一体なんのために? 実は名前もついている、おかしな形の側溝が話題

皆さんは「生物多様性条約」をご存じだろうか。生物多様性条約とは、地球規模の広がりで生物多様性を考え、その保全を目指す国際条約のことだ。人と自然がうまく共存していくために、日本でもさまざまな取り組みが行われている。
 
2022年10月10日に投稿された、びっきょ@bickyonさん「側溝に落ちても所々にカエル用のスロープがあるから大丈夫です」というツイートには、少し変わった形をした側溝の写真が添えられていた。この投稿には、1万件を超える「いいね」がついており、ツイッター上で大きな話題となっている。

今回は、こちらのツイートに関する詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。

スロープの正体は「ハイダセール」

ツイートの写真に写っているスロープ付きの側溝を、読者の皆さんは実際に見たことがあるだろうか。この側溝は「ハイダセール」という名前の小動物保護側溝で、小型の生き物全般が側溝に落ちてしまった際に、自力で脱出できるように開発されたものである。「はい出せる」から「ハイダセール」という、小林製薬のようなネーミングセンスだが、「ハイダセール」のおかげで命拾いした生き物たちは、数えきれないほど多いはずだ。

「ハイダセール」は、写真のようなスロープ型と階段型のものにわかれており、主に山岳部を通過する農道の側溝などに設置されている。角度も小動物が脱出しやすいように45度以下で設置されていることが多い。

帰るとカメの側溝脱出検証

(画像は「ランデス株式会社」公式サイトより引用)

「ハイダセール」で側溝から脱出することができなかった生き物たちは、最終的に集水桝と呼ばれる、水をため込む部分へと行き着いてしまう。そのため、この桝の部分にも救済措置として、「ハイダセール」の親戚のような「ハイダセマス」というスロープを設置しているそうである。

全国的に設置される日が来る?

このツイートを見たツイッターユーザーたちからは、「ウチの近く(南ドイツ)の湖沿いの道路には、山側から湖にカエルが安全に行けるようにたくさんトンネルが作られています。この工事をした時は半年近く通行禁止で大変でしたが、これがないとシーズンになると道路上がカエルでいっぱいでした」と、海外でも小型の生き物を守るための対策が取られているとの声や、「初めて知りましたが素晴らしいですね!全国に広まってくれ!カエルくんだけじゃなく他の生物にも優しくていいっすね」と、「ハイダセール」が全国各地に広がることを望む声など、さまざまなコメントがリプライ欄には寄せられている。

筆者が住む東京23区内においては、そもそも、ふたを閉じていない側溝を見かけること自体がまれなので、まだまだ自然が豊かな土地でしか「ハイダセール」は活用されていないのかもしれない。しかし、都会だろうと田舎だろうと、うっかり側溝に落ちてしまう小動物は必ずいるはずなので、全国的に設置されるのがベストではある。

設置は自治体にお願いしよう!

「ハイダセール」の設置は、個人でできるものではないので、導入するには各地域の自治体がきちんと予算を確保して動き出さなければならない。なかなか道のりは険しいかもしれないが、多くの市民の声があれば、導入を検討する自治体もこれから増えていくだろう。もしかすると、都会では「ハイダセール」の存在を知らない自治体もあるかもしれないので、メールや意見箱を使って声を届けるのも一つの手だ。

コンクリートの側溝は、人間が人工的に作ったものなので、野生の生き物たちにとっては、ただの落とし穴でしかない。年々、人々の環境問題への関心が高まる中、「ハイダセール」のような救済措置は、自然を壊した人間が野生動物たちにしなければいけない最低限の配慮なのではないだろうか。

引用元:ランデス株式会社「ハイダセール」は→こちら

※サムネイル画像(Image:「びっきょ(@bickyon)」さん提供)
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オトナライフ編集部
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