携帯電話業界の多様化にともない、近年は大手キャリアから格安SIMまで、選択肢が大きく広がった。そのようなか、大手調査会社の株式会社oricon ME(オリコンエムイー)は12月1日、2022年のオリコン顧客満足度調査ランキングを発表。携帯キャリア、サブブランド、格安SIM・スマホのカテゴリに分かれたランキングとなった。はたして、顧客満足度1位の栄冠を手にしたのはどこなのだろうか。
4大キャリアではドコモ、サブブランドではLINEMOが僅差で1位に
まず、大手キャリアを対象にした「携帯キャリア」のランキングを見てみよう。対象企業は4社、実際の利用者7,909人を対象に調査を行った。評価項目は「加入手続き」「初期設定のしやすさ」「繋がりやすさ」「料金プラン」「端末のラインナップ」「コストパフォーマンス」「サポートサービス」「付帯サービス」の8項目。これらの評価をもとに総合評価が決定する。
総合ランキングで1位に輝いたのは65.8点で「ドコモ」。前回2021年のランキングで1位だった「楽天モバイル」が65.7点と0.1点の僅差で2位となった。ドコモは「繋がりやすさ」「サポートサービス」といった大手キャリアの利用者が求める項目が1位、その他6項目で2位を獲得、安定して高い順位だったのが、楽天モバイルをかわして総合1位になった理由だろう。
次に、大手キャリアのサブブランド・3ブランドを対象にした「キャリア格安ブランド」カテゴリでは、2,318人に対して「加入手続き」「初期設定のしやすさ」「繋がりやすさ」「料金プラン」「コストパフォーマンス」「サポートサービス」「付帯サービス」の7項目について調査。
総合ランキングでは、1位が「LINEMO」で72.2点、ついで2位が「povo」で71.9点、3位は「ahamo」で70.5点という結果になった。LINEMOは、7項目中4項目で1位を獲得し、なかでも加入手続きや初期設定の項目で2位と大きな差をつけた。契約のやり方のハードルが高く敬遠されがちなサブブランドだけに、申し込み時に重視される項目の得点の差が総合ランキングへの影響も大きかったと考えられる。
格安SIM・格安スマホでは、「IIJmio」が2冠に輝く
格安SIM・格安スマホのカテゴリでは、どのような結果になったのだろうか。格安SIMは過去1年以内にメイン利用を目的でSIMカード単体を契約した利用者1,986人、格安スマホは同じ条件でSIMカードと端末をセットで契約した利用者1,593人を対象に行った。評価項目は「加入手続き」「初期設定のしやすさ」「繋がりやすさ」「プランの充実度」「コストパフォーマンス」「サポートサービス」「付帯サービス」「端末のラインナップ(格安スマホのみ)」。
格安SIMの総合ランキングでは、IIJmioとイオンモバイルがそれぞれ72.3ポイントで同点1位となった。格安スマホでもIIJmioが総合1位で2冠に輝いた。とくに格安スマホにおける評価項目別ランキングでは、8項目中7項目で1位となり、利用者からの評価をバランスよく得ていると言えるだろう。またイオンモバイルは、2020年~2022年の3年連続で格安SIM・格安スマホのどちらか1位となっており、安定した評価の高さだ。
大手キャリア・サブブランド・格安SIMの利用者のニーズにあった項目で上位を獲得したものが、総合ランキングでも1位、2位になるという傾向がうかがえた。なかでも「繋がりやすさ」1位を獲得したブランドが、すべてのカテゴリで1位に輝き、通信障害が相次いだ2022年、繋がりやすいことが顧客満足度に直結したことがわかるランキングとなった。スマホの乗り換えを検討している人は、ぜひ参考にしてみてはいかがだろうか。