位置情報共有アプリ「Zenly(ゼンリー)」はなぜ終了?代わりのおすすめアプリは?

4,000万人ものユーザーが利用していたと言われる、位置情報共有アプリ「Zenly(ゼンリー)」。2022年9月1日にサービス終了が発表されると、「なくなったら困る」という声が多数あがるなど大きな反響を呼びました。

その後、2023年2月3日にサービス提供を終了したZenly。今回は、Zenlyがサービスを終了した理由とおすすめの代替アプリと使い方を詳しく解説します。

位置情報共有アプリ「Zenly(ゼンリー)」とは

Zenly(ゼンリー)とは、友達や家族同士で位置情報を共有するアプリでした。

【1】2015年にフランスで開発された位置情報共有アプリ「Zenly(ゼンリー)」。ゼンリーで繋がっている友達の現在位置を把握できるのが特徴です【2】「pops」という主に自分が招待してゼンリーに参加した人の数の指標があり、popsを増やしてランキングを上げるのをゲーム的に楽しんでいるユーザーもいました

【主な機能・用途】位置情報を活用した待ち合わせ

Zenlyでは、アプリで繋がっている「友達」の現在位置を常に共有し合うことができました。そのため筆者がヒアリングした中高生たちは、これらの機能を活かして、主に近所や地元の駅の近くにいるタイミングが合った友だちと会うためにゼンリーを利用していました。

【1】ゼンリーでは画像のようにリアルタイムで自分の位置情報が表示されるので、人の多い場所での待ち合わせにも便利でした。【2】移動中はアイコンの周りが虹色に光り、移動時速が表示されるのも特徴的

ゼンリーを使えば相手がどこにいるか分かるので、お互いにアプリで位置情報を把握しながら待ち合わせ場所に向かうという使い方をしている人が多くいました。東京ディズニーリゾートや渋谷ハチ公前など人が多い場所でもお互いの現在地を正確に把握できるので、ゼンリーを使えば合流や再合流の時間や場所を決める必要はありませんでした。

【主な機能・用途】メッセージ、電話

ゼンリーには、メッセージや電話といった位置情報共有以外の機能もありました。

【1】①「吹き出し」アイコンをタップすると友達とチャット、【②】②「電話」アイコンをタップするとゼンリーから通話が可能でした

【主な機能・用途】「ゴーストモード」で位置情報共有を一時オフ

場所を知られたくないときはゴーストモードで位置情報共有を一時オフにすることも可能でした。

【1】位置情報を「あいまい」に設定すれば、詳細な位置情報を知らせないようにすることができました【2】「フリーズ」状態にすれば位置情報を隠すことも可能でした

Zenly(ゼンリー)が人気だった理由、秘訣

多くの人にZenly(ゼンリー)が愛用されていた理由や秘訣は以下の通りです。

無駄なく会えてスキマ時間活用

筆者のヒアリングによると、違う学校の友達同士で繋がっておき、タイミングがあえば一緒に帰ったり遊んだりするという使い方をしている学生がいました。無駄なやり取りをする必要がなく、スキマ時間に近くにいる友達と会えるのが、愛用されていた理由のひとつでしょう。

【1】ゼンリーの友達同士が一緒にいるとアイコンの周りに炎が上がり一緒にいることが他の友達にも表示される仕組みでした。【2】場所を指定し同行者をタグ付けして地図上にピンを立て、ほかのフレンドに仲良しアピールや行楽地へ遊びに行ったアピールとして使う中高生もいました

家族同士で使うケースも意外と多い

親が、学校が終わった子どもの居場所確認のためにゼンリーを使用している例もありました。子どもの送迎や子どもの見守りなどにも便利だったようです。

なぜZenly(ゼンリー)はサービス終了に至ったのか

これだけ多くの人が愛用していたZenly(ゼンリー)はなぜ終了してしまったのでしょうか。背景にはZenlyを運営していたSnap社の大規模レイオフなどが挙げられます。

Zenly(ゼンリー)はフランス発の位置情報共有アプリでしたが、2017年に「Snapchat(スナップチャット)」を運営するスナップ社に2億1,300万ドルで買収されました。その後、2022年8月にSnap社CEOのエヴァン・シュピーゲル氏が、Snap社の収益成長率の低さを理由にサービス終了を発表。同時期に大規模レイオフ(人員整理)も公表しています

しかしSnap社の従業員が明かしたところによると、少なくとも一社がZenlyの買収をもちかけていたとの情報もあり、「Zenlyを売却し、他社運営のもとでZenlyを継続しつつ、Snap社は売却益を得る」ルートもあったことに。Snap社がその道を選ばなかったということは、後述する通り、Snapchatに後継機能を用意することを念頭に置いていたとみられます。

レイオフも相まってZenlyを継続運営するのは難しいものの、Zenlyのノウハウを他社に流出させたくないという考えがあったのかもしれません。また売却益が想像よりも小さく、手放すメリットを感じられなかった可能性もあります。

参考元:DIAMOND SIGNAL「米Snapが大規模レイオフで位置情報SNS「zenly」を終了へ、米名門アクセラYCは来年に世代交代」

どんなアプリならZenlyの代替アプリとなるのか?

友だちや家族と、手軽にGPSの位置情報を共有できるアプリ「Zenly(ゼンリー)」は、 お互いの位置情報を共有すれば、親が子どもの現在地を確認したり、友だちとの待ち合わせなどでいちいちLINEを使って「今どこにいるの?」といったやり取りをしなくて済むのが、便利でした。

これらの機能を余すところなく搭載している位置情報共有アプリは、Zenlyの代替になり得るでしょう。

現在はZenly(ゼンリー)の代わりとなる代替アプリが、Snap社が提供するSnap Mapをはじめいくつか提供されはじめています。

「Snap Map」Snap社が提供する公式な後継機能

Zenly(ゼンリー)の正式な後継者と言えるのが、やはりSnap社が提供する「Snap Map」。友だちと位置情報共有できるZenlyの使い勝手を引き継ぎつつ、地図上から飲食店などの情報や口コミも見ることができる点が便利。Zenlyは「SNS」でしたが、Snap MapはSNSとマップアプリのいいとこどりをしたような仕上がりです。

Snap Mapの登録方法

「Snap Map」は「Snapchat」の中のマップ機能のため、まずは「Snapchat」のアプリをダウンロードします。
・Androidoは→こちら
・iOSは→こちら

【1】①登録をタップすると【2】②「通知をオンに設定してください」とポップアップが表示されるので「OK」をタップします。【3】③通知を求めるポップアップは「許可」または「時間指定要約で許可」を選びます

【4】④連絡先を同期する「フレンド検索」について求められるので、「許可しない」「OK」のいずれかを選択します。【5】アカウント作成のため⑤「姓名」を入力し⑥「続行」をタップ。【6】⑦「生年月日」を選択したら、⑧「続行」をタップします

【7】ユーザー名が自動で生成されるので(後から変更可)⑨「続行」をタップします。【8】⑩「パスワード」を設定し、⑪「続行」をタップします。【9】⑫「電話番号」を入力し、⑬「完了」をタップするとアカウント登録完了です

次に基本設定をします。【10】アバターを作る場合は⑭「続行」をタップし、あとで作成する場合は右上の「スキップ」をタップします。【11】カメラへのアクセスを求めるポップアップが表示されるので⑮「許可しない」または「OK」を選びます。マイクへのアクセスも同様です。⑯「マップ」をタップします。【12】このマップで友達や家族と位置共有ができます

Snap Mapの画面の見方

Snap Mapの画面の見方は以下の通りです。

【1】左上の「アイコン」をタップすると【2】「プロフィール」を確認できます。各種設定や変更が可能です

【1】「虫眼鏡アイコン」をタップすると【2】「フレンド」や「場所」などの検索ができます

【1】右上の「歯車マーク」をタップすると【2】「ゴーストモード」の設定ができます。位置を知られたくないときに利用します

【1】左下の「マイBitmoji(アバター)」をタップすると【2】「アバター」を変更できます

【1】下の真ん中にある「場所」をタップすると【2】フレンドに人気の店や施設などを検索できます

【1】右下の「フレンド」をタップすると【2】フレンドの位置情報を確認できます

飲食店の情報をチェックする方法

「Snap Map」では、マップから飲食店情報や口コミなどをチェックできます。

【1】①「マップ」をタップし、②地図上で気になるお店をタップします。【2】お店の詳細や人が集まる時間帯、レビュー(口コミ)などが確認可能です

Snap Mapのフレンド追加方法

マップ上からフレンドを追加できます。

【1】マップを開き①「フレンド」をタップします。【2】②「フレンドの追加」をタップします。【3】Snapchatをしているフレンドが表示されるので「追加」をタップすると、相手にフレンドリクエストが届きます

「友どこ」位置共有相手と直接メッセージで連絡できる!

Snap Map以外でおすすめなのが「友どこ」。2022年12月29日に日本語版がリリースされたばかりのアプリですが、すでに世界で3億ダウンロードを達成。アジア地域のSNSで1位を獲得しています。 「友どこ」は類似サービスが終了するのをきっかけに開発されたこともあり、登録した相手の居場所を簡単にマップ上で確認できるなど利便性がアップ。登録したユーザー同士でしか位置情報を共有できない点も安心です。

【1】友達同士ならマップ上で位置を確認できます。【2】アプリ上でメッセージのやり取りも可能です

「Life360」子どもの見守りにピッタリ!

「Life360」という子どもの見守り用アプリもZenlyの代わりになります。家族同士でサークルを作成しお互いの現在地を共有するのが目的ですが、友だちのグループでサークルを作成することも可能です。

子どもの見守りはもちろん、Zenlyのように友達同士でも利用可能です。基本は無料ですが、有料の「プレミアムプラン」にすれば、位置情報の履歴を30日前まで遡って追跡可能です

「iシェアリング」家族や友だちの位置情報を共有・追跡

家族や友だちとGPSの位置情報を共有できるアプリ「iシェアリング」。登録した相手の位置をマップ上でリアルタイムで確認できるほか、ストリートビュー機能で正確に現在地を把握できます。特定の場所に来ると通知される機能や、緊急時にスマホを振るだけでメッセージを送れる便利な機能もあります。

基本は家族間の位置情報共有ですが、プライバシー設定ができるためそれほそ知らない相手がグループに含まれていても安心です

「ココイル」アバターで仲間が今いる場所を共有

「ココイル」はGPSの位置情報を共有できるアプリです。友だちとの待ち合わせ、イベント、旅行など、複数人がバラバラに目的地に行くようなシチュエーションを想定しているので、Zenlyにかなり近い使い方ができます。

登録されたメンバーがメッセージ付きのかわいいアバターで表示されるのが「ココイル」の特徴。メッセージが更新されるとプッシュ通知が届きます

12時間限定のサークルを作ることができるので、一時的なグループを作るのにも便利。グループ内にさほど親しくない人が含まれていても、利用後に追跡される心配がありません。

Androidスマホなら「Googleマップ」で簡単に現在地を共有できる

Androidスマホなら「Googleマップ」を利用すれば、簡単に現在地を共有できます。位置情報を共有したいだけなら、Zenlyの代替アプリを新規で導入しなくてもGoogleマップで代用できます。

「Googleマップ」を現在地や目的地までの道案内、周辺のショップ情報検索などで日常的に使用している人も多いでしょう。もちろん、iPhoneでも利用可能です(画像はGoogle Playより転載)

Googleマップで位置情報を共有する手順

Googleマップで位置情報を共有する手順は以下の通りです。

【1】①右上の「プロフィール」アイコンをタップ。【2】②「現在地の共有」をタップします

【3】③「現在地を共有」をタップします。【4】④「共有時間」を指定したら、⑤「共有相手」を選択して⑥「共有」をタップします。相手が「承認」すれば共有完了です

●「Googleマップ」は→こちら(iPhone)
●「Googleマップ」は→こちら(Android)

iPhone同士なら「探す」アプリを利用するのが簡単!

iPhone同士なら標準アプリの「探す」を使って、リアルタイムで位置情報を共有できます。iPhoneやiPadなどの現在地が分かる「iPhoneを探す」機能として使っている人は多いでしょう。そもそも「探す」アプリは、「iPhoneを探す」と家族や友だちの現在地が分かる「友達を探す」という2つのアプリが統合されたものです。

iPhoneの「探す」アプリで位置情報を共有する手順

Phoneの「探す」アプリで位置情報を共有する手順は以下の通りです。

【1】①「探す」アプリを開きます。【2】右下の②「自分」アイコンをタップします

【3】③「自分の位置情報を共有」がオンになっていることを確認します。【4】左下の④「人を探す」を選択し、⑤「位置情報の共有を開始」をタップします

【5】⑥位置情報を共有したい相手の名前や電話番号、メルアドなどを入力し、⑦「送信」をタップします。【6】⑧位置情報を共有する時間を選択します

まとめ

Zenlyのサービスは終了しましたが、同じように使える代替アプリが多く出ています。中でもSnap MapはZenlyと同じような使い方が可能。アプリを使わなくても、Androidスマホなら「Googleマップ」、iPhoneなら「探す」アプリで位置共有することもできます。友達や家族同士で、どれが使いやすいか試してみてはいかがでしょうか。

オトナライフ編集部
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