【図解】auでんきの料金が値上げ?電気代高騰の理由とデメリット、解約方法

国の電気・ガス価格激変緩和対策事業によって2023年1月~2023年9月の電気代は燃料費調整単価の引き下げが行われています。一方で燃料費調整単価が引き下げられたとしても、やはりこの猛暑の中、エアコンの使用頻度が増えて「電気代が高すぎる」と感じている方は多いのでは。

そうした状況の中、電気代が安くなることを期待して新電力への乗り換えを検討する方もやはりいるでしょう。新電力の中でも、auユーザーの方にとっては特に身近なのが「auでんき」。

【図解】auでんきの電気料金は値上げしているの?電気代高騰の理由とデメリット、解約方法1

最大1%のPontaポイント還元制度もある

auでんきはauを運営しているKDDIの関連会社「auエネルギー&ライフ株式会社」が提供しているサービス。auユーザーなら、電気料金に応じ、最大1%のPontaポイント還元制度もあります。

【図解】auでんきの電気料金は値上げしているの?電気代高騰の理由とデメリット、解約方法2

燃料費調整額の上限を撤廃イメージ

ただし、残念ながらauでんきも2022年11月に燃料費調整額の上限を撤廃しています。国の電気料金負担額策の対象にはなっているものの、世界情勢の変化を受けて電気料金が値上げしてしまうことは避けられません。

よってauでんきへの乗り換えによって、電気料金を大きく値引くことは難しいかもしれません。またauでんきを現在利用している方は「使用量があまり変わっていないのに、電気代が高騰している」と感じることが増えているのではないでしょうか。

今回はauでんきの電気料金について、図解やエリアごとの電気料金を交えて具体的に解説していきます。

KDDIのauでんきについて詳しく解説:基本情報や料金プラン

auでんきは、2016年4月から開始された電力サービスです。

KDDIのauでんきについて詳しく解説:基本情報や料金プラン1

KDDIが電力会社と提携して、全国のauユーザーを中心に電気を供給している「auでんき」。auでんきに申し込むと電気の契約先がKDDIになりますが、電気の供給元は地域によって異なります。例えば、関東地方では「東京電力」、関西地方では「関西電力」から電気が届きます。そのため、停電や故障などのトラブルが発生した場合は、KDDIではなくもともと契約していた電力会社に連絡する必要がある場合があります

KDDIのauでんきについて詳しく解説:基本情報や料金プラン2

電気の契約先がKDDIとなるため、電気料金の請求をauの請求にまとめることが可能。請求を一本化できるうえ、電気料金に応じてPontaポイントの還元も受けられるのが大きな特徴です

(画像引用元:auでんき公式サイト

基本的な料金プラン

auでんきの料金プランは、「でんきMプラン」と「でんきLプラン」、再生可能エネルギー100%かつCO2排出実質ゼロの「ecoプラン」を加えた3種類。「でんきMプラン」は一般家庭向けで、「でんきLプラン」は事務所や商店などの電気使用量が多い人向けです。

基本的な料金プラン1

「auでんきプラン」に乗り換えても、基本料金や従量料金はもともと契約していた電力会社とあまり変わりません。つまり、基本的な電気料金はほぼ同じです

(画像引用元: auでんき公式サイト

auでんきの「でんきMプラン(東京)」と「東京電力従量電灯B」の電力比較は以下の通りです。(2023年8月23日現在)

基本的な料金プラン2

各電力料金は定期的に改定が行われています。最新の情報は公式ホームページなどで確認しましょう

ただし、燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金などの費用は別途かかります。 昨今はこのうち「燃料費調整額」が高騰しているためauでんきの料金が値上がり傾向にあります。しかし、2023年1月~2023年9月の利用に関しては「国の電気・ガス価格激変緩和対策事業」の一環として燃料費調整単価の引き下げが行われています。

auでんきの電気料金は値上げしているの?

2022年11月にauでんきは燃料費調整額の上限を廃止。エネルギー価格高騰のダメージを受け、電気代はゆるやかに値上がりしているのが現状です。

一方で電気・ガス価格激変緩和対策事業によって、auでんきの電気料金は2023年1月ご利用分~2023年9月ご利用分まで値引きが行われています。
そのため、たとえばこの期間中にauでんきを使用していて「電気料金が高くなった」と感じる場合は、たとえば猛暑でのエアコンの使用頻度の上昇などが影響している可能性もあります。

「電気料金が急に値上げされた」と感じている場合、以下のチャート図を使ってその原因を確認してみましょう。

auでんきの燃料費調整額が上限撤廃をしたのはどうして?

燃料費調整額の上限撤廃を発表した際、運営会社はその理由として「昨今の世界的なエネルギー価格の高騰」「電力の需給ひっ迫が懸念されている」と説明しています。
むやみに利用者にお得なサービスを終了したわけではなく、あくまで世界情勢を踏まえての対応だったといえます。

参考元:au公式サイト

auでんきと東京電力の料金比較シミュレーション

2023年8月現在のauでんきと東京電力の料金比較のシミュレーションを行ってみました。

1人暮らしの場合

  auでんき
(190kWh利用)
東京電力
(190kWh利用)
基本料金(30A) 885.72円 885.72円
従量料金 6,952.1円 6,954円
8月分燃料費調整額 -799.9円 -799.9円
再生可能エネルギー
発電促進賦課金
266円 266円
政府負担額 -1,330円 -1,330円
Pontaポイントの還元 -35円
合計(税込) 5,938.92円 5,975.82円

2人暮らしの場合

  auでんき
(270kWh利用)
東京電力
(270kWh利用)
基本料金(30A) 885.72円 885.72円
従量料金 9,879.3円 9,882円
8月分燃料費調整額 ‐1,136.7円 ‐1,136.7円
再生可能エネルギー
発電促進賦課金
378円 378円
政府負担額 -1,890円 -1,890円
Pontaポイントの還元 ‐97円
合計(税込) 8,019.32円 8,119.02円

それぞれ、auでんきと東京電力を比較すると電気料金にほとんど差がないことが分かります。2023年5月にPontaポイントの還元率が改定されたことで、以前よりもポイント還元率も低くなりました。電気料金は、契約の電力会社などにより大きく異なるため、シミュレーションはあくまで参考までとしてください。

auでんきの料金プラン:選び方のポイント

前述の通り、「ecoプラン」を除けばauの基本的な電気料金プランは「でんきMプラン」と「でんきLプラン」の2つ。多くの一般家庭で利用されている東京電力の「従量電灯B」に相当するauでんきの料金プランは「でんきMプラン」なので、基本的には「でんきMプラン」がおすすめです。

しかし、auでんきではオール電化向けのプランや、深夜割引などは提供していません。これまで深夜に多く電気を使い、かつオール電化家庭に暮らしている場合、東京電力から切り替えると割高になってしまうことがあるため注意が必要。

auでんきに切り替える場合は、「東電ガス for au」のようなガスとのセット割を検討するとよいでしょう。

auでんきはこのような人におすすめ!

auでんきは、以下のような人におすすめです。

・アプリから電気使用量や料金を簡単に確認したい人
・電気料金の変動が少なく、安定した料金プランを希望する人
・auユーザーで、電気代の支払いでPontaポイントを貯めたい人
・「ガス for au」やUQモバイルとのセット割引でさらにお得になりたい人

auでんきのメリット・デメリットを総ざらい

auでんきのメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。

メリット①:ポイント還元が大きい!

auでんきの最大のメリットは、電気代の支払いでPontaポイントを貯められること。Pontaポイントは、ローソンやHMVなどの提携店舗で1ポイント=1円で使えます。

メリット①:ポイント還元が大きい!1

毎月の電気料金支払いで、使った分に応じて0.5~1%がPontaポイントとして自動的に還元される仕組み。使うほどポイントも貯まります

参考元:au公式サイト

メリット②:auガスとのセット割引がある!

ガス for auは、都市ガスやプロパンガスの料金プランを提供するサービス。「auでんき」と「ガス for au」をセットで申し込むと、さらにお得になります。

メリット②:auガスとのセット割引がある!1

たとえば「東電ガス for au」にauでんきユーザーが加入すると、ガス料金が約3%お得に。さらに「auでんき」とまとめて請求すると、毎月Pontaポイントが102ポイントが還元される「トリプルセットポイントで割引」が適用になります

(画像引用元: 東電ガス for au公式サイト

メリット③:UQモバイルの割引がある!

auでんきのもう一つのメリットに、UQモバイルの割引があります。KDDIが提供する格安スマホ・格安SIMサービスの「UQ mobile」と「auでんき」をセットで利用した場合、「自宅セット割」という特典が受けられます。

特典は、以下のような内容です。

メリット③:UQモバイルの割引がある!1

「自宅セット割」に加入するには、対象サービス契約者本人が「トクトクプラン」か「ミニミニプラン」または「くりこしプラン+5G」に加入していてかつ「auでんき」と契約し、自宅セット割に申し込む必要があります。申し込みの翌月末時点で条件を満たしていれば、その月の請求分から割引適用となります。なお、「くりこしプラン+5G」は2023年5月31日をもって新規受付を終了しているので、今から加入できません

(画像引用元:UQモバイル公式サイト

メリット④:オリジナルアプリが使いやすくて便利

auでんきでは、契約者なら誰でも無料で利用できる便利なオリジナルアプリがあります。

メリット④:オリジナルアプリが使いやすくて便利1

スマホだけでなく、PCでも利用可能。スマホの場合はアプリをダウンロードして使います

参考元:auでんき公式サイト

このアプリは、以下のようなサポート機能があります。

・電気使用量や料金を毎日確認できる
・電気使用量や料金の推移や比較をグラフでチェックできる
・電気使用量や料金の目標設定や節電アドバイスが受けられる
・電気代の支払い方法や請求書の確認ができる

アプリは、Android、iPhoneともにスマートフォンやタブレットなどの端末にダウンロード可能。電気使用量や料金を簡単に確認したり、節電に役立つ情報のチェックもできます。

デメリット①:電気料金自体が安くなるわけではない

auでんきに切り替えても、電気料金自体が安くなるわけではありません。auでんきの基本的な料金プランは、「でんきMプラン」と「でんきLプラン」の2種類ですが、従量料金はもともと契約していた電力会社と同じであるため、auでんきに切り替えたとしても「安くなるわけではない」のです。

切り替えで、auの請求との一本化やPontaポイントの還元という特典が受けられますが、これに魅力を感じない場合は、電気会社の切り替えにメリットを感じられないかもしれません。

デメリット②:電気使用量が少ないとお得度が低い

auでんきのデメリットの一つは、電気使用量が少ないとお得度が低いことです。auでんきでは、電気代の支払いでPontaポイントが貯まりますが、還元率は電気使用量に比例します。つまり、電気使用量が少ないとPontaポイントの付与は少なく、還元率自体も下がるということです。そのため、電気使用量が少ない人は、auでんきのメリットを十分に享受できない可能性があります。

デメリット③:プランの選択肢が少ない

前述の通り、auでんきの電気プランの選択肢は少ないです。オール電化への対応がなく、深夜割引なども存在しない点はやはり大きなデメリットと言えるでしょう。オール電化の場合は、切り替えによって逆に電気代が高くなるケースもあります。

auでんきへの申し込み方法:スムーズな切り替え手続きのポイント

auでんきに申し込む方法をご紹介します。他社からスムーズに乗り換えるには、Webでの申し込みをおすすめします。

Webでの申し込み手順

auでんきの申し込みは、スマホやPCから簡単にできます。

Webでの申し込み手順1

【1】「auでんき」サイトの右上にある「お申込み」をタップ。【2】②「現在の電力会社」を選択し、③「auでんきに申し込む」をタップします

Webでの申し込み手順2

【3】④あらかじめ作成しておいた「au ID」を入力し、⑤「次へ」をタップ。【2】⑥設定した「パスワード」を入力し、「ログイン」をタップ。2段階認証のページになるため、⑧届いた「認証コード」を入力し、「次へ」をアップします。その後、申し込みを完了させてください

auでんきの解約方法と東京電力に戻す方法:解約金は発生しない

「auでんき」から他社へ切り替えたい場合は、切り替え先で手続きすればOKす。解約金もなく、特に必要な手続きはありません。なお、引っ越しなどの都合で切り替えではなく「解約」を希望する場合は、下記にお問合せください。

KDDIお客さまセンターのフリーコール:0120‐925‐881

【参考】auでんき「でんきM/Lプラン」の電気料金プラン表

2023年8月現在のauでんき「でんきM/Lプラン」の電気料金をエリアごとにまとめました。

北海道電力エリア

北海道電力エリア1

「でんきMプラン(北海道)(北海道D)」は、一般的な家庭向けの料金プランです。契約アンペアに応じた基本料金と、使用量に応じた電力量料金単価で構成されています。また、でんきMプラン(北海道)では、電源調達等調整額が追加されますが、でんきMプラン(北海道D)には適用されません

東北電力エリア

東北電力エリア1

「でんきMプラン(東北)」は、一般的な家庭向けの料金プランです。契約アンペアに応じた基本料金と、使用量に応じた電力量料金単価で構成されています

東京電力エリア

東京電力エリア1

「でんきMプラン(東京)(東京D)」は、一般的な家庭向けの料金プランです。契約アンペアに応じた基本料金と、使用量に応じた電力量料金単価で構成されています。また、でんきMプラン(東京)では、電源調達等調整額が追加されますが、でんきMプラン(東京D)には適用されません

中部電力エリア

中部電力エリア1

「でんきMプラン(中部)(中部D)」は、一般的な家庭向けの料金プランです。契約アンペアに応じた基本料金と、使用量に応じた電力量料金単価で構成されています。また、でんきMプラン(中部)では、電源調達等調整額が追加されますが、でんきMプラン(中部D)には適用されません

北陸電力エリア

北陸電力エリア1

「でんきMプラン(北陸)(北陸D)」は、一般的な家庭向けの料金プランです。契約アンペアに応じた基本料金と、使用量に応じた電力量料金単価で構成されています。また、でんきMプラン(北陸)では、電源調達等調整額が追加されますが、でんきMプラン(北陸D)には適用されません

関西電力エリア

関西電力エリア1

「でんきMプラン(関西)」は、一般的な家庭向けの料金プランです。最低料金と、使用量に応じた電力量料金単価で構成されています

中国電力エリア

中国電力エリア1

「でんきMプラン(中国)」は、一般的な家庭向けの料金プランです。最低料金と、使用量に応じた電力量料金単価で構成されています

四国電力エリア

四国電力エリア1

「でんきMプラン(四国)」は、一般的な家庭向けの料金プランです。最低料金と、使用量に応じた電力量料金単価で構成されています

九州電力エリア

九州電力エリア1

「でんきMプラン(九州)」は、一般的な家庭向けの料金プランです。契約アンペアに応じた基本料金と、使用量に応じた電力量料金単価で構成されています

沖縄電力エリア

沖縄電力エリア1

「でんきMプラン(沖縄D)」は、一般的な家庭向けの料金プランです。最低料金と、使用量に応じた電力量料金単価で構成されています

まとめ:auでんきを検討する際のポイントを押さえておこう

電気代の高騰により新電力への乗り換えを検討している場合、auでんきは料金が大幅に安くなることは期待できないため、おすすめの乗り換え先とは言えません。しかし、auユーザーにとっては、電気料金の請求をauに一本化できる他、Pontaポイントの還元が受けられる、セット割引等の適用が受けられるためメリットがあると言えます。また、一本化することで管理が簡単になるため、契約情報や請求管理がバラバラで手間が掛かると感じている人にもおススメです。

※サムネイル画像は(Image:「auでんき」公式サイトより引用)

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