楽天モバイル「Rakuten最強プラン」って今までのプランと何が違うの? お得なの?

楽天モバイルが23年6月から「Rakuten最強プラン」を投入すると発表しました。これは従来の「Rakuten UN-LIMIT VII」と料金体系は同じものですが、auのパートナー回線の利用制限撤廃により、いきなり人口カバー率が99.9%になるといいます。そこで今回は「Rakuten最強プラン」がいったいどういうものなのか? これまでと何が違うのか? そして、楽天モバイルが今後どうなるのか、じっくり解説しましょう。

23年6月からauのパートナー回線の利用制限を撤廃! 

Rakuten最強プランってどうなの?

(画像は楽天モバイル公式サイトより転載)

2020年4月から本格的なサービスを開始した「楽天モバイル」。当初は月1GBまで0円のプランを打ち出し、加入者を一気に500万人以上にまで増やしましたが、22年5月にはこれを廃止。その影響で、その後の加入者数は伸び悩んでいるようです。

そのような楽天モバイルですが、2023年5月12日には新プラン「Rakuten最強プラン」を投入すると発表しました。

新プランと言っても、基本的には従来の「Rakuten UN-LIMIT VII」とまったく同じ料金体系で、月3GBまでは月額1,078円、月20GBまでは月額2,178円、20GBを超えると月額3,278円でデータ使い放題になります。

Rakuten最強プランは、従来のRakuten UN-LIMIT VIIとまったく同じ料金体系

Rakuten最強プランは、従来のRakuten UN-LIMIT VIIとまったく同じ料金体系。ただし、au回線でローミングされるパートナー回線の利用制限が撤廃されることになるのが非常に大きい(画像は楽天モバイル公式サイトより転載)

このRakuten最強プランの提供は23年6月1日から提供が始まりますが、従来のものとはいったい何がどう違うのでしょうか?

Rakuten最強プランでもっとも注目すべきは、何といっても楽天モバイル回線が接続できない場所でau回線にローミングされるパートナー回線の利用制限を撤廃することです。

実はこれまでauのパートナー回線でのローミングは月5GBまでに制限されていたので、もし自宅で楽天回線がつながらないと、実質月5GBまでしか使えませんでした。

つまり、パートナー回線での利用制限がなくなるということは、楽天モバイルがつながらないエリアでは、au回線が月額3,278円で使い放題になるということです。

auのパートナー回線に接続されている様子

こちらが実際に楽天モバイルがつながらないエリアで、auのパートナー回線に接続されている様子。従来は月5GBまでしか利用できませんでした(筆者撮影)

このRakuten最強プランが適用されるのは23年6月1日からで、楽天モバイルの公式サイトや店舗、「楽天モバイル公式 楽天市場店」での新規申し込みが開始されるほか、すでに楽天モバイルの加入者は自動的に新プランへ移行されるとのこと。

それにしても、今回のRakuten最強プランでパートナー回線の利用制限が撤廃されることが、それほど大きなことなのでしょうか? これについてはこのあとじっくり解説します。

●楽天モバイル「 2023年6月1日サービス開始!Rakuten最強プラン(料金プラン)」は→こちら

人口カバー率がいきなり99.9%に! 楽天モバイルの「つながらない!」を一気に解消!?

楽天グループが23年5月12日に発表した2023年第1四半期の決算報告によれば、楽天モバイルの「人口カバー率」は現在98.4%です。

人口カバー率とは人が住んでいる地域の接続状況のことであり、ライバルが軒並み人口カバー率99.9%なのに対し、楽天モバイルの数値はやや見劣りします。

数値で見ればたった1.5%の違いですが、実はこれがかなり大きく、実際、ドコモやauなら山間部や離島でもつながりますが、楽天モバイルはつながらないことがありました。

●楽天「2023年度第1四半期」は→こちら

それに加え、楽天モバイルは「プラチナバンド」を持っていません。これは700MHz~900MHzのつながりやすい周波数帯の回線のことで、これも楽天モバイルがつながりにくい原因のひとつになっています。

楽天モバイルのローミングやプラチナバンドについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ご確認ください。

このように、楽天モバイルにとって人口カバー率の向上とプラチナバンドの獲得は、いずれも時間もお金もかかる懸案となっていました。

しかし、今回のRakuten最強プランでは、au回線でローミングされるパートナー回線の利用制限が撤廃されることになるため、いきなり楽天モバイルの人口カバー率もauと同じ99.9%になるというわけです。

これは非常に地味な変化に見えますが、この措置によって楽天モバイル最大の弱点であった“つなりにくい”を一気に解決できる可能性が高いと思われるのです。

楽天モバイルの人口カバー率もauと同じ99.9%になる

23年6月1日よりRakuten最強プランが始まると、au回線によるローミングも無制限利用できるため、人口カバー率もライバルと同じ99.9%にアップします(画像は楽天モバイル公式サイトより転載)

まとめ

いかがでしょうか? これまでいくら楽天モバイルの料金が安くても、プラチナバンドがないことや人口カバー率が低いことから、“つながりにくい”という印象で敬遠していた人も多いと思います。

実は筆者も、0円プランが終了したときに楽天モバイルから離脱した一人ですが、やはり“安かろう悪かろう”では契約者を増やすことはできないでしょう。

しかし、今回のRakuten最強プランでは、auでローミングされるパートナー回線の利用制限が撤廃され、いきなり人口カバー率がライバルと同じ99.9%になるのです。

しかも、楽天モバイルは20GB以上の無制限利用でも月額3,278円という圧倒的な安さですし、Rakuten Linkアプリで国内通話が無料、月2GBまでなら海外でもデータ通信が無料で使えます。

さらに、楽天経済圏の住民であれば楽天市場での買い物が最大16倍になるのですから、今後、楽天モバイルはこれまでの弱点が大きく改善され、本来の魅力が大きくクローズアップされるのではないでしょうか?

Rakuten Linkアプリ

こちらが楽天モバイルで料金や人口カバー率以外で注目すべきポイント。国内通話や海外でのデータ通信が月2GBまで無料になるうえ、楽天市場での買い物がお得になるのですから、23年6月からはこれらのメリットが大いに注目されることでしょう(画像は楽天モバイル公式サイトより転載)

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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