Amazonのインボイス対応領収書ってどこにあるの?− 適格請求書の入手方法

2023年10月から始まった「インボイス制度」。最近、会社で必要経費を精算しようとしたら、経理に「この領収書にはインボイス番号がない」と指摘されて困っているビジネスパーソンも多いようです。とくに、ネットで気軽に購入できるAmazonの領収書にはインボイス番号(Tで始まる13桁の登録番号)の記載がありません。いったいどこにインボイス対応の領収書があるのでしょうか?

Amazonでは注文履歴から「インボイス適格請求書」を発行できる!

SDカードや文具、飲み物など、あらゆるものが手軽に買えるAmazonの利用者は多いでしょう。

でも、会社の備品などをAmazonで購入して精算しようとしたら、経理に「この領収書にはインボイス番号がない!」と指摘された人も多いといいます。

Amazonは注文履歴から「インボイス適格請求書」を発行できる1

最近、大手のコンビニやドラッグストアのレシートにはしっかりインボイス番号(Tで始まる13桁の登録番号)が印字されています。これなら経理に注意されることはありません(筆者撮影)

そもそも、Amazonで買った商品の領収書は「注文履歴」を開くと「領収書等」という項目があり、多くの人がここで「領収書/購入明細書」を選択して領収書をダウンロードしていると思います。

ところが、この領収書にインボイス番号は記載されていません。「もしかして、Amazonって米国の会社だしインボイスに対応していないの?」と思う人もいるでしょうが、そんなことはありません。

Amazonは注文履歴から「インボイス適格請求書」を発行できる2

こちらはAmazonの履歴から入手した領収書になります。どこにもインボイスに対応していることを示すインボイス番号(登録番号)が見当たりません(画像はAmazon公式サイトより引用)

実は、Amazonでは領収書/購入明細書の上にある「支払い明細書」から「インボイス適格請求書」をダウンロードでき、ここにインボイス番号(登録番号)が記載されています。

もし、会社で経費精算するときはこのPDFをダウンロードして提出しましょう。会社によっては、会社指定の経理システムのサーバ等に、印刷せずにPDFデータのまま保存することになると思います。

●Amazon「インボイス(適格請求書)について」は→こちら

Amazonでインボイス適格請求書を発行する手順

Amazonでインボイス適格請求書を発行する手順1

まず、Amazonの公式サイトを開いてサインイン。画面右上の「注文履歴」を押します(画像はAmazon公式サイトより引用)

Amazonでインボイス適格請求書を発行する手順2

購入した注文履歴の「領収書等」で表示される「支払い明細書」を選択しましょう(画像はAmazon公式サイトより引用)

Amazonでインボイス適格請求書を発行する手順3

Chromeの場合、ダウンロードが完了すると画面右上に「invoice.pdf」が表示されるので、これをクリック(上写真)。通常は「ダウンロード」フォルダに「支払い明細書」が保存されています(画像はAmazon公式サイトより引用)

Amazonでインボイス適格請求書を発行する手順4

この支払明細書は「適格請求書」と書かれており、税率や消費税額、そして、アマゾンジャパン合同会社の登録番号(インボイス番号)がしっかり記載されています(画像はAmazon公式サイトより引用)

ちなみに、Amazonではポイントやギフトカードなどで支払うことも可能ですが、インボイス適格請求書には、その詳細が記載されていません。

このような場合は「領収書/購入明細書」も入手しておき、適格請求書と一緒に提出したほうがいいでしょう。

マーケットプレイスの商品には要注意!

Amazonが直接販売している商品は、先ほど紹介した方法で「インボイス適格請求書」を入手できるので問題ありません。

しかし、Amazonには外部の個人や事業者が販売する「マーケットプレイス」の商品もあり、ここで購入した商品は注意が必要になります。

マーケットプレイスで購入した商品も、まったく同じ手順で支払い明細書を入手できるのですが、インボイスに非対応の個人や事業者の場合は、インボイス適格請求書ではなく、単なる「支払い明細書」になります。

もちろん、マーケットプレイスの個人や事業者でもしっかりインボイスに対応して、インボイス適格請求書を発行できる場合もあります。

マーケットプレイスの商品には要注意1

こちらは中国・深センの事業者の支払い明細書です。もちろん、海外の事業者なのでインボイス番号の記載はありません(画像はAmazon公式サイトより引用)

マーケットプレイスの商品には要注意2

同じマーケットプレイスでも、サンワサプライ(株)のような日本の会社なら、インボイス適格請求書を発行できるので、インボイス番号(登録番号)が記載されています(画像はAmazon公式サイトより引用)

このように、AmazonではAmazonが直販するものと、マーケットプレイスの商品が混在しているので困ってしまいますが、事前にインボイス適格請求書発行事業者かどうか確認する方法はないのでしょうか?

実は、Amazonの商品説明画面の右側に「販売元」の記載があるので、ここが「Amazon.co.jp」となっていれば、Amazonが直接販売する製品となります。

もし、欲しい商品の販売元がAmazon以外だった場合、商品ページの「販売元」をクリックして販売元の情報を確認してみましょう。

「出品者について」をよく確認してみると、インボイス適格請求書発行事業者であることが記載されている場合もあります。

このような事業者の商品であればインボイス適格請求書を発行できますし、ある程度は信頼して商品を購入できるでしょう。

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商品ページの販売元に「Amazon.co.jp」とあれば、Amazonが直接販売している商品なので、Amazonのインボイス適格請求書を入手できます(画像はAmazon公式サイトより引用)

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こちらは「オウルテック」という日本のデジタル製品メーカーの商品ページですが、「販売元」をクリックすると、「出品者について」にしっかりインボイス番号(登録番号)が記載されていました。これなら安心して購入できますね(画像はAmazon公式サイトより引用)

Amazonギフトカードはそもそも非課税!

Amazonではさまざまな商品が購入できますが、少し注意したいのがAmazonギフトカード(アマギフ)です。

アマギフはAmazonが販売するギフトカードで、物理的なプリペイドカード以外に、Eメールで手軽に贈ることも可能なので、とっても便利ですよね。

Amazonギフトカードはそもそも非課税1

AmazonではEメールで手軽にギフトカードが贈れる「Amazonギフトカード」も販売されていますが、会社で精算したいときは注意が必要です(画像はAmazon公式サイトより引用)

ところが、アマギフに関しては、Amazonの注文履歴の「領収書等」で「支払い明細書」が表示されず、インボイス適格請求書は発行できません。

その理由は、そもそもアマギフはギフトカードなので“非課税”となっているから。つまり代金に消費税が含まれていないので、インボイス適格請求書も発行されないのです。

ただし、アマギフを使ってAmazonで商品を購入するときは、しっかり消費税を取られることになっていますのでご注意ください。

●Amazon「消費税について」は→こちら
●国税庁「No.6229 商品券やプリペイドカードなど」は→こちら

Amazonギフトカードはそもそも非課税2

Amazonギフトカード注文履歴の「領収書等」で「支払い明細書」が表示されず、インボイス適格請求書を入手できません。その理由は、アマギフは金券なので非課税になっていからです(画像はAmazon公式サイトより引用)

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Amazonのヘルプ&カスタマーサービスの「消費税について」でも、アマギフには消費税がかからないと記載されています(画像はAmazon公式サイトより引用)

Amazonギフトカードはそもそも非課税4

国税庁の公式サイトで確認しても、商品券、ギフト券、旅行券、テレホンカードなどのプリペイドカードの譲渡は非課税とされていることが確認できます(画像は国税庁公式サイトより引用)

まとめ

いかがでしょうか? 今回はAmazonで購入した商品を会社で精算するとき、注文履歴から支払い明細書を選択して「インボイス適格請求書」を入手する方法を紹介しました。

もちろん、令和11年9月末まではインボイス番号のない領収書でも、一定割合をみなし控除できる仕入税額控除の経過措置が取られていますが、今後、会社によっては経理に嫌な顔をされるかもしれません。

もし、インボイス制度について詳しく知りたい人は、国税庁のインボイス制度特設サイトをご覧ください。

なお、Amazonには「Amazonビジネス」という会社向けのアカウントもあります。こちらは商品ページに「適格請求書発行対象」という表示があったりしますが、今回は個人用アカウントの場合に限定して解説しました。

●国税庁「インボイス制度特設サイト」は→こちら

鶏冠井悠二/かいでFP事務所・ファイナンシャルプランナー
コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。
「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeco、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。
現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。

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