昆虫食が話題だ。日本能率協会総合研究所が公表した予測によると、世界の昆虫食市場規模は2019年度の70億円から、2025年度には1,000億円規模に達するという。
ではなぜこれほど注目されているのだろうか。実は人口増加による食糧不足への危惧から、2013年に国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した報告書をきっかけに食品としての昆虫の活用が世界的に注目を集めているのだ。
昆虫はタンパク質などの栄養素を豊富に含み、しかも養殖に必要とされる土地や飼料が家畜などに比べ大幅に少なく環境負荷が小さいことから、人間にとって重要な食物になる可能性がある、とのことだ。とはいえ「昆虫食」と聞いて手が出ない人も多いだろう。しかしとある調査から、すでに30.1%の人が昆虫を食べたことがあることが判明した!
日本では伝統食でもあるが、30代以下と60代以上で大きな差

食べたことのある昆虫食の、圧倒的1位はイナゴ。続いて蜂の子までは、よく食べられているようだ(「日本トレンドリサーチ」調べ)
「昆虫食」というと、どのような昆虫を思い浮かべるだろうか。昨今は無印良品やDAISOが「コオロギせんべい」を販売したり、「昆虫食」専門の自販機の設置も増えたりするなど、昆虫食がとても身近になった。そもそも日本においては昔からイナゴや蜂の子の佃煮などを食べる習慣があり、タンパク質やカルシウムを豊富に含んでいるため栄養補給源として用いられていたという説もある。この点からいえば、すでに昆虫食の先進国とも言えるか。
株式会社NEXERが運営する日本トレンドリサーチが2022年2月17日~2月28日に800名(30代以下・40代・50代・60代以上 各年代 男女各100名)を対象に実施した「昆虫食に関するアンケート」の結果によれば、実に30.1%の人がこれまでに昆虫(イナゴ・蜂の子・蚕など)を食べたことがあるという。年代別では年齢が上がるほどその割合も増えていき、「30代以下」では22.0%だったのに対して、「60代以上」は42.0%が食べたことがあると回答した。