年々価格が高くなっているiPhone。たとえばiPhone 14の場合、価格は112,800円~でしたが、iPhone 15の価格は124,800円~。iPhone 15 Pro Maxでは20万円を超える価格水準です。より安価なAndroidスマホへの乗り換えを検討し始めている方もいるのでは?
しかし、長年iPhoneを利用していると「iPhoneのブランドに安心感を覚える」「Androidスマホは使いづらいのでは?」と不安になる場合もあるはず。
そこで今回、実際にiPhoneからAndroidスマホに乗り換えた作者の体験談をご紹介します。
iPhoneとAndroidスマホ、どちらを使っている人が多い?
公正取引委員会が2023年2月に発表した「モバイルOS等に関する実態調査報告書」によると、日本における利用端末台数ベースのOS別のシェアはiPhone(iOS)が46.6%、Androidが53.4%とのこと。意外にもAndroidスマホユーザーが多いという結果になっています。
iPhoneからAndroidスマホに乗り換えると後悔する?【体験談】
実は筆者もiPhoneからAndroidスマホに乗り換えたユーザー。最後に「メイン機」として使っていたiPhoneはiPhone 4sで、2014年頃にメイン機をAndroidスマホに乗り換え。2024年現在はGoogle Pixel 8aを利用しています。
なおiPhoneは業務上、必要なため「サブ機」として使い続けています。ただし中古を購入してある程度使った後に手放したり、必要なときにレンタルするといった使い方が主で「メイン機」ではありません。
先述した通り、iPhone 15の価格は124,800円。Pixel 8aは72,600円です。aシリーズは廉価版とはいえ、約40%も価格が安いことを考えると、メイン機をiPhoneに戻す気にはあまりなれません。
さらに、筆者はデータの管理を基本的にGoogleドライブで行っており、写真もGoogleフォトで管理。AndroidスマホはGoogleの各サービスに直感的にアクセスしやすく、スマホからでもデータの編集を行えるため重宝しています。
iPhoneからAndroidスマホに乗り換えるデメリット
前述の通り、筆者個人はGoogleサービスを普段からよく使っていることもあり「Androidスマホ」をメイン機として使う中で不都合を感じることはあまりありません。一方でサブ機としてiPhoneを使い続けていると、iPhoneの方が優れているポイントもいくつか見えてきます。またそもそも「iPhoneからAndroidスマホに乗り換える」際にもデメリットがいくつかあります。
Androidスマホは端末によってカメラ性能がまちまち
Androidスマホはメーカーや機種によって画素数やズーム性能が大きく異なります。格安スマホを買った場合、iPhone 15のようなカメラ性能は期待できないでしょう。また高性能な端末でも、iPhoneのカメラとはやはり仕上がりや質感が違います。
たとえば筆者が所有しているGoogle Pixel 8aは6400万画素のメインカメラと1300万画素の超広角カメラがあり、廉価版ながら画素数は極めて十分です。ただ画像の一部を引き伸ばした際のシャープさや、接写した際の仕上がりは必ずしも十分ではありません。
ちなみに、筆者がiPhone 15で圧倒的な進化を感じたのが「カメラ性能」です。特にズームしたり、画像の一部を引き伸ばした際に、そのシャープな描画に性能の高さが現れます。
以下はiPhone 15で花を撮り、その一部を引き伸ばした際の画質を比較したものです。なお比較対象として、iPhone 13 Proでも同じ花を撮っています。
iPhone 15で撮影した写真は、画像を引き伸ばした際にも花びらの一つひとつがくっきりしています。カメラ性能が明らかに飛躍的に進化しており、接写やズーム、引き伸ばしに十分に耐える品質になりつつあります。選ぶ端末にもよりますが、Androidスマホに乗り換えると「画質が全く十分ではない」と感じてしまうことが増えるかもしれません。
iMessageが使えなくなる
iMessageはiOS同士で無料でやり取りできるメッセージサービス。AndroidスマホでもSMSを利用できますが、送信時に一通当たりの料金がかかってしまいます。友人のiPhone所有率が高いなど、iMessageの利用機会が多い場合はiPhoneのままの方が良いかもしれません。
LINEのトーク履歴(15日以上前)の引き継ぎができない
2024年7月現在、iPhoneからAndroidスマホへLINEを引き継ぎする場合、引き継げるトーク履歴は直近14日間のみとなっています。つまり、15日以上前のトーク履歴は引き継ぎできません。
LINEアカウント自体の引き継ぎは可能ですが、トーク履歴が消えてしまうことは過去の会話を見直したいときなどには大きなデメリットになるでしょう。
Apple製品との相性
iPhoneは、MacやApple TVなどのApple製品との相性が良好です。たとえばiPhoneとMacの場合、AirDropを使って画像や動画を送受信可能といったメリットがあります。
しかし、AndroidスマホとMac間ではAirDropは利用できません。メインPCとしてMacを使っている方がAndroidスマホに乗り換えると、柔軟なファイル共有などの面で不便を感じることがあるかもしれません。
※Android→Macのファイル共有に対応するサードパーティー製アプリは既に存在しますが、AirDropに比べると実用性が低く、Macとスマホ間のファイル共有を重視するならばおすすめできないのが現状です。
iPhoneからAndroidスマホに乗り換えるメリット
一方で、iPhoneからAndroidスマホに乗り換えるメリットもあります。
端末の価格が安い
先述した通り、Androidスマホの端末はiPhoneに比べて圧倒的に安いのが特徴。最新のOSであるAndroid 12に対応している機種であっても、安いものであれば2万円弱で購入することが可能。Google Pixelシリーズも7万円ほどから入手できます。
キャリアの購入プログラム(※実質的なリースに相当します)や割賦払いを利用せず、SIMフリー端末を一括で購入したい方にとっては、やはりiPhoneとの価格差の大きさは無視できません。Androidスマホの方が全体的に「お財布に優しい」と言えるでしょう。
折りたたみスマホが販売されているのはAndroidスマホだけ
AndroidスマホはOSをメーカー側でカスタマイズできることも大きな利点であり、個性的なデザインや性能を持った端末が多く発売されています。
たとえば、SamsungやGoogleから出ている折りたたみスマホもそのひとつ。たとえばGalaxy Z Fold 5は折りたたみ時が6.2インチ、開いたときは7.6インチ。開いたときの横幅は129.9mmに及びます。開いたときのサイズは、ほぼ「小さめのタブレットに近い」と言っても過言ではないでしょう。「タブレットとスマホを持つ」のではなく「大画面スマホ一台に統一したい」ならば、現実的にAndroidスマホの折りたたみスマホが購入候補になり得ます。
外部SDカードに対応
iPhoneの場合、端末にSDカードを入れることはできません。つまり、データ容量を後から増やすことはできません。一方でAndroidスマホの場合、SDカードの挿入に対応している機種が非常に多いです。その分ストレージを拡張することが可能です。
総じてAndroidスマホは「一括払いしやすい価格帯で安価に端末を入手できる」「SDカードを利用してストレージを拡張しやすい」「デザインの幅が広い」ことがメリットと言えるでしょう。またGoogleサービスを普段愛用している場合、慣れ親しんだサービスをスマホでも使いやすいです。
一方でiPhoneからAndroidスマホに乗り換える場合、LINEの引き継ぎに難があります。またiMessageが使えなくなります。加えて選ぶ機種にもよりますが、カメラ性能に難がある場合も。iPhone 15で飛躍的にiPhoneのカメラ性能が進化したこともあり、Androidスマホに乗り換えると物足りなさを感じるケースが多いかもしれません。
※サムネイル画像(Image:Yasu31 / Shutterstock.com)