無在庫転売とは、手元に在庫を持たない状態で転売を行うこと。通常は仕入れしたものを販売しますが、無在庫転売では売れてから仕入れます。
今回は無在庫転売について仕組みや始め方、メリットのほか、違法になるケースとならないケースを詳しく解説します。
無在庫転売とは
無在庫転売とは、商品在庫を持たずに顧客からの注文が入った際にその商品を仕入れて、直接顧客に発送する転売の手法です。
無在庫転売では、買い付けルートを別に持った上で自分自身でECサイトを開設し、無在庫転売を行うのが一般的です。
無在庫転売の仕組みと種類
無在庫転売には、仕入れから発送までを国内でする「国内の無在庫転売」と海外から仕入れたり発送する「海外有入の無在庫転売」の2種類があります。
国内の無在庫転売
国内での無在庫転売では、ECサイトに在庫を持たない商品を出品。注文が入ってから実店舗や他社ECサイトで買い付けをし、発送します。注文から買付、発送までのスパンが比較的短いため顧客からのクレームリスクは小さめですが、輸出入に比べる仕入れ価格と販売価格の価格差が小さく、利益率は低めです。
海外輸入の無在庫転売
国内のECサイトに在庫を持たない商品を出品したうえで、注文が入ってから海外のネットオークションやECサイトで買い付け、発送するのが海外有入の無在庫転売です。

たとえばタオバオやアリエクスプレスといった中国のECサイトから商品を仕入れ、国内で商品写真を再撮影したうえで自社ECサイトに出品するのが一般的なやり方。「タオバオ」「アリエクスプレス」ともに、中国大手のアリババグループが運営しているグローバルオンラインショッピングサイトです(ロゴ画像は各公式サイトより引用)
出品後はその都度、注文が入ってから中国輸入で買い付けるといったケースが代表的です。
海外輸入のため消費者の手元に商品が届くまでに2週間~3週間程度かかることも多く、なおかつ粗悪品が届いてしまう可能性がある点がネック。一方で仕入れ値は安いので、返品率を抑えることができれば利益率は高くなります。
海外輸出の無在庫転売
海外から仕入れるだけでなく、国内のおもちゃや食品、文房具、カメラといった商品を海外のECサイトに出品する方法もあります。この場合は、注文が入り次第、国内の実店舗やECサイトで買い付けて発送します。国内の卸問屋など買い付けルートがあれば、仕入れ値を抑えつつ、国内外の価格差で利益を出すことができます。
無在庫転売の始め方・やり方の例
無在庫転売を始めやすいサイトのひとつが「BUYMA」。たとえばBUYMAで人気があるブランドの1つには「Superdry 極度乾燥(しなさい)」が挙げられます。こうした国内での取り扱いが手薄ながら、日本でも人気があるブランドを販売するのがおすすめ。
「極度乾燥(しなさい)」という奇妙な日本語の使い方から、日本国内でも知る人ぞ知るブランドで、英国をはじめ、ヨーロッパで人気があります。正式名称は「Superdry (スーパードライ)」で、ブランドの創設者が日本をたまたま訪れた際に「アサヒスーパードライ」を目にし、名前がクールだと感じたことからSuperdry 極度乾燥(しなさい)というブランドが生まれたと言われています。
参考元:プレジデント「ロゴが意味不明「極度乾燥(しなさい)」が経営不振に陥った理由」
しかし「スーパードライ」はアサヒ社がビールを指定した上で保有している商標。そのため、「Superdry 極度乾燥(しなさい)」は洋服類であるとはいえ商標権侵害のおそれが強いのも事実。実際、税関に対してはアサヒ社から「Superdry 極度乾燥(しなさい)」を対象としたものと類推される洋服類の差止請求が行われています。
参考元:税関
そのため日本には「Superdry 極度乾燥(しなさい)」の店舗や公式通販はありません。つまり「Superdry 極度乾燥(しなさい)」のアイテムを入手したいなら、ヨーロッパのパーソナルショッパーから個人輸入のような形で買わなければなりません。そのため、一定のニーズがあり続けており、売れる理由になります
このように取り扱うブランドやラインナップに見当をつけたうえで、無在庫販売が可能なサイトに出品を行うと良いでしょう。なお、BUYMAのパーソナルショッパーになるためにはBUYMAの会員登録が必要です。以下の手順で会員登録できます。
まずBUYMAを開きます。
会員登録後、出品者登録まで完了すればフリマアプリやネットオークションに近い感覚で、手軽に商品を出品できます。
なお出品をした後、買い付けるのはパーソナルショッパーの責任です。どのように安定的に買い付けを行うのか、仕入れ先や方策をしっかり考えておきましょう。BUYMAの場合だと、海外在住の日本人パーソナルショッパーが「海外の自宅近くの実店舗」で仕入れているケースが多くなっています。