Twitter APIの有料化を発端に、多くのTwitterクライアントアプリがサービスの提供を停止する中、にわかに再注目されているのがアプリ版ではなく「ブラウザ版」のTwitterです。
これまでTwitter APIは多くが無料で提供されていましたが、2023年2月9日に有料化が発表されました。発表は突然で、詳細な情報も不十分でした。そして、いわゆる「Twitterクライアントアプリ」は多くがTwitter APIを利用していたため、サービスの提供停止に追い込まれました。

たとえばカスタマイズ性の高いタブやパワフルな検索機能を持つTwitterクライアントアプリ「feather」は、iOS向けに有料版と無料版を提供していましたが、Twitter APIの有料化に伴う利用規約の変更により、2023年1月23日に有料版の配信を停止。その後、無料版も2023年4月5日に使用不能になりました。featherの開発者は、Twitter APIの有料化が「非常に残念なこと」としながらも、「featherを使ってくれたユーザーに感謝する」とツイートしました
(引用:feather公式ツイッターより)
そこで前述の通り、再注目されているのが、アプリではなく「ブラウザ版」のTwitter。詳細は後述しますがTwitter Blueのサブスクリプションが年間で4,800円ほど安く、なおかつTwitter APIの仕様変更の影響を受けません。また新たな変更の導入も、アプリ版よりブラウザ版が先行する傾向にあります。

たとえばTwitterは2023年4月4日未明に、ブラウザ版の左上に表示されていた青い鳥のアイコンを柴犬に変更。この柴犬は、Twitterの現CEOであるイーロン・マスク氏が支持している暗号資産「ドージコイン」のキャラクターにもなっている柴犬「かぼすちゃん」です。変更の理由は明確には不明ですが、昨年3月、ツイッターユーザーから「ツイッターを買収してマークをドージコインに変えて」とお願いされたイーロン・マスク氏が「いいね」と答えるやり取りがありました
なお、アイコンは4月7日までに再び青い鳥に戻っています。このように改めて注目される「ブラウザ版Twitter」。今回は改めて、ブラウザ版Twitterの利用メリットやアプリ版との違いなどを詳しく解説します。
ブラウザ版Twitterを利用するメリットやアプリ版との違い
ブラウザ版Twitterを利用するメリットやアプリ版との違いを詳しく解説します。
Twitter Blueのサブスクリプションが年間4,800円安い
Twitter Blueとは、Twitterの有料サブスクリプションサービス。投稿済みのツイートを編集したり、ユーザーネームの横に青いチェックマークを付けたりなどの特典を受けたりすることができます。

Twitter Blueは、Web(twitter.com)またはアプリから申し込むことができますが、月額料金がそれぞれ異なります。Webのブラウザ版から申し込む場合は、980円(税込)。アプリから申し込む場合は、1,380円(税込)です。年間換算するとブラウザ版から申し込む方が4,800円も安くなる計算になります
Twitter Blueの特典のひとつが、自分のツイートが「おすすめ」に表示されることが容易になるという点。「おすすめ」はTwitterがユーザーに対して提供する、関心のあるアカウントやツイートを自動的に選択して表示する機能で、Twitterのアルゴリズムによって選別されます。このアルゴリズムは2023年3月31日にオープンソース化され、Twitter Blueのユーザーのツイートが優先的に選ばれていることが判明しました。
参考:GitHub
参考:Twitter社公式サイト
Twitter Blueのユーザーはアカウントやツイートをより効果的にアピールすることができるということを意味しており、表示回数を増やしたいユーザーにとって非常に魅力的なメリットと言えます。
Twitter APIの仕様変更によるクライアントアプリ終了の影響を受けない
先述した通り、Twitter APIの無料提供終了に伴い、さまざまなサードパーティアプリや外部ツールが終了しています。しかし当然ながらブラウザ版のTwitterはTwitter社によって運営されているため、仕様変更による影響を受けることはありません。
ブラウザ版Twitterのアイコンが「青い鳥」から「柴犬」に一時的に変更
Twitterは、2023年4月4日未明に、ブラウザ版Twitterに表示されていた青い鳥のアイコンを、柴犬に一時的に変更しました。

上の画像が従来のTwitterのアイコンである青い鳥の表示です。下の画像が、4月5日時点のブラウザ版Twitterでの表示です。ブラウザ版では、アイコンが柴犬に変わっていることが分かります。なおブラウザ版が柴犬に変わっている時期も、アプリ版のアイコンは青い鳥のままでした

この柴犬は、暗号資産「ドージコイン」のキャラクターにもなっている柴犬「かぼすちゃん」の画像を使用したものでした。ドージコインは、イーロン・マスク氏が個人的に推している暗号資産。Twitterはイーロン・マスク氏の意向を受けてアイコンを変更したと考えられます。なお2023年4月7日にTwitterは青い鳥のアイコンに戻しましたが、このアイコン変更について公式な説明を行っていません
あくまでアイコンの変更は一時的なものでしたが、「ブラウザ版Twitterは、アプリ版よりも各種機能やUIの変更の反映が早い」とは言えるでしょう。
スマホからブラウザ版のTwitterを開く方法
「https://mobile.twitter.com/」にSafariやGoogle Chromeなど、スマホのブラウザからアクセスすることにより、ブラウザ版のTwitterを開くことができます。
実際にiPhoneのSafariでブラウザ版Twitterを開く手順は以下の通りです。
【1】「https://mobile.twitter.com/」のリンクを長押しする(※普通にタップすると公式Twitterアプリへと遷移してしまうため要注意)。
【2】表示されたメニューから「新規タブを開く」をタップします。表示されたログイン画面でIDとパスワードを入力してください。
ブラウザ版Twitterでツイートを投稿・閲覧する方法
ブラウザ版Twitterでツイートを投稿・閲覧する方法は以下の通りです。アプリ版のTwitterとほぼ同様の使用感になっています。

【1】ブラウザ版Twitterにログインすると、自分のタイムラインが表示されます。この画面をアプリ版と同じく上下にスクロールしてタイムラインを閲覧できます。ツイートを投稿したい場合は①ツイートボタンをタップします。【2】ツイートの投稿画面が開きます。ツイートしたい内容を入力し、②「ツイートする」ボタンをタップすれば投稿が完了します
スマホで「ブラウザ版Twitter」をブックマークする方法
「いちいちリンクを長押しするのは面倒」という場合は、「ブラウザ版Twitter」のリンクを使用しているブラウザのブックマークに追加しておくことをおすすめします。
使用しているブラウザがChromeの場合は、「mobile.twitter.com」にアクセス後、右上の三点ボタンをタップしてブックマークすることができます。
ブラウザ版のTwitterのみで使用可能な機能の例
Twitterには、アプリ版では使用できず、ブラウザ版だけで使用できる機能があります。ブラウザ版のみ使用可能な機能をご紹介します。
予約投稿
予約投稿とは、ツイートを投稿する日時を指定して予約できる機能のことです。2023年4月現在、ブラウザ版Twitterのみで予約投稿が可能です。アプリ版Twitterからは予約投稿できません。
予約投稿機能を使用する手順は以下の通りです。

【1】ツイートの投稿画面で①予約投稿ボタンをタップします。【2】予約投稿画面が開きます。日付と時刻を指定し、入力した内容のツイートを予約投稿できます。上記画像では「2023年4月15日 17時06分」に投稿されるツイートを編集しています
ブラウザ版のTwitterでは対応していない機能
Twitterスペースの開催やスピーカーとしての参加は、アプリ版のTwitterからのみ行うことができます。ブラウザ版のTwitterでは、リスナーとして参加できるにとどまります。したがって、チケット制スペースを開催し収益を得ることもできません。
また、複数のTwitterアカウントを持っている場合、アプリ版だと切り替えて利用できるアカウントの個数は無制限ですが、ブラウザ版は最大5個までと制限されています。
まとめ
今回はブラウザ版Twitterをスマホから利用する方法や、アイコンが青い鳥から柴犬へ変わった経緯、ブラウザ版とアプリ版の機能の違いなどを解説しました。とくにブラウザ版Twitterの利用がおすすめの方は、Twitterの有料サブスクリプションサービス「Twitter Blue」を利用したいと考えている方です。アプリ版と比較すると、1か月あたり400円も安くTwitter Blueを利用できるので、必ずブラウザ版から申し込むようにしてくださいね。