iOSで利用できる多種多様なアプリを配信している「App Store」。無料のものやアプリ内課金があるサービス、サブスクリプションサービスなど、その料金体系はさまざまだ。サービスの料金はアプリの開発者や、デベロッパが特定の価格帯から選んで設定できるが、App Store のサービス開始以来、これまで設定可能な価格帯の大きな変更はなかった。しかし、今回Appleが“最も包括的な価格設定機能のアップグレード”を発表した。
合計900種類の価格帯からアプリ価格を設定可能
Appleが現地時間の12月6日に、App Storeの価格設定についての変更を発表。アプリの価格は、アプリ開発者が用意された価格帯の中から選択する方式で、今回の変更で新たに700種類の価格帯が追加されることとなった。これにより、アプリ開発者は合計900種類の価格帯の中から自由に価格を設定することが可能に。必要以上に高額な設定をするアプリがリリースされることを防ぐため、1,000ドル(約14万円)以上に設定する場合は、Appleにリクエストを申請する必要がある。
アプリの最低価格と最高価格も更新され、29セント(約40円)~10,000ドル(約140万円)の価格帯で設定可能。29セント~10ドルまでの価格帯では10セント単位、10ドル~50ドルでは50セント単位、50ドル~100ドルでは1ドル単位など、価格設定の選択肢がかなり豊富になった。
国外の税率や為替レートの変動にあわせて、価格が自動更新されるように
同日には、新たな価格帯だけでなく、為替変動の管理がしやすくなるサービスも発表された。アプリ開発者は所在地を設定することで、その地域を基準に、他国で展開する際も価格が自動設定されるように。たとえば、所在地を日本に設定すると、他国での価格は自動的にその国の為替や税率の変動が適用されるため、国ごとの為替や税率を確認する必要がなくなり、管理が非常に楽になった。国外での価格は自動更新されるが、開発者が国ごとの価格設定をすることもできるとのことだ。
価格帯の変更と、為替・税率の管理機能の適用は、サブスクリプションサービスを提供するアプリでは12月6日から、その他のアプリは2023年春からとなる。また、税金や為替レートの変動によっては、世界中のアプリ内課金の価格が均等に保持されるように、Appleが特定地域の価格を更新する可能性もあるようだ。
今回、発表された価格設定のアップグレードによって、開発者は価格を柔軟に設定できるようになり、サービス供給の幅も広がることだろう。アプリの最低価格も更新されたため、非常にお手頃価格の便利アプリやゲームがさらに増えるかもしれない。アプリの価格帯変更が適用されるのは、2023年春からなので、変更が適用されてから一度、App Storeを確認してみるのもよいかもしれない。
引用元:【MacRumors】
引用元:【Apple 1】【Apple 2】
※サムネイル画像は(Image:「App Store」公式サイトより引用)