楽天モバイルが0円プラン廃止を発表したことで、移行先の有力候補となっているのが、auの格安プラン「povo2.0」だ。povo2.0は基本料0円で契約できるので、楽天モバイルの乗り換え先としては最適。しかし、povo2.0にもデメリットはある。もし、これからpovo2.0に乗り換えるつもりなら、事前に確認しておくべきだろう。そこで今回は、povo2.0のメリットとデメリットについて解説したいと思う。
povo2.0はサブ回線として維持するには最適!
楽天モバイルが2022年6月末で0円プランを廃止することで、慌てて解約したり移行先を探している人も多いことだろう。
そんななか、楽天モバイルの移転先の有力候補として注目を集めているのが、auの格安プラン「povo2.0(ポヴォ)」だ。
povo2.0は基本料0円で、自分に合ったデータトッピング(データ量)を追加するスタイル。ただし、データトッピングを追加しないとデータ通信速度は128Kbpsという低速になるので、電話やメールは使えるが、Webサイトの閲覧は厳しい。
単にサブ回線として電話番号を維持するだけならそれでもいいが、メイン回線と使うためにはデータトッピングを購入しないと、スマホとしては満足に使えないのである。
それ以外にもpovo2.0を使うにはさまざまな注意点があるし、逆にほかのプランにはないメリットもたくさんある。
そこで今回は、楽天モバイルから乗り換える前に確認しておきたいpovo2.0のメリットとデメリットを解説しよう。
なお、楽天モバイルは月1GBまでであれば7月・8月は0円、9月・10月は最低利用料と同額の1,078ptがポイント還元されるので、事実上10月まで無料で利用できることも覚えておきたい。
●povo2.0(公式)→こちら
povo2.0にはどんなメリットがあるの?
povo2.0のメリットは何といっても基本料が0円であること。データトッピングを購入しないと、スマホとしては満足に使えないが、電話番号を維持するだけなら最適だ。
もちろん、180日間に1回はトッピングを購入するか、電話やSMSの利用料が660円以上ないと契約を解除されてしまうが、「smash.使い放題パック」なら1回220円なので、たった440円で1年間維持できる。povo2.0のトッピングについては、こちらの記事を参考にしてもらいたい。
次に、povo2.0をメイン回線で利用するときは大手キャリア(MNO)のau回線が使えるため、格安SIM(MVNO)より高速で安定しているのが◎。もちろん、高速な5G回線も利用可能だ。
また、povo2.0は物理SIMカードがいらない「eSIM」にも対応するので、乗り換えが非常に簡単なのもメリット。サブ回線として利用するならeSIM+SIMカードでのデュアルSIM運用もしやすい。
ほかにも、povo2.0では2年縛りや最低利用期限はないほか、新規契約事務手数料や解除料、MNP転出手数料なども一切かからないので、いつでも乗り換えできるのがうれしい。
最後に注目したいのがpovo2.0特有のサービス「#ギガ活」だ。#ギガ活とはさまざなアクションでデータ量をもらえる制度で、#ギガ活をすればするほど、高速データ通信ができるようになる。
#ギガ活には、au PAYで買い物をするとデータ容量がもらえる「もらう」や、街中やバーチャル空間でキャラクターなどを探す「さがす」、抽選でデータ容量が当たる「あたる」という3つのアクションが用意されている。
現状は「もらう」が中心だが、筆者も楽天モバイルからpovo2.0に乗り換えてから、さっそく#ギガ活を行っているので、このあと#ギガ活の具体的な方法を紹介しよう。
■povo2.0のメリット
【1】基本料0円で維持できる(年間440円のトッピング購入が必要)
【2】大手キャリアのau回線が使える(格安SIMより高速で安定&高速5G回線も利用可能)
【3】eSIMが利用できる(乗り換えやデュアルSIM運用が楽になる)
【4】最低利用期限、新規契約事務手数料、解除料、MNP転出手数料などが一切なし(乗り換えやすい)
【5】「#ギガ活」でデータ通信量をもらうことができる
povo2.0の「#ギガ活」って何? 何をすればいいの?
基本料0円のpovo2.0では、さまざまなアクションでデータオプションをもらうことができる。現状では「もらう」が利用できるが、これには2つの方法がある。
ひとつめはau PAYを使って一定金額以上の買い物をしてクーポンコードをもらう方法。もうひとつは、決済方法に関係なく一定金額以上を買い物で決済することでクーポンコードをもらう方法だ。まずは利用規約を読んで事前エントリーしておこう。
●povo「#ギガ活」→こちら
au PAY支払いの対象店舗はローソン、餃子の王将、すき家、ドトール、はま寿司、日高屋、松屋、丸亀製麺、ほっかほっか亭、nemu、ウエルシア、サンドラッグなどがあり、いずれも税込500円以上の購入で300MB(3日間)のデータ通信量のクーポンコードがもらえる。
ほかにも、魚民、千年の宴、白木屋、笑笑、OK、ベイシアなどでは税込2,000円以上の購入で1GB(7日間)、アート引っ越しセンターなら税込2万円以上の利用で20GB(30日間)がもらえるようになっている。
実際にローソンで買い物して#ギガ活してみた!
それでは実際に#ギガ活してデータ通信量をもらってみよう。筆者は喫煙者なので、1箱500円以上するタバコを2日に1回くらいは購入しているほか、昼食や夜食の弁当をローソンで買うことが多い。
#ギガ活にエントリーしたら、さっそくローソンに行ってau PAYを使ってみよう。今回は、26日にタバコをau PAYで買ったところ、30日にはメールでプロモコードが届いた。
プロモコードを使うには、コード部分を長押ししてコピーしたら、povo2.0アプリを開き「プロモード」をタップ。プロモード欄にペースト(貼り付け)して「利用する」をタップすればいい。
povo2.0アプリを開くと、ホーム画面中央に「0.3GB(300MB)と表示されているのが確認できるだろう。
今回もらったプロモコードの入力期限は6月30日なので、取得から1カ月間の猶予があり、利用開始から3日間有効である。
ちなみに、今のところプロモードの発行に回数制限はなく、たとえば1日2回同じローソンで500円以上の買い物をしても、プロモコードは2回分配布されるようだ。
povo2.0にデメリットはないの?
ここまでpovo2.0のメリットばかりを説明してきたが、実はいくつかのデメリットがある。
まず、povo2.0は基本的に申し込みがオンラインのみで、トラブルがあったときもAIのチャットでしか相談できない。これまで何かあるとすぐにキャリアショップに駆け込み、対面での相談に頼り切りだったような人にpovo2.0は厳しいだろう。
次に、auでは利用できた家族割や光回線割などもpovo2.0では適用されない。家族全員で家族割に入っているような人はpovo2.0に移行することで家族間の無料通話がなくなったりするので注意しよう。
また、楽天モバイルは専用アプリの利用で無制限に無料通話ができたが、povo2.0の通話料は22円/30秒かかるので、1時間通話しただけで2,640円もかかってしまう。もし、電話をよく使うなら月額550円の1回5分かけ放題か、月額1,650円の通話かけ放題オプションを利用することになるだろう。
ちなみに、povo2.0では留守電話や転送サービスのほか、海外でのローミングなども利用できないので、この点でも電話をよく使う人にpovo2.0はあまりオススメできない。
そして、ahamoやLINEMOなどは、契約しているデータ量を使い切ったあとでも1Mbpsでネットに接続できるため、Webサイトの閲覧や中画質のYouTube動画の視聴も可能だ。
しかし、povo2.0ではデータトッピングを追加しない限り128Kbpsの低速になるので、YouTubeどころかWebサイトの表示すら厳しいことは覚えておきたい。
最後に、povo2.0ではスマホの販売は行っていないため、セット割でスマホを購入することができない。IIJmioやOCN モバイル ONEといった格安SIMでもスマホの同時購入割引が利用できるので、乗り換えのタイミングでスマホも購入したい人は要注意。
このほかにもいくつか注意したい点があるので、詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてもらいたい。
まとめ
いかがだろうか? povo2.0は基本料0円なので楽天モバイルで0円運用していた人にとっては最適な乗り換え先と言える。
ただし、povo2.0をメイン回線として使うには注意が必要な部分も多い。とくにネットでの申し込みが基本でトラブル時の対応もチャットになるため、ちょっとしたことでもキャリアショップにすぐ駆け込んでいたような人は、困ってしまうだろう。
また、電話については無料でかけ放題が利用できる楽天モバイルのほうがメリットが大きいので、もし、電話をたくさん利用するなら、povo2.0への乗り換えはあまりオススメできない。
このように、povo2.0のメリットとデメリットをしっかり確認したうえで、楽天モバイルから乗り換えたい人は、こちらの記事を参考にMNP乗り換え手続きをしてほしい。