映画やドラマなどの動画配信サービス・Netflix(ネットフリックス)。2023年10月24日に「ベーシックプラン」の新規受付が終了したことが大きな話題になりました。
Netflixは日本に先駆けてアメリカとイギリスでベーシックプランを廃止しており、日本でも廃止になると見られていましたが、3カ月遅れて本当に廃止された形です。ネット上では、ベーシックプランの終了は広告つきプランに加入してほしいというNetflixの意図が見えるという指摘も聞かれています。
プラン | 広告つきスタンダード | スタンダード | プレミアム | ベーシック (新規受付停止) |
月額料金 | 790円 | 1,490円 | 1,980円 | 990円 |
最大画質 | 1080p(フルHD) | 1080p(フルHD) | 4K+HDR | 720p(HD) |
同時視聴 | 2 | 2 | 4 | 1 |
ダウンロード可能なスマホの数 | 不可 | 2 | 6 | 1 |
広告の表示 | あり | なし | なし | なし |
実はこれまでにも何度もプランが廃止されては新たなプランが導入されており、「変更のスパンが早く、分かりにくい」のがNetflixの料金の特徴。この記事では2023年10月時点での最新のNetflixの料金プランについて解説します。
Netflix(ネトフリ)の月額料金プランって結局どれがおすすめなの?
今回は記事制作にあたって、新規加入する場合、自分に合ったNetflixのプランがすぐに分かる簡単なチャート図を作成してみました。
【注意点】ベーシックプランは新規加入不可
冒頭でもご紹介した通り、ベーシックプランは2023年10月に新規加入の受付を停止しました。なお、筆者は元々ベーシックプランに加入しており、新規加入受付停止後もベーシックプランでNetflixを利用できています。
【Netflix(ネトフリ)の月額料金プラン】全プランを比較
現在Netflixが提供している全プランを、それぞれ比較して詳しく解説します。
(画像引用元:Netflix公式サイト)
広告つきスタンダード(790円・同時視聴数2):コスパ重視でシンプルに楽しみたい人向け
広告つきベーシックは、月額790円(税込)で利用できる最安のプランです。しかし、動画再生中に広告が流れることや、一部の作品が視聴できないことがデメリットです。ダウンロードもできません。同時視聴数は2人分で、画質はフルHD(高画質)です。
スタンダード(1,490円・同時視聴数2):フルHD画質と音質で満足したい人向け
スタンダードは、月額1,490円(税込)で利用できる一般的なプランです。広告つきスタンダードよりも700円高くなりますが、全作品を視聴できます。また、画質がフルHD(高画質)です。
プレミアム(1,980円・同時視聴数4):最高品質で迫力満点な映像体験を求める人向け
プレミアムは、月額1,980円(税込)で利用できる最高品質のプランです。スタンダードよりも490円高くなりますが、同時視聴数が4人に増えます。また、画質がUHD 4K+HDR(最高画質)にアップし、音声もドルビーアトモス対応になります。
ベーシック(990円・同時視聴数1 ):広告なしの最安プラン
先述した通り、ベーシックの新規加入受付は終了しており、現在Netflixに登録していて他のプランに加入している場合でも、ベーシックに乗り換えることはできません。2023年10月23日以前からベーシックに加入していたユーザーのみ、引き続きベーシックプランを利用できます。
ベーシックは広告つきスタンダードよりも200円高いものの広告はなしで、作品の視聴制限もなし。ダウンロードも可能です。同時視聴数は1人分で、画質はHD(優良画質)です。
【Netflix(ネトフリ)の月額料金プラン】キャリア経由での加入はお得?プランの例
ちなみに、Netflixにはキャリアや通信会社の料金プランを経由して加入することも可能です。Netflixプランを提供している代表例には「au」「UQ WiMAX」が挙げられます。一例として両者のサービスを紹介します。
au:使い放題MAX 5G/4G Netflixパック(P)
auの「使い放題MAX 5G/4G Netflixパック(P)」はデータ使い放題にくわえ、NetflixのベーシックプランとTELASA、Amazon Primeがついてくるプランです。(ベーシックは新規受付を終了していますが、「使い放題MAX 5G/4G Netflixパック(P)」から新規加入する場合はベーシックの利用が可能です)
(画像引用元:au公式サイト)
・料金:8,437円(税込)※割引前
・加入できるNetflixのプラン:ベーシック
UQ WiMAX:ギガ放題プラスS Netflixパック
UQ WiMAXの「ギガ放題プラスS Netflixパック」はネット通信とNetflixのスタンダードプランがついたプランです。
(画像引用元:UQ WiMAX公式サイト)
・料金:5,654円(税込)※14カ月目以降は6,336円
・加入できるNetflixのプラン:スタンダード
結局、キャリア経由での加入はお得なの?
たとえば楽天モバイルの Rakuten最強プランを契約しつつ、Netflixのスタンダードプランにも加入している場合、 Rakuten最強プランの料金が3,278円(税込)+Netflixスタンダードプラン1,490円(税込)で合計金額4,768円(税込)となります。
「使い放題MAX 5G/4G Netflixパック(P)」に乗り換える場合、金額だけ見れば個別契約でRakuten最強プラン+Netflixスタンダードの方が3,669円安くなりますが、Netflixの料金とスマホの通信料金を一括で支払いできる点はメリット。さらにクレジットカードを所有しておらず、通信料やNetflixの契約料金をコンビニ払いやプリペイドカードにしている場合、非常に便利になると言えます。
また、先述した通り、「使い放題MAX 5G/4G Netflixパック(P)」の場合はTELASAとAmazon Primeもセット。家族割プラスやauスマートバリュー、au PAY カードお支払い割などの割引をすべて受けると最安で6,127円になるので、格安SIM+それぞれすべて単体契約するよりもお得になるのは間違いないでしょう。
キャリア経由での加入がおすすめの人・おすすめではない人
支払いを一回で済ませたい、いろいろなサブスクサービスに加入しているという方はキャリアや通信会社経由でのNetflix加入がおすすめです。一方、自分でNetflixのプランを選びたい、ほかに入りたいサブスクサービスはないという場合は割高になってしまうため個別での契約がおすすめです。
Netflix(ネトフリ)の料金プランの変更を検討すべき人とは?
ここからはNetflixに個別に加入する方に向けた内容となります。まずNetflix(ネトフリ)の月額料金プランを見直すべき人とは、以下のようなユーザーです。
Netflix映画・ドラマの画質に満足していない人
先述した通り、Netflixはプランによって画質が異なります。たとえば新規受付を停止した月額990円(税込)のベーシックプランはHD (720p) ですが、それよりも安い月額790円の広告つきスタンダードはフルHD (1080p) となっています。さらにプレミアムはUHD 4KとHDRの最高画質で視聴可能。画質を重視する場合は、フルHD以上をおすすめします。
月額料金を見直したい人
Netflixの最安値は広告つきスタンダードの月額790円(税込)です。広告つきスタンダードは閲覧できない作品も出てきてしまうものの、料金を少しでも安くしたい場合におすすめです。
同時視聴数を増やしたい/減らしたい人
たとえば同居家族と別々の部屋で異なる作品を視聴したいとき、同居家族の出張が多い場合など、同時視聴者数を増やしたいこともあるでしょう。ベーシックプランでは同時に1台でしかNetflixを視聴できませんが、それ以外のプランであれば2台以上で視聴可能です。
【参考】ちなみに新規加入するならどのプランが良いの?
ちなみにNetflixに未加入の状態で、料金プランを検討している場合はとりあえず「広告つきベーシック」がおすすめ。月額料金がもっとも安いのでおためし感覚で加入でき、同時視聴数も2つのデバイスまで可能。フルHDに対応しているので、高画質の映像を楽しむことができます。
Netflix(ネトフリ)料金プランの変更方法
Netflixの料金プランの変更方法を画像付きでご紹介します。
【ウェブの場合】Netflix料金プラン変更方法
ウェブからNetflixの料金を変更する方法は以下の通りです。
まずNetflixにアクセスし、ログインします。
【スマホの場合】Netflix料金プラン変更方法
Netflixはアプリ内ではプラン変更の手続きができません。スマホブラウザからNetflixの料金を変更する方法は以下の通りです。
まずNetflixにアクセスし、ログインします。
【参考】Netflix(ネトフリ)に新規加入する場合
なお、Netflixに新規加入する場合は以下の手順です。
まずNetflixにアクセスします。
Netflix(ネトフリ)の主な支払い方法一覧
Netflixの主な支払い方法をご紹介します。
クレジットカード・デビットカード
クレジットカードやデビットカードは、Netflixでもっとも一般的な支払い方法です。国際ブランドがついたVisa、MasterCard、American Express、JCB、ダイナースのカードなら登録可能です。ただし、自動引き落としに対応している必要があります。また銀聯カード(UnionPay)のクレジットカードは使えません。
PayPay
PayPayは2022年2月から利用可能になった新しい支払い方法です。PayPayはスマホ決済サービスで、Yahoo! JAPAN IDと連携しています。PayPayアカウントとNetflixアカウントを連携することで自動引き落としができます。
PayPayのメリットは、
・クレジットカードや銀行口座を登録しなくても使える
・PayPay残高から引き落とされるため手数料がかからない
・PayPayポイントが貯まる
Netflixプリペイド・ギフトカード
Netflixプリペイド・ギフトカードとは、Netflix専用の前払い式のカードです。
Netflixプリペイド・ギフトカードのメリットは以下です。
・クレジットカードや銀行口座を登録しなくても使える
・残高があれば自動的に引き落とされる
・ギフトとしてもらったり贈ったりできる
デメリットには、以下のような項目が挙げられます。
・残高不足にならないよう注意する必要がある
・返品や交換ができない
その他
Netflixでは、他社サービスと提携してお得な料金プランや請求方法を提供しています。たとえば、以下のようなサービスがあります。
・J:COM: J:COMの対象プランにNetflixをセットで申し込むと、ネット動画がテレビで見られるストリーミング端末、J:COM LINK mini(月額550円(税込))が無料でついてきます。
・au: 対象料金プランに新たに加入すると3カ月間月々1,100円(税込)割引で利用できる「au Netflix応援割」を実施しています。
・ソフトバンク: ソフトバンクまとめて支払いを利用すれば、ソフトバンク携帯電話代と一緒に支払うことが可能。
これらのサービスはそれぞれ条件や手順が異なりますので、詳しくは各サービスの公式サイトやヘルプセンターをご確認ください。
Netflix(ネトフリ)は結局「お得な動画サブスク」なの?他社と作品数・料金を比較
Netflixがほかの動画サブスクサービスとどう異なるのか、他社と比較してみました。
U-NEXTとNetflix(ネトフリ)の比較
一方、Netflixは作品数は非公開。ただし2023年のアカデミー賞を受賞した「西部戦線異状なし」などNetflixオリジナルの映画やドラマが多数公開されており、4K画質にも対応しています。一方でレンタルサービスや雑誌・漫画の読み放題はありません。
U-NEXTとNetflixの比較表(2023年10月時点)は以下の通りです。
項目 | U-NEXT | Netflix |
月額料金(税込) | 2,189円 | 790円~1,980円 |
無料期間 | 31日間 | なし |
見放題動画数 | 30万本以上 | 非公開 |
ポイント制度 | 毎月1,200円分付与 | なし |
レンタル作品 | ポイント利用もしくは都度課金で利用可能 | なし |
雑誌読み放題 | ○(190誌以上) | × |
U-NEXTは料金は高めですが、ポイントで最新作やレンタル作品を観られることや雑誌読み放題が魅力的です。最新映画やドラマに興味がある方や雑誌・漫画好きの方にもおすすめです。なお2023年2月、U-NEXTはParaviとの統合を発表。2023年6月30日にParaviはU-NEXT上に移管されました。これにより、公開作品数は36万本以上、有料会員数385万人以上の国内勢で最大の動画配信プラットフォームとなりました。
Netflixは料金は安めですが、オリジナル作品や海外ドラマ・映画に強みがあります。4K対応もしているので高画質で観たい方におすすめです。
Amazonプライム・ビデオとNetflix(ネトフリ)の比較
Amazonプライム・ビデオとNetflixの比較表は以下の通りです。なお見放題の作品本数はAmazonプライム・ビデオ、Netflixはともに非公開です。
項目 | Amazonプライム・ビデオ | Netflix |
月額料金(税込) | 月額600円または年間5,900円 | 790円~1,980円 |
無料期間 | 30日間 | なし |
レンタル・購入作品 | 都度課金で視聴可能 | × |
オリジナル作品 | 「ロード・オブ・ザ・リング: 力の指輪」など多数 | 「ストレンジャー・シングス 未知の世界」など多数 |
独占配信作品 | 「ONE PIECE FILM RED」など多数 | 「劇場版 美しい彼~eternal~」など多数 |
画質 | 「データセーバー」「標準画質」「高画質」「最高画質」の4種類 | フルHD/4K(料金プランによる) |
同時視聴台数 | 3台まで | 1~4台(料金プランによる) |
動画以外のサービス | Amazon Music、Amazon Photos、お急ぎ便など | × |
Amazonプライム・ビデオは料金が安く、Amazonの配送の「お急ぎ便」など動画以外のサービスも充実しています。またAmazonオリジナル作品としては「ロード・オブ・ザ・リング: 力の指輪」、独占配信作品としては「ONE PIECE FILM RED」など話題作もさまざま。Netflixは料金が高めですが、すべての作品が見放題で、オリジナル作品や海外ドラマ・映画に強みがあります。
HuluとNetflix(ネトフリ)の比較
HuluとNetflixを料金プラン、配信作品数、オリジナル作品などの観点から比較してみました。
項目 | Hulu | Netflix |
月額料金(税込) | 1,026円 | 790円~1,980円 |
無料期間 | なし | なし |
見放題動画数 | 10万本以上 | 非公開 |
レンタル・購入作品 | ○(Huluストアで別途料金) | × |
オリジナル作品 | 「君と世界が終わる日に」「THE HEAD」など多数 | 「ストレンジャー・シングス 未知の世界」など多数 |
独占配信作品 | 「YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X」など多数 | 「劇場版 美しい彼~eternal~」など多数 |
画質 | フルHD(1080p)および4K(一部作品のみ) | フルHD/4K(料金プランによる) |
同時視聴台数 | 不可(※複数デバイスでの利用自体は可) | 1~4台(料金プランによる) |
Huluは日テレ系の作品が充実しており、見逃し配信や過去作品を観ることができます。また巨人戦を中心とするプロ野球中継もNetflixにはない「Hulu」ならではの魅力。また「Huluプレミア」では日本未公開の海外ドラマの最速配信も行っています。一方でオリジナル作品のラインナップはやや手薄です。
Netflixは、Huluと比較すると「広告つきスタンダード」プランではより安価に配信を楽しめます。また画質や同時視聴台数の幅が広いことは魅力。くわえてアカデミー賞を受賞した「西部戦線異状なし」や、国内で非常に高い評価を獲得した「First Love 初恋」などオリジナル作品の充実度や評価の高さでは優位性があると言えるでしょう。
Netflixの料金プランについてよくある質問
Netflixの料金プランについてよくある疑問と答えをご紹介します。
よりNetflixの料金を安くする裏ワザはある?
VPNを経由して海外版のNetflixに登録し、日本国内から利用するという手があります。
VPNの具体的な利用方法は、以下の記事で解説しています。
Netflixの広告つきプランでNHKの作品は視聴可能?
NHKは公共放送として、受信料で運営されています。そのためNetflixの広告プランの開始に伴い、NHKのドラマや番組の配信が停止されるのではないかという見解が一部でありました。事実として、2022年11月にはNHKはNetflixに対して配信停止請求をしています。
ただし、筆者が確認した限り「NHKの作品が全面的に配信停止される」という状態にはなっていません。
まとめ
先述した通り、Netflixでもっともバランスの良かったプラン「ベーシック」が廃止され、現在は選択肢が広告つきスタンダード、スタンダード、プレミアムの3種類という状態です。
一方、Netflixはこれまで何度もプランの変革を行っており、今後もプランの変更がある可能性もあるでしょう。しかし、いずれにせよ「広告なし」プランは値段が高いまま。料金を抑えたい場合、広告つきプランになることは避けられないと思われます。
自分がNetflixでなにをもっとも重視しているかを確認し、プランを選ぶようにしましょう。
※サムネイル画像(Image:MAXSHOT.PL / Shutterstock.com)