スマホを提示するだけで簡単に支払えるQRコード・バーコード決済サービス。手軽さはもちろん、ポイントを貯めることができたり、定期的にキャンペーンが実施されたりなど、様々なメリットが挙げられます。では実際、各サービスにおいてユーザーの満足度はどの程度なのでしょうか。今回は、株式会社J.D. パワー ジャパンが直近3カ月以内にQRコード・バーコード決済サービスを利用した人(20~69歳)3000人を対象に実施した「J.D. パワー 2024年QRコード・バーコード決済サービス顧客満足度調査℠」をご紹介します。
各サービスの利用頻度が高いユーザーの満足度が高い傾向に
本調査では、主に利用するQRコード・バーコード決済サービスの満足度や利用頻度を調べています。まずはじめに「総合満足度の推移」を調査すると、2024年の満足度は2023年より6ポイント低下していることが判明しました。
全体として満足度が下がっているものの、利用頻度別で満足度を見ると、「2~3日に1回以上」利用する人は、前年より8ポイント高い満足度となっています。
一方で「1週間に1回以下」の利用頻度の低い層の満足度は、前年より14ポイント低下。そのため、QRコード・バーコード決済の事業者は利用頻度の低い層より、利用頻度が高く満足度・ロイヤルティも高い層を拡大していく必要があるといえるでしょう。
ちなみに、各サービスの主な利用理由である「ポイントが貯まりやすい」「キャンペーンが魅力的」の満足度は低下傾向に。利用頻度が高い層を拡大するためには、ポイントやキャンペーンにおいてさらなる差別化を図る必要がありそうです。
若い世代ほど「給与デジタル払い」に関心がある
最後に、「給与デジタル払いへの興味」を調査すると、「給与デジタル払いに興味がある」との回答は全体で20%という結果に。性別で見ると男性22%、女性18%と男性の方が若干上回る結果になりました。また、年代別では、20代が34%、30代が24%、40代が20%、50代が18%、60代が13%と、若い世代ほど「給与デジタル払い」への興味を持つ人が多いことがわかります。
資金移動業者の数社が厚生労働省の審査段階で運用には至っていない状況ではあるものの、興味を持っている人は一定数いるため、運用後に関心の変化が生じるのか気になるところです。
本調査では、QRコード・バーコード決済サービスにおいて、利用頻度の高いユーザーの満足度は前年よりも高くなっていることが明らかになりました。一方、ポイントやキャンペーンなど特典については満足度が下がっており、利用頻度が低いユーザーも満足度が低下しています。そのため、各社は満足度の低いユーザーや項目を把握した上で、今後総合満足度を上げていく努力が必要になりそうです。
出典元: 【株式会社J.D. パワー ジャパン】