世界のスマホ、出荷台数約10%減少 耐久性の高さが買い控えを加速?【22年第3四半期】

われわれが住む日本でもスマホは生活の一部だが、もちろん世界中でも多くの人がスマホを持っている。しかし、出荷台数は全体的に減少しているようだ。四半期ごとに行われる調査では、5四半期連続で減少し、専門家が警告している。また、日本におけるスマホのシェアは、世界と比較するとかなり違う結果で興味深い。はたして、どのような状況なのか、詳しく見てみよう。

出荷台数は減るが、ランキングはほぼ変わらず

International Data Corporation(IDC)最新報告書

IDC社は、回復期は訪れると考えているものの「2022年内はさらに減少する見込み」という見解だ(「IDC」調べ)

International Data Corporation(IDC)が発表した最新報告書によると、2022年第3四半期の世界スマートフォン出荷台数は、前年同期に比べ9.7%減少し3億200万台弱まで落ち込んだ。各メーカーの順位ではサムスンが6400万台で、シェアは21.1%とトップを維持し続けている。ついで2位はアップルの5190万台でシェアは17.2%。ランキングにはとくに大きな変わりは見られなかった。なお、日本におけるスマホシェア1位はiPhoneであることは、さまざまデータから明らかだが、実は、世界でのシェアは前述のとおりサムスンだ。

しかし、5位以内にランクインしたメーカーの出荷台数の伸び率は、アップルの+1.6%を除く4社がマイナス。「iPhone 14」の人気と需要の高さが数字を押し上げたからだと考えられている。中国メーカーのVivoとOPPOは2社とも20%以上減少している。中国では、コロナ禍が原因のロックダウンにより、市場の減退の影響を大きく受けた。さらに2022年第2四半期からの余剰在庫も重なり、出荷数の大幅な減少に至ったとも推測されている。

丈夫なスマホがユーザーの買い控えを加速させる可能性も?

最近のスマホは、防水・防塵機能が当たり前のようにあり、バッテリーの劣化もずいぶん改善された

端末の耐久性が高まると同時に、技術的進歩が鈍化したことで、ユーザーに買い替え需要が低下したことも理由の1つだろう。今の技術におけるスマホの進歩の限界値が近いのかもしれない。最新の技術を駆使したスマホは毎年発売されているが、近年の異様ともいえる価格の高騰ぶりには、もうついていけないというユーザーの声も多い。一部ハイエンドスマホのニーズがあり、そこでは最新機種の購入がさかんに行われているが、手頃なミドルレンジスマホの耐用年数が長くなってきたのは実感としてある。

世界におけるスマホ出荷台数は5四半期連続で減少し、専門家らの予測では2022年末にかけて、状況はさらに悪化するとのことだ。世界情勢の不安、インフレ、為替市場などが原因で価格が高騰し、需要が低下したことが最大の要因だと考えられている。

また、IDCのRyan Reith氏は「世界市場が成長するには、新興市場の力強い回復が必要」と分析している。今、挙げられている懸念事項から考えると、メーカーの努力だけでは乗り越えるのは難しいだろう。出荷台数を増やすカギは世界情勢が握っているのかもしれない。

引用元:【IDC

※サムネイル画像(Image:Framesira / Shutterstock.com)

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