ソースディスク」がパソコン内蔵の元HDD(インターフェイスはSiria ATA)になっているか、「ターゲットディスク」がUSB接続している新品のSSD(CT500MX500SSD1/インターフェイスはUSB)なのを確認したら「次へ」を押す。

あとは、「クローンの作成方法」を選択して「実行」を押せばいい。Windows OSのクローン作業時間は元HDDのデータ量や機種で異なるが2~4時間程度はかかるだろう。

画面に「ディスクのクローンが正常に作成されました」と表示されたら、パソコンの電源をオフにして、パソコン内部のHDDを取り出し、SSDと入れ替える作業を行う。

なお、新品のSSDはフォーマットされていないが、このクローン作業においては事前にフォーマットする必要はなく、そのまま作業することが可能となっている。

SSDにWindows OSを丸ごとクローンする方法1

アプリを起動するとこの画面が表示されるので、「クローン作成ウィザードを開始」をクリック

SSDにWindows OSを丸ごとクローンする方法2

「クローン作成モード」画面では「自動(推奨)」を選択し、画面右下の「次へ」を押す

SSDにWindows OSを丸ごとクローンする方法3

「ソースディスク」がVAIOの内蔵HDD(Siria ATA)なのを確認して「次へ」を押す(上写真)。次に「ターゲットディスク」がUSB接続のSSD(CT500MX500SSD1)なのを確認すればOKだ(下写真)

SSDにWindows OSを丸ごとクローンする方法4

「ディスクの使用状況」画面では「このコンピューターのディスクを交換するにはブータブルをOSを含むクローンを作成します」を選択して「次へ」を押す

SSDにWindows OSを丸ごとクローンする方法5

「選択完了」画面では適用前と適用後の状態を確認して画面右下の「実行」を押せばいい

SSDにWindows OSを丸ごとクローンする方法6

Windows OSのクローンが始まった。残り時間は5時間近くと表示されたが、実際には表示より早く終了するようだ

【3】実際にパソコン内部のHDDとSSDを交換する

SSDへのWindows OSクローン作業が終わったら、パソコンの電源をオフにして、背面のネジを外してカバーをはがす。このとき、先にDVDドライブを抜いておくと作業がスムーズになる。

次に、マザーボードに取り付けられているHDDを外す。最初にマザーボードに固定されているフレームのネジを外し、その後HDDのフレーム横のネジを外せばいい。

あとは、同じ要領でSSDをフレームに入れてネジ止めしたら、本体に戻せばOKだ。ちなみに、SSDは上から真っすぐ下におろしてから、横にスライドさせてS-ATAコネクタにさすようにしないと、上手く装着できない。

ちなみに、取り出したHDDは非常にデリケートなパーツなので、固い机に乱暴に置いたりしてはいけない。何か柔らかい素材の上にそっと置くようにしよう。

たとえば、OSのクローンに失敗したときは、再度HDDを装着することになるし、上手くいったあとも、万一SSDがクラッシュしたとき、HDDに交換すれば、最悪の事態を回避できるのだ。

パソコン内部のHDDとSSDを交換する方法1

VAIOの背面にあるネジをすべて外し、カバーをゆっくり丁寧に開けよう。すると、交換する内蔵HDDが見えるはずだ

パソコン内部のHDDとSSDを交換する方法2

まず、HDDをマザーボードに固定しているネジを外し、パソコンから取り出す(左上写真)。次にフレームの横のネジを4本外し(右上写真)、SSDと交換する

パソコン内部のHDDとSSDを交換する方法3

SSDを本体に接続するときは、まずSSDを上から下におろし、その後横にスライドさせてS-ATAコネクタにさすこと(上写真)。あとは本体にネジ止めすればOKだ(下写真)

パソコン内部のHDDとSSDを交換する方法4

無事HDDからSSDへの換装が終わった! あとはVAIOのカバーを元に戻してパソコンを起動するのみだ

【4】パソコンを起動して動作を確認する

HDDとSSDを入れ替えたら、さっそくパソコンの電源を入れてみよう。ここですんなりOSが起動すればいいが……、「Oh!No!」黒いエラー画面が表示されてしまったではないか!

どうやら、メーカー製パソコンは独自に回復パーティションが作成されており、これを上手くコピーできないことが良くあるらしい。

そこで、「Acronis True Image for Crucial」の「ブータブルメディアビルダー」機能を利用してブートCDを作成し、CDから起動してOSのクローンをやり直すことにした。

もちろん、ブートCDからブート(BOOT・起動)させるには、BIOSを起動してDVDドライブをブートに指定する必要がある。そこで、VAIOの電源を入れて「F2」や「delete」キーなど押すが、BIOSが起動しないのだ。これは困った……。

調べてみると、なんとVAIO本体には「ASSIST」ボタンが装備されており、ここでVAIO Care(レスキューモード)を開くことでBIOSを起動できるそうだ。知らんかった!

しかも、VAIO Careには「USBメモリーやディスクから起動」というモードもあったりするが、結論から言うと、どうしても作成したブートCDで起動することができず、しばし途方に暮れることになったのである。トホホ……。

パソコンを起動して動作を確認する方法1

期待して電源を入れるがエラー画面が表示されてしまった! 原因はいろいろ考えられるが、どうやら回復パーティションが正しくコピーされていなかったようだ

パソコンを起動して動作を確認する方法2

「Acronis True Image for Crucial」の「ブータブルメディアビルダー」を利用して、ブートCDを作成し、クローン作業をやり直すことにしたが……

パソコンを起動して動作を確認する方法3

BIOSを起動してブートをDVDドライブに変更しようとしたが上手くいかない。実は、VAIO本体には「ASSIST」ボタンが装備されており、ここでVAIO Care(レスキューモード)を開くことでBIOSを起動できる

パソコンを起動して動作を確認する方法4

こちらがVAIO独自の「VAIO Care(レスキューモード)」。BIOSもここから起動できるほか、「USBメモリーやディスクから起動」というモードもある

【5】3回目のクローン作業で見事起動に成功!

ブートCDから起動できず困り果てた筆者だったが、ここで諦めるわけにはいかない。気を取り直して他のアプリを使ってOSのクローンを試みるも、途中でエラーとなって完了せず。

「もしかしてSSDが不良品なのか?」などと疑いながら、一旦、SSDをフォーマットし直し、「Acronis True Image for Crucial」を使って3度目のOSクローン作業を行ってみた。

すると、1回目と2回目では4時間程度かかっていた作業が2時間ほどでサクッと終了したのだ。

「本当に大丈夫なのか?」と思いながら、SSDを装着し直してVAIOの電源を入れてみると、「キタッ!」あっけなくWindowsが起動したではないか!

ハッキリした原因は今も分からないが、少なくとも1回目のクローン作業では、SSDのなかのデータが元のHDDとは、回復パーティションの位置やサイズが違っていたのを確認している。

1回目と2回目のクローン作業時間が異常に遅かったのも、そのあたりが原因だったのかもしれない。ともあれ、3回目のクローン作業で、何とかVAIOのHHD→SSD換装作業は無事終了した。

3回目のクローン作業で見事起動に成功

3度目のクローン作業中の写真。原因はよくわらないが、なぜか3度目で普通にWindowsが起動した

メモリも8GB以上にすれば超快適に!

というわけで、さんざん試行錯誤した結果、筆者はVAIOを無事SSD化することに成功した。もちろん動作は驚くほど快適で、これまでとはまったく別もののようである。これなら苦労した甲斐もあったというものだ。

実はSSDへ換装する前に、4GBしかなかったVAIOの物理メモリを8GBに増設している。その方法についてはこちらで確認してほしいが、

やはりSSD換装に合わせてメモリは8GB以上に増設しておきたい。

ちなみに、当初は起動するのに1分30秒ほどかかっていたVAIOだったが、メモリを8GBに増やして55秒ほどに短縮。さらに、SSD化すると約10秒で起動するようになった。

手間はかかったが、メモリとSSDの購入費約8,000円の出費でここまで動作がサクサクになれば、十分ではないだろうか? これで少なくともWindows 10のサポートが終わる2025年まではVAIOを快適に使えそうだ。

●Crucial 「Acronis True Image for Crucial」(公式)→こちら

文=すずきあきら/編集・ライター

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