自宅にインターネット回線を引きたいけれど、「回線工事に立ち会うのが難しい」「近日中に引っ越す予定があるから工事はしたくない」という方もいるのでは。今回は工事不要ですぐ利用できる各社Wi-Fiサービスについて比較して詳しく解説します。
主な自宅で利用できるインターネットの種類
自宅で利用できるインターネットの種類には、モバイルWi-Fiを利用したモバイルルーターとホームルーター、光回線があります。

モバイルルーターは、モバイルWi-Fiを利用して外出先でも利用できる携帯型のWi-Fiルーターです。ホームルーターは、置くだけでモバイルWi-Fiを利用してインターネットに接続できる据え置き型のWi-Fiルーターです。光回線は、光ファイバーを使って安定した高速な通信が可能ですが、回線の開通工事が必要となります。また光回線でWi-Fiを利用するためには工事の上でルーターを設置し、ルーターからWi-Fiの電波を飛ばす必要があります
ホームルーター | 「置くだけ」ですぐに通信可能
ホームルーターとは、コンセントに挿すだけでモバイルWi-Fiを利用し、インターネットに接続できる据え置き型の機器です。

ホームルーターとはコンセントに接続し、置くだけでモバイル回線を利用してインターネット接続が可能となる通信機器。回線工事は不要です。主要なホームルーター(置くだけWi-Fi)は、ドコモ、ソフトバンク、au、楽天モバイル、UQモバイルが提供している5つです(画像は各公式サイトより引用)
ポケットWi‐Fi | 一人暮らしや外出先でのWi-Fiの利用に便利
ポケットWi‐Fiとは、小型で持ち運び可能なWi-Fi通信端末のことを言います。

ポケットWi‐Fiとは、小型で持ち運び可能なWi-Fi通信端末で、「モバイルWi-Fiルーター」とも呼ばれます。契約して端末を受け取ったら、すぐにインターネットを利用できます。こちらもスマホやタブレット、PC問わず利用可能。ポケットWi-Fiも通信各社が手掛けており、たとえば楽天モバイルは「Rakuten WiFi Pocket 2c」を「1円」(※プランセット値引き後の価格)で提供しています(画像は楽天モバイル公式サイトより引用)
光回線 | 通信速度が速いものの工事が必要
「光回線」とは、光ファイバーを利用した通信回線で、高速で大容量のデータ通信が可能です。また、電波を使わないため電波干渉による速度低下が起こりにくく、安定した通信が可能です。
光回線を利用するためには、光ファイバーケーブルを引き込む工事が必要です。光回線工事には立ち会いが必要で、壁への穴あけが必要な場合もあります。よって賃貸では気軽には利用できないデメリットがあります。

国内の主な光回線事業者をチャートで分類すると、上記の図の通り。NTTの光回線を他事業者が利用する「光コラボ」サービスが2015年から始まったことにより、国内の光回線事業者は増加を続けています(ロゴは各事業者公式サイトより引用)
おすすめの光回線についてはこちらも参考にしてください。
工事不要で使えるWi-Fiのメリット・デメリット
解説してきたように、モバイルルーターやホームルーターといったモバイルWi-Fiを利用したインターネット接続機器は工事不要で使えるため、手軽で便利といったメリットがありますが、光回線と比べるとデメリットも。工事不要で使えるWi-Fiのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
光回線と工事不要Wi-Fiの比較
光回線とホームルーターの主な項目の比較を表にまとめました。
なおホームルーター側の速度は5G対応かつ設置場所が基地局から近い場合、より高速化するケースはあります。つまり「置き場所」や実際に通信する端末の位置でかなり速度が変化しやすいため、あくまで目安値です。
光回線 | モバイルWi-Fi ホームルーター |
|
下り平均速度 (実測値) |
〇 100~300Mbpsほど |
△ 50~150Mbpsほど |
通信制限 | 〇 無制限 |
△ 実質無制限 (速度制限あり) |
月額料金 | △ 3,000~4,000円 |
△ 3,000~4,000円 |
使用可能な場所 | 自宅のみ | 自宅のみ |
手軽さ | × 工事が必要 |
〇 工事不要 コンセントに差すだけ |
おすすめの人 | ・高速で快適にネットを使いたい人 ・オンラインゲームをする人 |
・光回線工事ができない人 ・近日中に引っ越す予定がある人 |
通信速度 | 光回線が有利
通信速度はモバイルWi-Fiより光回線の方が安定しており、かつ高速です。
ウェブサイトや動画を見る程度ならモバイルWi-Fiでも十分ですが、たとえば「フォートナイト」などデータ量の多いオンラインゲームを楽しみたい人はモバイルWi-Fiの速度だとカクつきが多く、満足にプレイできないでしょう。
月額費用 | ホームルーターなど工事不要Wi-Fiが有利
月額料金についてはキャンペーンの有無や、光回線は戸建てかマンションかによっても料金が変わってくるため、一概には言えませんがおおむね「光回線」も「ホームルーター」も同じくらいの料金です。
ただしホームルーターは工事が不要なため、工事費用の分割料金などはかかりません。ただし、ルーター機器の分割代金やレンタル料金はかかる場合があります。月額費用にすると、特に戸建てだとホームルーターの方がやや安くなるでしょう。
通信容量 | ホームルーターは一部制限が発生する場合も
光回線は基本的にデータ容量無制限で、「法人が大容量の通信を長期に渡って行い続ける」など一定の容量を超えると通信制限が個別に行われる可能性はありますが、個人による通常利用で引っ掛かることはまずありません。
一方、ホームルーターも多くが月間のデータ容量自体は無制限。ただしあくまでモバイル回線であり、通信制限は存在します。光回線と同じ感覚で大容量通信を続けると、低速に切り替わるリスクはあります。また回線の混みあう時間帯は、自身の利用容量によらず通信制限が課されることもあります。
導入・撤去のしやすさ | 工事不要Wi-Fiが最適
光回線は光回線の開通工事が必ず必要です。状況によっては、電線から建物までケーブルを引き込んだり、壁に穴をあけたりなどの大規模な工事が必要になる場合があります。賃貸では導入自体ができないケースがあります。
一方、ホームルーターは工事が不要。機器が届いたらコンセントに差すだけでインターネットを利用できます。撤去も機器をコンセントから外すだけです。
WiMAX(au)・ドコモ・ソフトバンクのホームルーターを一覧比較
ホームルーターには様々な種類がありますが、選び方の判断基準となるのは特に「通信速度」「利用料金」です。