2023年現在、再注目を集めているブラウザ版 Twitter。その理由としてはまずTwitter APIの仕様変更で、多くのTwitterクライアントが終了したことが挙げられます。そのため各種クライアントアプリの代替手段として、改めて「ブラウザ版Twitter」を利用する人が増えだしています。

たとえばカスタマイズ性の高いタブやパワフルな検索機能を持つTwitterクライアントアプリ「feather」は、iOS向けに有料版と無料版を提供していましたが、Twitter APIの有料化に伴う利用規約の変更により、2023年1月23日に有料版の配信を停止。その後、無料版も2023年4月5日に使用不能になりました。なおfeatherでは2023年6月現在、新たにMastodon(マストドン)向けのクライアントアプリの開発を進めています
加えて「Twitter Blueのサブスクリプションがアプリ版と比較して年間4,800円程安い」というメリットも。またアプリ版のTwitterと比較して、Twitterにログインせずとも話題のツイートが閲覧できるのも利点(※1)。
さらに「新たな変更の導入も、アプリ版よりブラウザ版が先行する傾向にある」などのユーザー側のメリットがあります。
今回は改めて、ブラウザ版Twitterの利用メリットやアプリ版との違いを詳しく解説します。
(※1)2023年6月30日の午後ごろからTwitterではブラウザ経由でのアクセスでもログインが求められる事象が発生しています。また7月1日頃からは未認証アカウントに対して厳しい閲覧制限が課せられています。ただしこれらについてイーロン・マスク氏はスクレイピングからTwitterのデータを守る「一時的な緊急措置」と表明しており、恒久的な仕様変更は発表していません。そのため本記事は「一時的な緊急措置」の発生前時点での正式な仕様に基づいて執筆しています。
ブラウザ版Twitterを利用するメリットやアプリ版との違い
ブラウザ版Twitterを利用する主なメリットは、やはり「ログインせずに話題のツイートを閲覧できること」と「Twitter Blueのサブスクリプションに安く加入できること」でしょう。
アプリ版との違いを詳しく解説します。
ログイン不要でツイートが閲覧できる | 「見るだけ」の利用に適している
Twitterは、ブラウザ経由であれば「ログイン不要での閲覧」が本来は可能です。
アプリ版のTwitterでは利用時にログインが求められますが、ブラウザ版のTwitterではログアウト状態でも話題のツイートや特定の公開アカウントの閲覧ができます。つまり「見るだけ」の利用に適しています。
「見るだけ」でのより詳しい使い方は後述します。ただし前述の通り、Twitterではスクレイピング対策を主な目的とする「一時的な閲覧制限」が2023年6月30日から7月頭にかけて発生しています。対策が行われた場合には「ブラウザ経由」でも非ログイン状態では閲覧できなくなる可能性がある点にはご注意ください。
またこちらの記事でも解説しています。
Twitter Blueのサブスクリプションが年間4,800円安い
Twitter Blueとは、Twitterの有料サブスクリプションサービスのこと。投稿済みのツイートを編集する機能や、アカウントへ青いチェックマークを追加するなどの特典を受けることができます。

Twitter Blueは、Webまたはアプリから申し込むことが可能ですが、それぞれで月額料金が異なります。ブラウザ版から申し込む場合は、月額980円(税込)、アプリからの場合は、月額1,380円(税込)です。年間換算するとブラウザ版から申し込む方が4,800円も安くなります
Twitter Blueの特典のひとつが、自分のツイートが「おすすめ」に表示されやすくなるという点。「おすすめ」はユーザーの関心のあるアカウントやツイートを自動的に選択して表示する機能で、Twitterのアルゴリズムによって選別されます。このアルゴリズムは2023年3月31日にオープンソース化され、Twitter Blueユーザーのツイートが優先的に選ばれていることが判明しました。
参考元:GitHub
参考元:Twitter社公式サイト
Twitter Blueのユーザーはアカウントやツイートをより効果的に多くの人にアピールすることができるということを意味しており、非常に魅力的なメリットと言えます。
TwitterAPIの仕様変更によるクライアントアプリ終了の影響を受けない
Twitter APIの無料提供終了に伴い、さまざまなサードパーティアプリや外部ツールが終了しています。しかし当然ながらブラウザ版のTwitterはTwitter社によって運営されているため、仕様変更による影響を受けることはありません。
なお、2023年4月にはブラウザ版のTwitterの青い鳥のアイコンが柴犬「かぼすちゃん」に突然変更されるという騒動がありました。

「かぼすちゃん」は当時TwitterのCEOを務めていたイーロン・マスク氏が推していた暗号資産「ドージコイン」のキャラクター。Twitterはイーロン・マスク氏の意向を受けてアイコンを変更したと考えられますが、変更されていた期間はたった3日間でした
このことから分かることは、「ブラウザ版Twitterは、アプリ版よりも各種機能やUIの変更の反映が早い」こと。これは、ブラウザ版Twitterの大きなメリットといえるでしょう。
スマホからブラウザ版のTwitterを開く方法
ここからは改めて、ブラウザ版のTwitterの基本的な使い方を紹介します。
ブラウザ版のTwitterは、SafariやGoogle Chromeから「https://mobile.twitter.com/」にアクセスすることでアクセス可能。
iPhoneのSafariでブラウザ版Twitterを開く手順は以下の通りです。「リンクを長押しする」といったコツが意外と必要なのでご注意ください。
【1】「https://mobile.twitter.com/」のリンクを長押しする(※長押しではなく、タップしてしまうと公式Twitterアプリへと遷移してしまうため要注意)。
【2】表示されたメニューから「新規タブを開く」をタップします。表示されたログイン画面でIDとパスワードを入力してください。
【見るだけ】ログインなしでブラウザ版Twitterを利用する方法
ブラウザ版Twitterでは、アカウントへのログインなしで、他のユーザーのツイートやプロフィールを見ることができます。ただし、自分でツイートしたり、リプライしたり、いいねしたりなどの操作はできません。
見るだけの場合、先述した方法で「https://mobile.twitter.com/」からTwitterを開き、アカウントにログインしていない場合はそのまま、ログインしている場合はログアウトします。
アクセスすると前述の通り「話題のツイート」などが閲覧可能。また、ログインせずに特定のアカウントのTwitterを閲覧することも可能。
この場合、Twitterアカウントからログアウトした状態でアカウント名をGoogle検索します。

【1】閲覧したいアカウントの名前に「Twitter」「ツイッター」といったワードをつけて検索し、①リンクを長押しします。【2】②「新しいタブをグループで開く」か「新しいタブで開く」か「シークレットタブで開く」でアクセスします。【3】ログインしなくても特定のアカウントのツイートを閲覧できます
スマホで「ブラウザ版Twitter」をブックマークする方法
「ブラウザ版Twitter」を頻繁に使用する場合には、ブラウザのブックマークに追加しておくことをおすすめします。一回一回「Twitter」などとGoogle検索する必要なく、手っ取り早くアクセスできるようになります。

【1】Safariの場合、「mobile.twitter.com」にアクセスしてログインした後、①「共有」ボタンをタップします【2】表示されたメニューより「ブックマークを追加」をタップします。【3】ブックマークを保存するフォルダを選び、③「保存」をタップ。これでリンクのブックマークは完了です
ブラウザ版Twitterでツイートを投稿・閲覧する方法
ブラウザ版Twitterでツイートを投稿・閲覧する方法は以下の通りです。使用方法はアプリ版のTwitterとほぼ同様です。

【1】ブラウザ版Twitterにログインすると、自分のタイムラインが表示されます。アプリ版と同じく画面を上下にスクロールしてタイムラインを閲覧します。ツイートを投稿する方法は①ツイートボタンをタップします。【2】ツイートの投稿画面が開きます。ツイートしたい内容を入力し、②「ツイートする」ボタンをタップすると投稿が完了します
ブラウザ版のTwitterのみで使用可能な機能の例
Twitterには、アプリ版では使用できず、ブラウザ版だけで使用できる機能があります。ブラウザ版のみ使用可能な機能をご紹介します。
予約投稿
予約投稿とは、ツイートを投稿する日時を指定して予約できる機能のことです。2023年6 月現在、ブラウザ版Twitterのみで予約投稿が可能です。
予約投稿機能を使用する手順は以下の通りです。
ブラウザ版のTwitterでは対応していない機能
Twitterスペースの開催やスピーカーとしての参加は、アプリ版のTwitterからのみ行うことができます。ブラウザ版のTwitterでは、リスナーとして参加できるのみです。
また、複数のTwitterアカウントを持っている場合、アプリ版だと切り替えて利用できるアカウントの個数は無制限ですが、ブラウザ版は最大5個までと制限されています。
ブラウザ版Twitterが開けない時の対処法
ブラウザ版が開けない場合の対処法をご紹介します。
アプリ版が開いてしまう場合
先述した通り、スマホでブラウザ版Twitterにアクセスしようとすると、自動的にアプリ版が開いてしまうことがあります。この場合は、ブラウザの設定で「外部アプリを開く」を無効にすると良いでしょう。
通信環境が悪い場合
当然ですが、ブラウザ版Twitterはインターネットに接続していなければ利用できません。Wi-Fiやモバイルデータ通信の状況が悪い場合は、ブラウザ版Twitterが開けないことがあります。この場合は、通信環境を見直したり、回線を切り替えたりなどしましょう。
ブラウザアプリが不安定な場合
使用しているブラウザアプリ自体が不安定な場合、ブラウザ版Twitterも正常に動作しないことがあります。この場合は、ブラウザアプリのキャッシュや履歴を削除したり、再起動や、最新バージョンに更新するなどしましょう。
それでも開けない場合
上記の方法でもブラウザ版Twitterが開けない場合は、Twitter側のサーバーに問題が発生している可能性があります。この場合は、Twitterの公式アカウントやサポートページなどで障害情報を確認したり、しばらく時間をおいてから再度アクセスしたりすると解決できます。
まとめ
今回は各種Twitterクライアントが終了する中、改めて注目されている「ブラウザ版Twitter」について解説しました。
「見るだけ」の利用に適していることに加え、Twitter Blueのサブスクリプションサービスが、ブラウザ版Twitterで申し込みをした場合にアプリ版よりも年間4,800円程安いというのは大きなメリットになります。アプリ版とは異なる魅力が「ブラウザ版」にはあるため、「見るだけで使いたい」「Twitter Blueを安く使いたい」「予約投稿もしたい」場合はブラウザ版を重点的に使うと良いでしょう。
※サムネイル画像(Image:Poetra.RH / Shutterstock.com)