iPhone 15シリーズでは、ついに充電ケーブルがApple独自規格のLightningから汎用性の高いUSB-C(Type-C)に変更されました。しかし、予備用に高価なApple純正USB-Cケーブルをもう1本買うのは厳しいでしょう。たとえば、ダイソーで売られているUSB-Cケーブルではダメなのでしょうか? そこで今回は、実際にダイソーのUSB-CケーブルでiPhone 15 Proを充電してみました。果たしてダイソーで110円〜330円の製品でも問題ないのでしょうか?
iPhone 15シリーズでは充電ケーブルがUSB-Cに!
iPhone 15シリーズでは、充電ケーブルがApple独自規格のLightningから汎用性の高いUSB-C(USB Type-C)に変更されました。
iPhone 15シリーズにはApple純正のUSB-Cケーブルが付属していますが、自宅用とは別に会社用にももう1本USB-Cケーブルが欲しいところです。
しかし、Apple純正USB-Cケーブルは「240W USB-C充電ケーブル(2 m)」が4,780円、「60W USB-C充電ケーブル(1m)」でも2,780円もします。
●Apple「60W USB-C充電ケーブル(1m)」は→こちら

こちらはApple純正「60W USB-C充電ケーブル(1m)」。ケーブルは耐久性のある編み込み式でケーブル長は1mですが、USB 2(USB 2.0)規格で、価格は2,780円です(画像はApple公式サイトより転送)
●Apple「240W USB-C充電ケーブル(2m)」は→こちら

「240W USB-C充電ケーブル(2 m)」はケーブル長2mのApple純正品です。240Wで急速充電できますが転送速度はUSB 2(USB2.0)に準拠。価格は4,780円もします(画像はApple公式サイトより転送)
なお、iPhone 15シリーズにACアダプタは付属しませんので、こちらは別途購入する必要があります。Appleでは純正品の「20W USB-C電源アダプタ」が2,780円もします。
USB-Cケーブルが最新規格に対応していても、組み合わせるACアダプタの性能が低いと、そこがボトルネックになって充電速度が遅くなってしまうので、十分ご注意ください。
●Apple「20W USB-C電源アダプタ」は→こちら
このように、Apple純正品は性能や信頼性が高いものの非常に高価なので、予備のUSB-Cケーブルは家電量販店やAmazonなどで、もっと安い製品を探す人も多いと思います。
しかし、USBにはさまざまな規格があり、見た目では充電や転送速度が見分けられないのが厄介です。
実はダイソーならAndroidスマホ向けに110円〜330円という低価格でUSB-Cケーブルが発売されていますが、このような製品をiPhone 15シリーズで使用しても問題ないのでしょうか?
そこで今回は、ダイソーで110〜330円で売られているUSB-Cケーブルを、実際にiPhone 15 Proに接続して充電スピードや転送速度を計測したいと思います。
なお、iPhone 15シリーズについてはこちらの記事で詳しく解説していますのでご確認ください。
USB-Cにはどんな規格がある? 規格の違いを把握しておこう!
まず、確認しておきたいのはiPhone 15/15 PlusとiPhone 15 Pro/15 Pro Maxでは、USB-Cの規格が異なっていることです。
iPhone 15/15 Plusは「USB 2.0」という古い規格を採用しており、充電はUSB-PD対応なら規格上最大60W(3A)で、転送速度も最大480Mbpsとなっています。
これに対し、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxは「USB 3.2 Gen 2(USB 3.1 Gen 2)」規格に対応しており、USB PD対応ケーブルなら充電は規格上最大100W、転送速度も最大10Gbpsとかなり高速です。
USB規格は非常に複雑で分かりにくいのですが、ザックリ言うといちばん古い「USB2.0」と「USB3.0/3.1」、最新規格の「USB4」、そして、USB-Cを利用した「Thunderbolt」の4種類があることを覚えておきましょう。
これらのUSB-Cケーブルの形はすべて同じで互換性がありますが、どの規格(充電や転送速度)なのかは見た目で判別するのが難しいのです。
実際、下の表のようにUSB規格ごとに転送速度が異なりますので、iPhoneで4K動画などのデータをパソコンに転送するような場合は注意が必要です。
USB規格一覧(一部)
規格 | 転送速度 |
USB 2.0 | 最大480Mbps |
USB 3.2 Gen 1 (USB 3.1 Gen 1/USB 3.0) |
最大5Gbps |
USB 3.2 Gen 2 (USB 3.1 Gen 2) |
最大10Gbps |
USB 3.2 Gen2×2 | 最大20Gbps |
USB4 Gen 2×2 | 最大20Gbps |
USB4 Gen 3×2 | 最大40Gbps |
Thunderbolt 4 | 最大40Gbps |
Thunderbolt 5 | 最大120Gbps |
こちらがUSB規格の転送速度をまとめた表です。iPhone 15 Proの転送速度を活かすには「USB 3.2 Gen 2(USB 3.1 Gen 2)」以上でないとダメなことが分かります(表は筆者作成)
また、給電性能に関してはUSB規格と必ずしも一致しておらず、そのUSBケーブルが最大60W(3A)か100W(5A)対応の「USB PD」や、最大240W対応「USB PD EPR」に対応するかどうかで大きく変わってきます。
購入時は、パッケージなどでそのUSBケーブルが何W(A)対応の製品なのかを確認するようにしましょう。
ちなみに、USB Implementers Forum(USB-IF)が認定したUSBケーブルにはパフォーマンスロゴが表示されていますので、この表示があれば比較的安心して購入できます。
●USB-IF「USB Performance Logo Usage Guidelines」は→こちら(PDF)
こちらがUSB-IF認証を受けた製品に表示されるパフォーマンスロゴ。転送速度と充電W数が表示されているので分かりやすく、このロゴがある製品なら安心して購入できます(USB-IF公式サイトより転載)
たとえば、Amazonで販売されている「オウルテック USB Type-C to USB Type-C ケーブル USB4対応 8K 40Gbps PD240W(48V/5A)」は、端子部分に「40Gbps」と「240W」のパフォーマンスロゴ表示があります。
どうしても、高速充電&高速データ転送が必要であれば、多少割高になりますが、このような製品を購入したほうが安心でしょう。
●オウルテック「USB Type-C to USB Type-C ケーブル USB4対応 8K 40Gbps PD240W(48V/5A)」は→こちら(Amazon)
こちらは、40Gbps転送のUSB4規格対応のUSB-Cケーブル。USB PD EPR対応で最大240Wの給電が可能となっています。端子にパフォーマンスロゴがあるので判別しやすいでしょう(画像はAmazon公式サイトより転載)