マイナンバーカード取得者がキャッシュレス決済を利用することで、最大5,000ポイント(利用額の25%)もらえる「マイナポイント」。2022年6月30日からは「マイナポイント第2弾」が開始され、健康保険証や公金受取口座の登録などをすると、あわせて最大2万円がもらえます。本来は9月30日までにマイナンバーカードを申し込まないとダメでしたが、12月末まで締切りが延長されていますので、今からでもまだ間に合います。そこで今回は、マイナポイント第2弾について詳しく解説しますが、実はこれがかなり面倒なのです……。
そもそも「マイナポイント」事業って何なの?
「マイナポイント」事業とは、2020年9月からスタートした総務省が主導するマイナンバーカード普及を目指すキャンペーンのことです。
これはマイナンバーカードを申請した人が、キャッシュレスサービスを利用することで、利用額の25%(最大5,000円分)を受け取れるというものでした。
第2弾ではそれに加え、マイナンバーカードに健康保険証の利用申し込みをすると7,500円分、公金受取口座の登録をすると7,500円分のポイントが付与され、1人最大2万ポイントももらえます。
第1弾ですでに5,000ポイントをもらった人でも、今から健康保険証の利用申し込みと公金受取口座の登録をすれば、1万5,000ポイントを追加でもらえますので、忘れずに申請しましょう。
なお、本来は2022年9月末までにマイナンバーカードの申し込みをした人でないと、マイナポイント第2弾に参加できないはずでしたが、マイナンバーカードの普及が思うように伸びていないことから、2022年12月末まで延長されています。
※マイナポイント第2弾のカード申し込み期限は2022年12月末の予定でしたが、2023年2月末に延長されています。また、これに合わせてマイナポイント第2弾のポイント取得期限も延長される予定です。
とりあえず、12月末までにマイナンバーカードの申し込み申請を済ませておけば、マイナポイント第2弾の2万ポイントをもらえる権利は確保できるのです。
しかし、マイナポイントを取得するための手続きは非常に煩雑で面倒です。そこで今回は、マイナポイントを取得するとき、いったいどのような点が面倒なのか、6つのポイントを解説しましょう。
●総務省「マイナポイント」は→こちら
【1】まずマイナンバーカードを取得するのが面倒くさい
「マイナンバー」は、日本で住民票を持つ人全員に割り当てられている“12桁の個人番号”のこと。それを証明するICチップ付きカードが「マイナンバーカード」です。
マイナンバーカードがあれば、さまざまな行政手続きが簡略化されますが、もっとも身近なことで言えば、コンビニのマルコチコピー機で住民票や印鑑証明を簡単に取得できるほか、顔写真入りなので運転免許証のように本人確認書類として利用できます。
とはいえ、運転免許証を持っている人にとっては身分証明書としての必要性は低く、マイナンバーカードには“わざわざ手間をかけて取得する”メリットが感じられないことでしょう。
そこで政府は、健康保険証を2024年秋にも廃止して、マイナ保険証に切り替える方針を打ち出しています。賛否はありますが、いずれ全国民がマイナンバーカードを持つことになるでしょう。
マイナポイント第1弾がスタートした直後には、役所に人が押しかけてマイナンバーカードの取得には2カ月ほどかかってしまう状況がありました。
これがニュースで騒ぎになった経緯もあり、「マイナンバーカード=面倒」というイメージが定着してしまったようです。実際に「ナビナビ」の意識調査でも6割以上の人が申し込んでいないと回答しています。
しかし、その後未取得者の家にはQRコード付きの「マイナンバーカード交付申請書」が郵送され、おサイフケータイ(NFC)対応のスマホから簡単に申し込めるようになりました。
顔写真もスマホで撮ったものを使えるので、今では自宅にいながらすぐに申請できます。マイナンバーカードの申し込み方法についてはこちらの記事で解説しているので参考にしてください。
それでも、スマホで申し込んでからマイナンバーカードが実際に発行されるまでは約1カ月ほど待たされます。しかも、原則本人が役所に受け取りに行かなければならないのが、また面倒なのです。
【2】申し込んだだけではキャッシュレス決済の5,000ポイントを満額はもらえない!
そもそも、“マイナポイント”というポイントは存在しません。あくまでも、申し込んだPayPayやSuicaといったキャッシュレス決済事業者が発行するポイントが付与されるだけです。
たとえば、楽天ペイなら楽天ポイント。PayPayならPayPayポイントが付与されるのですが、ただ、マイナポイントを申し込んだだけでは何ももらえません。
マイナポイントは、申し込んだキャッシュレス決済サービスを利用した金額の25%が還元される仕組みなので、最初に2万円を一気にチャージするか、トータルで2万円分の買い物をしないと最大5,000ポイントはもらえないのです。
とくに、クレジットカードの場合は買い物の支払いをするたびに25%ずつポイント還元されるので、満額の5,000ポイントをもらうには期間内に2万円以上使わないといけません。
これに対し、スマホ決済サービスの「au PAY」などでは一気に2万円チャージすると、その場ですぐに満額の5,000ポイント(25%)がもらえるようになっています。具体的な手順はこちらの記事で確認してください。
なお、マイナポイントの申し込みはスマホやパソコンでできるほか、役所や郵便局、コンビニのATMやマルチコピー機、携帯キャリアショップ、家電量販店などに専用端末が設置されています。
ローソンのマルチコピー機でのマイナポイントの登録方法についてはこちらの記事が参考になるでしょう。
また、セブン銀行ATMでマイナポイント申し込み方法はこちらで解説していますので参考にしてください。なお、現在セブン-イレブンのマルチコピー機ではマイナポイントの申請はできなくなっています。
【3】NFC対応スマホでないと申し込めない場合がある!
マイナポイントの申し込みは、パソコンやNFC(おサイフケータイ)対応スマホ、セブン銀行ATM、ローソンのマルチコピー機など、複数の手段で簡単に申し込めるようになっています。
しかし、マイナポイント対応キャッシュレス事業者のなかには、セブン銀行ATM、ローソンのマルチコピー機に非対応だったりする場合もあるので、事前に「マイナポイント事業」の公式サイトで確認しておきましょう。
●マイナポイント「決済サービス一覧」は→こちら
なかには、楽天ペイのように、NFC(おサイフケータイ)対応のスマホ以外では、申し込みができない場合もあります。
なお、同じ楽天グループでも、楽天カードや楽天Edyに関してはそのような縛りはなく、セブン銀行ATMやローソンのマルチコピー機などから簡単に申し込むことが可能となっています。
【4】2万円使ってもポイントを受け取らないと無効になる場合も!
マイナポイントで利用するキャッシュレス決済サービスに申し込んで、2万円以上利用してもまだ安心はできません。
多くのキャッシュレスサービスでは、決済するたびに自動的に25%のポイントが付与されますが、なかには自分でマイナポイントの受け取り作業をしないとダメな場合があります。
とくに「楽天Edy」「Suica」「WAON」「nanaco」といった電子マネー系は要注意です。付与されたポイントを自分で取得して期限内にチャージしないとポイントが無効になってしまうこともあるのです。
たとえば、楽天Edyに申し込んでNFC対応スマホがない場合は、ファミマのFamiポートなどで受け取り作業をしないとポイントを使えません。具体的な作業方法はこちらを参考にしてください。
また、SuicaはJRE POINTでポイントを受け取ることになるため、Suicaの残高として利用するにはチャージをする必要があります。具体的な方法はこちらの記事で詳しく解説していますので、確認してみてください。
【5】すでにマイナポイント申込が終わったサービスもある
マイナポイントの対象となるキャッシュレス決済サービスは、電子マネー、プリペイドカード、QRコード決済サービス、クレカ、デビットカードなどが幅広く対応しています。
基本的には、マイナポイント公式サイトでどのようなサービスがあるか確認して、自分が普段からよく使っているキャッシュレス決済サービスを申し込めばいいでしょう。
しかし、「PASMO(パスモ)」「メルペイ」「FamiPay」「mijica」「kyash」「J-Coin Pay」「SUGOCA」「LINE Pay」などは、すでに受付が終了しています。
どのようなキャッシュレス決済事業者でもいいわけではないでしょうから、それを事前に探すのも意外と面倒なのです。
【6】未成年の子どもの分を登録して1人2万円以上使うのが大変!
マイナポイントは、生まれたばかりの赤ちゃんや未成年の子どもでも申し込むことができます。家族4人なら合計8万ポイントももらえるので、なんとか満額もらいたいところですよね。
しかし、未成年の場合はクレカやスマホ決済サービスなどを利用していないことが多いので、かなり面倒なことになります。
もちろん、子どもの場合は保護者名義のキャッシュレス決済を利用することができますが、保護者が自分で申し込み済みのキャッシュレス決済サービスは、二重に子どもの分を登録することはできません。
そのため、自分の分とは別に子ども用の決済サービスをわざわざ用意する必要があるのです。子どものマイナポイント申請については、こちらの記事が参考になるでしょう。
なんとか子どもキャッシュレス決済方法を確保しても、まだ安心はできません。期限までに2万円以上決済しないと満額の5,000ポイントをもらえない恐れもあります。
とくに、決済するたびに少しずつポイントがつくクレカなどは管理が面倒なので、確実に5,000ポイントをもらうには、やはり残高チャージで一気に5,000ポイントが付与される決済サービスがいいでしょう。
とはいえ、いきなり家族4人分=8万円を一気にチャージするのは金銭的に厳しい場合もあるでしょうから、その場合は懐具合と相談しながら少しずつチャージするしかありませんね。
なお、マイナポイントでは、子ども名義の健康保険証と銀行口座も用意する必要があります。健康保険証はとくに問題ありませんが、子どもの銀行口座がない場合は、新たに用意する必要があります。
通常の銀行なら、保護者が銀行の窓口に出向いて子ども名義の口座を作ることができますが、共働きの家庭では平日に銀行に行くのは面倒ですよね。そのようなときは、スマホで申し込めるネット銀行を利用すれば便利です。
ところが、子どもの口座開設の対応はネット銀行ごとにバラバラで、なかにはネット銀行なのに各種証明書を郵送しなければならず、子どもの口座を開設するのに1カ月ほどかかる場合もあります。詳しくはこちらの記事で確認してください。
マイナンバーカードに健康保険証を登録したり銀行口座を登録するのは簡単!
マイナポイント第2弾では、健康保険証の利用申し込みと公金受取口座の登録をしないと、残りの1万5,000ポイントがもらえません。
実は、健康保険証の利用申し込みはNFC対応スマホがあれば簡単にできます。実際にマイナンバーカードに保険証を登録する方法はこちらで確認してください。
なお、NFC対応スマホがない場合でも、健康保険料の利用申し込みはセブン銀行ATMで登録することができます。
公金受取口座の登録は、国に個人の銀行口座を握られてしまうことに抵抗感がある人も多いでしょうが、これはあくまでも公金をもらうための口座です。
どうしても不安な人は、たとえば、残高0円のネット銀行口座を登録すればいいでしょう。具体的な登録方法についてはこちらの記事で確認してください。
なお、健康保険証の利用申し込みと、公金受取口座の登録でもらえる7,500ポイント×2=1万5,000ポイントは、登録したキャッシュレス決済事業者によって、付与タイミングが異なります。
たとえば、PayPayやau PAYなどは、手続き終了の翌日には1万5,000ポイントが付与されますが、楽天カードは翌々月の25日頃にならないと付与されないので、多少はポイントの付与日のことも気にしたほうがいいでしょう。
まとめ
いかがでしょうか? マイナンバーカード取得によるキャンぺーン「マイナポイント第2弾」で、2万ポイントをもらう方法がなんとなく分かってもらえたでしょうか?
家族の友だちの分も含め、何度も申請作業を手伝ったことのある筆者ですが、正直言ってマイナンバーカードの取得からキャッシュレス決済サービス選び、各種申請まですべて終わらせるのは、かなり面倒です。
しかし、1人2万ポイント、家族4人なら8万ポイントももらえるのですから、ちょっとしたアルバイトだと思って頑張って申請してみましょう。
すでにマイナンバーカードの交付率は、2022年9月末時点で49%に達しています。子どもや後期高齢者を除いた18歳以上の社会人なら、この割合はさらに高いはずです。
国の方針として、今後マイナンバーカードの取得は必須になるのですから、どうせならたっぷりポイントがもらえるうちに取得しておきましょう。
(※2022/12/20 記事の一部を更新いたしました)