【完全ガイド】ChatGPTは使えない?「幻覚」問題への対応と安定的に使う方法

ChatGPTは、自然な会話を生成できると話題になっていますが、実際に使ってみると、「Hallucination(幻覚)」と呼ばれる不適切な発言や意味不明な返答が多く見られます。これは、ChatGPTが学習したデータにノイズや偏りが含まれているために起こる現象です。

加えてChatGPTは急速に普及したツールでもあり、サーバーが不安定で接続できなかったり、エラーが出てしまうケースもあります。
では、どうすればChatGPTを安定的に使えるようになるのでしょうか?

この記事では、ChatGPTの「幻覚」問題への対応方法と、より良い会話を楽しむためのコツを解説します。またサーバーエラーなどへの対応法も紹介します。

ChatGPTを簡単に使いこなすコツ

ChatGPTを「なんの質問にも答えてくれる万能なツール」と思っている方はいないでしょうか。

たとえば、キャスターの安藤優子氏は2023年4月16日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、ChatGPTに「どうしたら国会に女性議員を増やせるか?」「北朝鮮の脅威を取り除くにはどうしたらいいか?」というふたつの質問を投げかけたものの、「こういう言い方普通ですけど、(答えは)普通でした」「もっとすごいオリジナリティがあって、『ええ!?』っていうものが出てくると思っていました」と苦笑いしていました。

しかし、実はChatGPTはこうした使い方には向いておらず、「アシスタント」としての利用が期待されています。

ChatGPTを「使えない」ツールにしないためには、質問の仕方についてのコツを押さえておきましょう。

質問の聞き方を見直す

ChatGPTは質問の聞き方によって返答が変わることを理解することが重要です。明確で具体的な質問(プロンプト)を投げかけることで、答えが変わってきます。

質問の聞き方を見直す1

たとえば夕飯の献立を考えてほしい場合、ただ「明日の夕飯考えて」だけだと、単なるアイディアを羅列した答えしか出力してくれません

質問の聞き方を見直す2

プロンプトで詳細を指定すると、丁寧にレシピも教えてくれました。なお、この下で「かぼちゃスープ」「デザート」のレシピも教えてくれました

質問に必要な情報や条件を付け加えて指示文を整える、質問を明確かつ具体的にする、質問に複数の答えがある場合は、それを明示するといった工夫をすることで、ChatGPTはより正確な回答を生成してくれます。

正解が決まっている質問をする

ChatGPTは「意図や背景が分からない質問」や「曖昧な問い」を投げかけると、「Hallucination(幻覚)」と呼ばれる誤情報を出力してしまったり、答えられなかったりすることがあります。

正解が決まっている質問をする1

「元気が出るJ-POPの曲を10個教えて」という質問に対するChatGPTの回答は上記の通り。「恋におちて -Fall in love-」は小田和正ではなく小林明子の楽曲。また「Happiness」はサンボマスターではなく、おそらく嵐の楽曲を指しているでしょう。JUJU「明日があるさ」は、おそらく「明日がくるなら」というJUJUの楽曲と混同しているかもしれません

ChatGPTは「どうしたら国会に女性議員を増やせるか?」といった明確な答えがない質問には、その目標に向かうためのアプローチしか答えられません。また答えたとしても、前述の通り「幻覚」と呼ばれる誤情報が混じりやすいです。

一方、「『国会に女性議員を増やしたい』と訴えるスピーチ文を考えてください」なら、明確な答えを出してくれます。

テキストの添削や校正を担当してもらう

ChatGPTは文章の添削や校正、改善などもできます。例えば客先に送るメールが適切か、誤字脱字はないかどうかチェックしてもらったり、プログラミングコードや関数なども確認し、改善案を出してもらうことができます。

ChatGPTを「利用できない」ときに見直すべき項目と対策

冒頭でも述べた通り、ChatGPTは急速に普及したため、エラーがやや多い一面もあります。ChatGPTが「利用できなくなった」という意味で、使えなくなったときの原因と対処法をご紹介します。

翻訳機能をオンにしている

ブラウザの翻訳機能をオンにしていると、ChatGPTはうまく答えを出力してくれません。

翻訳機能をオンにしている1

翻訳機能をオンにしていると、おかしな答えが出たあと、「アプリケーションエラー:クライアント側の例外が発生しました(詳細については、ブラウザーコンソールを参照してください)。」というエラーメッセージが表示されます

利用制限の超過

ChatGPTの利用にはさまざまな制限があります。「トークン制限」もそのひとつ。

利用制限の超過1

具体的には1回に送信できる文字数は「4096トークン」以内。日本語の文字数にすると2048文字程度。超過すると「The message you submitted was too long, please reload the conversation and submit something shorter.」という警告が出てしまいます

なお、文字数制限については以下の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。

また、有料プランのみ利用できる最新モデル「GPT-4」にも「3時間に25メッセージまで」という利用制限があるので注意が必要です。

質問の聞き方や頻度が適切でない

先述した通り、ChatGPTは、質問の意味を正確に理解して回答できるとは限りません。質問を簡潔に、かつ具体的にするようにしましょう。また、一度に多くの質問を投げかけるとエラーが出たり、出力が途中で止まってしまうことがあります。

ChatGPTのログインや接続が安定しない場合は以下もチェック

ChatGPTへのログイン自体が安定しない場合は

・ログイン情報の不一致
・サーバーの混雑
・ネットワーク環境

などもチェックしましょう。

ログイン情報の不一致

ChatGPTのログイン情報、つまりメールアドレスとパスワードに誤りがあると、ログインできません。ログイン情報を確認して、正しい情報を入力しましょう。

サーバーの混雑

ChatGPTのサーバーが混雑していると、ログインや接続が不安定になることがあります。時間をおいてから再度ログインや接続を試してみてください。また、無料版の場合は混雑する時間帯には恒常的にアクセスがしにくい状態になります。毎日ChatGPTを使うといった場合は有料プランに登録することも検討しましょう。

ネットワーク環境の不安定

ネットワーク環境が不安定な場合、ChatGPTのログインや接続が不安定になることがあります。インターネットに接続し直して、再度ログインや接続を試してみてください。

ChatGPTの代替ツールとその特徴

ChatGPTのエラーが続いたり、回答の品質にどうしても満足いかない場合は、他のAIチャットの利用も考えてみましょう。

AIチャットくん、Bing、Google Bardの3種類のAIをご紹介します。

AIチャットくん

「AIチャットくん」は、株式会社piconが提供するLINE公式アカウント。ChatGPTのAPI(GPT-3.5 API)を利用して開発されたLINE botです。ログインや認証が不要で、LINEに友達追加してメッセージを送るだけで、AIが質問に回答してくれます。1日5回まで無料でメッセージを送信でき、月額980円(または年額9,800円)の有料プランに加入すると、メッセージの送信が無制限になります。

なお、AIチャットくんについては以下の記事で詳しくご紹介しています。参考にしてください。

Bing

「Bing」は、Microsoftが提供しているチャットAIです。このBingにAIとのチャット機能が搭載され、AIがウェブにある最新情報を検索し、質問に回答してくれます。

最大の特徴は、「創造性」「バランス」「厳密性」の3つのモードで質問できること。たとえばAIにクイズを考えてもらいたいときには「創造性」、プログラムのソースコードを考えてもらいたいときには「厳密性」を選択することで回答のマッチング精度が高まります。

Google Bard

「Google Bard」とは、Googleが開発・提供している会話型人工知能で、同社の大規模言語モデル( LLM : Large Language Model )である PaLM2を活用して開発されたサービスです。2023年5月現在、試験運用中のサービスで、2023年5月11日より日本語対応となりました。

まとめ

ChatGPTを上手に活用するためには、その特性を理解し、投げかける質問に工夫をすることが重要です。ポイントは、答えを導き出すために必要な情報や条件を付け加え、指示を明確かつ具体的にすることです。これにより、より正確な回答を生成することが可能となります。

また、AIチャットくん、Bing、Google Bardなど、多くの代替ツールが登場していますので、ChatGPTと併用しそれぞれの機能や特徴を活用するのも良いでしょう。

※サムネイル画像(Image:rafapress / Shutterstock.com

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