マイナ保険証から「スマホ保険証」へ 24年4月運用開始までの大きな課題とは?

何かと世間の話題になるマイナンバーカード。マイナポイントの付与が2023年9月末まで延長され、交付率は国民の7割にのぼっている。そんななか2023年5月9日、デジタル大臣を務める河野太郎氏は、記者会見でマイナポータルを活用し、2024年4月をめどに健康保険証をスマホに搭載する機能を開始すると表明。今回はこの”スマホ保険証”について詳しくみていきたい。

まずはAndroidスマホへのマイナンバーカード機能搭載がスタート

マイナポータルで利用可能な機能一覧

マイナポータルで利用可能な機能一覧のイラスト。申請後はスマホからマイナンバーカードを読み取らずにアクセスできる(画像は「デジタル庁」(PDF)より引用)

政府は、Androidスマホにマイナンバーカードの「電子証明書」を搭載するサービスを2023年5月11日から開始する。申請時はマイナンバーカードが必要だが、登録が完了すればマイナンバーカードが手元になくても「マイナポータル」アプリからさまざまな行政手続きや、民間のサービス申し込みが可能になる。当面はAndroidスマホのみの運用だが、iPhoneへの対応も予定しているとのことだ。

そして、2024年4月をめどにマイナポータルでスマホを健康保険証として使えるようにする予定。さらに、2024年秋には従来のカード型保険証の新規発行が停止される方向だ。

マイナ保険証からスマホ保険証へ…立ちはだかる2つの壁

マイナンバーカード

健康保険証をマイナンバーカードに紐づけするとマイナポイントが付与される期限は2023年9月末まで延長された(筆者撮影)

現在、政府はマイナンバーカードを利用した”マイナ保険証”の普及を推し進めている。しかし、現時点でマイナンバーカードを健康保険証として利用している人は多くはない。

マイナ保険証の利用を普及させるための施策として、2022年10月から病院の窓口負担額が従来のカード型健康保険証よりマイナ保険証を利用する方が安くなったのはご存じだろうか。他にも、高額療養費制度による「限度額適用認定証」の申請と提出も不要になり、窓口負担も軽くなったり、医療費控除の確定申告が簡略化されたりと、メリットは多い。

さらに、マイナンバーカードを持ち歩かなくても済むようにスマホにマイナンバーカードの機能を搭載し利便性を高くするためのシステムが、2024年4月の「スマホ健康保険証」なのだ。しかし、運用開始までには2つの壁がおおきく立ちはだかる。1つ目は広く国民に周知されるか、だ。マイナンバーカードも「マイナポイント」でポイント付与という大がかりなキャンペーンを展開してようやく、広く国民が知ることとなった。そして2つ目は、いかに「誰でも使える」簡略化されたシステムに整備できるかという最大の課題だ。

まずは、通院する機会が多いであろう世代に、まだまだガラケー利用者が多いのもネックとなるだろう。「誰でも使える」をキーワードにするなら、置いてけぼりの国民が出ないよう、制度変更で生じる課題へのきめ細かい対応を期待したい。

引用元:【デジタル庁

オトナライフ編集部
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