壊れやすい・故障しやすいスマホの特徴はある? 実際はどうなのかスマホ修理のプロに聞いてみた

普段スマホを使う中で、不具合が起きたり、ちょっとした衝撃で故障してしまったりした経験はありませんか? 「画面がつかない」「ボタンが反応しない」「画面が割れた」など様々なケースがありますが、スマホの種類によって壊れやすさ(または故障のしやすさ)は変わってくるのでしょうか。

そこで、iPhoneやスマホの修理を行う「スマホスピタル」(総務省登録修理業者)のご担当者様に「壊れやすい(故障しやすい)スマホの特徴」を尋ねてみました。

壊れやすい・故障しやすいスマホはある?

「iPhone」シリーズの修理依頼

「iPhone」シリーズの修理依頼が多い?

耐久テストによって、「壊れやすい」スマートフォンは存在しない!?

――どういったスマホが壊れやすい(故障しやすい)のでしょうか? 特徴などがあればぜひお教えください。

ご担当者様:現在販売されているスマートフォンの中で「壊れやすい」と強いて挙げられる機種はございません。それはメーカー側が耐久テスト等も実施して世に出ているからです。

ただ以前よりも増えた故障としては、“ワイヤレス充電”を実現するために各メーカーが取り入れている「背面ガラス」の割れや、カメラ性能向上に伴って複数のカメラが背面に設置されたことによる「カメラレンズ」の割れでご相談をいただくことは増えてきております。

――「スマホスピタル」では、どの機種の修理依頼が多いのでしょうか?

ご担当者様:やはり、所有ユーザーが国内で一番多い「iPhone」シリーズのお問合せが多いです。ただiPhoneが他のスマホと比べて特に壊れやすいということではなく、ユーザーの使用方法、使用環境、保護方法によるものかと思います。

修理依頼で一番多いのは「外装破損系」!

――どのような修理依頼が一番多いのでしょうか?

ご担当者様:落下によっての「画面ガラス割れ」「モニター画面割れ」や「背面ガラス割れ」などの外装破損系が一番多くなっております。症状の詳細としては、「画面が割れてしまい見えにくい」「モニターが割れて見えにくい」「タッチ操作ができない」「画面が真っ黒になっている」などの症状になります。

その他では、経年劣化によってバッテリー交換が必要になったり、充電口の接触不良(何度も抜き差しする部分)を起こしたり、落下衝撃によってカメラ内部に線が表示されたり、真っ黒で何も映らなくなったりするなどの症状も比較的多いです。

また水没復旧も通年通して多いご依頼となります。メーカー非推奨であるお風呂や海などで使用をしてしまった後に「起動しなくなった」というご依頼は常にございます。

最新機種と古い機種で違いはある?

充電口の扱いには要注意!

――スマホを使っていると、たまに画面がフリーズしてしまったり、充電不良が起きてしまうといったケースもあると思うのですが、こういった不具合は最新モデルになればなるほど、改善されていく(起きにくくなる)のでしょうか?

ご担当者様:最新モデルになると、やはりSoCという頭脳チップやRAM(メモリ)が向上する傾向にあるため、いわゆる「サクサク」動くといういう体感を得られるはずです。ただし、使用しているアプリケーションやネットワーク状況によっては、読み込みが遅くなったりしてフリーズと同義の状態になったりすることはございます。

また充電不良に関しては、使用しているケーブル等も新しいものであれば、不具合は起こりにくくなるかと思います。ただ注意点として、古い機種の充電アダプターを使用していると、充電に必要な電力が低く、本来の高速充電を得られない場合もあります。そのため、できるだけ購入時にセットでついてくる充電アダプターとケーブルを使用することをオススメいたします。

――最新機種よりも、古い機種の方が修理依頼は多いのでしょうか?

ご担当者様:はい、仰る通りです。動作が遅くなったり充電不良となるのは、“経年劣化や使用環境”によって左右されます。例えば、“バッテリー不足”で動作が遅くなったり、充電の抜き差しの繰り返しや誤った使用方法の繰り返しで“充電口の反応”が悪くなったりすることもあると思うのですが、こういった現象は「世代が古い機種」で起こりやすくなる傾向がございます。

ちなみに充電口は、堆積したゴミやホコリが奥に押し固められてしまうことで、ケーブルを奥まで差し込めなくなるケースも見られます。さらに湿気の多い場所で使用している場合はサビたりすることもあるので、十分ご注意ください。

初期不良は“ソフトウェアの問題”の方が多い!?

――「発売されたばかりの機種は初期不良が多い」ということはあったりするのでしょうか?

ご担当者様:可能性としては低いです。実際に最新機種の発売後、すぐにその機種の修理依頼をいただくケースはほとんどございません。初期不良も“機械的な問題”よりかは、“ソフトウェアの問題”の方が多いのではないでしょうか。

たまに「アプリケーションの一部が正しく表示されない・動作しない」などのご相談はありますが、大抵は調べてみると「アプリ作成者がバグを認識しており、修正プログラムを作成している」といったような場合が多いです。

またSNS上で、「アップデートをしたらバッテリーの減りが早くなった!」などの声をよく見かけるのですが、アップデート直後はバックグラウンドで様々な動作が行われているため、2~3日は様子を見ていただくと今まで通りに戻ることが多いです。

さらに、アップデート後には新機能が追加されている場合もあり、その設定がデフォルトで「オン」の状態になっていることもあります。そうすると必然的にバッテリー消費が早くなることがあるので、設定の見直しなどで改善する可能性もございます。

壊さないためにスマホの「サイズ感」を重視すべき!?

スマホの落下を防ぐことが大切!(画像は「写真AC」より)

――スマホ購入時に「壊れにくさ」を重視する際、どういった点に注視すれば良いのでしょうか?

ご担当者様:壊れる原因としては、やはり手から落下させたりすることが多いため、「サイズ感」は重視したほうが良いかと思います。ご自身の手にあったサイズのスマートフォンの方がやはり操作はしやすく、落下リスクも減らせるのではないでしょうか。

――できるだけ故障したり壊れたりしないように、気をつけるべきポイントなどはありますか?

ご担当者様:耐久テストをクリアしたスマートフォンで、「勝手に画面が割れた」「ボタンが勝手に壊れた」ということは考えにくいです。修理の際、内部を確認したりしっかりと外観を確認すると、やはりそれぞれの故障に原因はあるものです。

そのほとんどが外部からの衝撃や使用環境、使用方法によるものです、まずは落下に備えて画面や本体を保護することや、落下しないようなアイテム(バンカーリングやストラップなど)を使用する事をオススメいたします。

また、各メーカーHPの機種ページには“耐水に関する仕様”などが記載されています。そちらで記載されている情報をしっかりとご理解いただくのも重要かと思います。

スマートフォンは精密機械なので、使用方法には十分気をつけて日々のスマホライフを楽しんでいただければと思います。それでもスマホが壊れてしまったという際は、「スマホスピタル」にご相談ください。

取材協力:スマホスピタル

まとめ

壊さないような対策や使い方で快適なスマホライフを!

どの機種が壊れやすいのかは判断がしにくいものの、最新機種より古い機種の方が故障しやすいことがわかりました。経年劣化や使用環境も当然関係していますが、機種が最新であればあるほど耐久性や性能もアップしているのかもしれません。

とはいえ、最近のスマホでは「背面ガラスの割れ」や「カメラレンズの割れ」が発生しているのも事実。耐久テストをクリアしていたとしても、「絶対に壊れない」というわけではなさそうです。

そして壊れる原因として最も多いのは「落下による衝撃」とのことだったので、扱いやすいサイズの端末を選んだり、壊れないようにスマホケースや保護フィルムなどで事前に対策をとったりすることが重要かもしれません。

よくスマホを壊してしまうという人は、“壊れにくいスマホを選ぶ”というよりも“壊さないような使い方”に目を向けてみてはいかがでしょうか?

●取材に協力して頂いたiPhoneやスマホの修理をおこなう「スマホスピタル」は→こちら

若林勇希
編集・ライター。編集プロダクションやライティングスクールの講師として5年以上WEBライター業に携わっており、現在は独立してフリーライターとして活動中。これまで様々なジャンルを手掛けてきたが、最近はガジェットやスマホ関連の記事を執筆することが多い。「老後2000万円問題」のために、iDeCoやつみたてNISA、貯蓄型保険なども実践している。

Twitter:@webwriter888

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