現在、成長を続けている中古スマートフォン市場。フリマアプリの普及などで「新品じゃなくてもいい」という価値観が浸透し、さらに需要が伸びている状況だ。さらに2022年には、いま以上に需要を拡大させそうな要因も存在するという。はたして、どのような理由なのだろうか。
今回は、成長を続けるスマホ市場に関する調査結果についてお伝えしていきたい。
中古スマホ市場、「一括1円」iPhoneの大量流入で過去最高を更新
ICT市場調査コンサルティングのMM総研は7月26日、「2021年度 中古スマートフォン市場規模の推移・予測」を発表した。それによれば、2021年度の中古スマホ販売台数は前年比14.6%増の212万台で、過去最高を記録したという。
MM総研のデータによれば、中古スマホ市場は18年度から右肩上がりで推移しており、現在の2022年度も241万台へと拡大が見込まれている。2026年度には、市場規模が342万台にまで成長すると予測している。
これほど中古スマホが普及した理由として、MM総研は“新品未使用品のiPhone”の流入量の増加を挙げている。「大手通信事業者によるiPhone値引き競争の激化に伴い、「一括1円」などで販売されたiPhoneが、そのまま新品未使用品として中古市場に流れたことが市場活性化につながった」と解説している。
また、メルカリなどフリマアプリの普及も、ユーザー間での中古スマホのやりとりを後押ししている。最近では、スマホキャリア各社も「認定リユース品」を販売するようになっている。スマホキャリアが直々にお墨付きを与えることで、信頼性を理由に中古スマホを敬遠していたユーザー層からも支持を集めることができているようだ。
また、新品スマホの価格高騰も忘れてはいけないポイントだ。近年はスマホ本体の大型化・高性能化で価格が上昇し続けており、iPhoneなどの人気ブランドも年々価格が上昇を続けていた。そこに来て2022年7月には、急激な円安を受けて「iPhone 13」シリーズが軒並み値上げされている。そこで、“20万円台のiPhone”が多数誕生して、iPhoneファンを中心に世間を大きくざわつかせた。
さらに、9月に発表・発売するとみられる新型の「iPhone 14(仮称)」シリーズも製造費などが高騰しているため値上げするという噂もささやかれている。いまはあくまでも噂の域を出ない話ではあるが、こうした値上げが続くことで、中古スマホ市場の需要がさらに伸びていくだろうとMM総研は予測している。
例年通り9月に、新型iPhoneが発売されるとすれば2カ月を切っている状況だ。すでに、iPhone 14に関する図面や具体的なスペックのリーク情報も飛び交いはじめているが、今後はその中に価格に関する情報も含まれてくることだろう。
新品信仰を復活させることができるか、それとも中古ニーズに火をつけることになるか。iPhone 14の価格設定にも要注目だ。
出典元:中古スマホ販売台数は過去最高の212万台【株式会社MM総研】