海外でタクシーを利用すると、目的地を上手く伝えられなかったり、ボッタクリに遭ったりして不快な思いすることがある。そんなときはスマホの配車アプリを使ってみよう。目的地の伝達も不要で、配車した時点で料金が確定するし、クレカ払いができて金銭トラブルも少ないのだ。今回は筆者が実際にベトナムで利用して、とっても便利だった「Grab(グラブ)」という配車アプリの使い方と、そのメリットを紹介しよう。
地下鉄のないベトナムで大活躍した「Grab」とは?
(Image:TY Lim / Shutterstock.com)
海外でタクシーを利用すると、目的地を外国語で正しく伝えられなかったり、遠回りされてボッタクリに遭ったり、現金払いでの金銭トラブルも多い。そこでおすすめしたいのがスマホの配車アプリだ。配車アプリといえば米国の「Uber(ウーバー)」が有名だ。日本では規制が厳しくて今イチだが、乗車場所と目的地を指定して配車した時点で料金が確定するし、クレカ払いできるので金銭トラブルも少ない。また、ドライバーと会話する必要もないので海外ではとっても快適に利用できるのである。
実は、「Uber」は東南アジアでもサービスを行っていたが、2018年にはカンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムでの事業を「Grab(グラブ)」に移譲することになった。そのなかでも、とくに地下鉄がないベトナムでは、市内をタクシーで移動するしかなく、筆者はハノイ旅行でこの「Grab」を試してみることにしたのである。
ちなみに、「Grab」を利用するには現地でスマホのネット接続のために、プリペイドSIMカードは必須。空港や市内でもSIMカードは買えるが、筆者は事前にAmazonでベトナムのSIMカードを入手しておいた。
まずは、日本にいる間にできるところまでやっておこう。アプリを起動すると電話番号かFacebookまたはGoogleアカウントで登録できる(左写真)。今回は電話番号で登録する。筆者のスマホはデータ専用なのでガラケーの電話番号を入力した。ちなみに、日本の国際番号は「+81」。電話番号は局番の頭「0」を抜いて入力すればOK(右写真)
携帯電話に「Grab」から届いたSMSに記載されたアクティベーションコード(Activation Code)の数字6桁を2分以内に入力する(左写真)。次に名前(ローマ字)とメールアドレスを入力(中写真)。登録が終わったら「Yes,Allow」をタップしよう(右写真)。日本での作業はここまで!
ここからは海外での作業になる。まず空港に着いたらスマホをネット接続できる状態にしよう。筆者はAmazonで事前購入しておいたプリペイドSIMカードに交換した。アプリを起動したらトップ画面下の「Payment」を選択(左写真)。次に「Card」をタップする(中写真)。そして、クレカ番号や有効期限などを入力しよう。完了したら「Save」をタップする(右写真)。ちなみに、SMS対応のSIMカードに交換していれば、現地SIMカードの電話番号に変更しなくても、日本の電話番号のままで大丈夫だ
クレカ登録が成功するとこの画面になる(左写真)。「Payment」画面を再度開くと、先ほど登録したクレカの下4桁が表示されている。これでクレカ払いができるようになった(右写真)。なお、クレカによっては登録できない場合もあるそうなので、違うブランドのクレカを数枚もっていくと安心だろう
車内で無理にドライバーと会話をする必要はなし!
「Grab(グラブ)」は日本でアプリをインストールして会員登録しておき、現地でクレカ登録をすればすぐに利用できる。ただし、「Grab」アプリで現在地と目的地を指定するよりも、実は「Googleマップ」の方がGPSが正確で快適。目的地の指定も文字入力ではなく画面をタップするだけでいいのだ。実際に筆者は、旧市街にあるホテルから25分ほど離れたスーパーへの往復で「Grab」を使ってみたが、どちらも配車後1~2分ですぐに「Grab」の車が現れた。もちろん、ドライバーはアプリで目的地を把握しているので、「シンチャオ(こんにちわ)」と言って車に乗り込んだあとは会話をする必要はない。車内ではスマホでリアルタイムルート確認もできるので安心。万一、遠回りされても配車時点で料金は確定しているので問題はないのだ。到着後も「カムオン(ありがとう)」と告げて車を降りるだけでよい。これは便利すぎる!
配車は「Googleマップ」のほうが便利。現在地と目的地をマップ上でタップして指定。タクシーアイコンを選ぶと、画面下に利用可能な車が表示されるので、「GrabCar・エコノミー」を選択したら「アプリを開く」をタップ(左画面)。すると「Grab」アプリが開き、料金が表示されるので「Book GrabCar」をタップすると配車が完了する。ちなみに、今回は初回利用値引きで70Kの料金が21K(21,000ドン/約100円)になった。安すぎる!(中写真)。画面にドライバーの名前・顔写真・車のナンバーが表示されるので、車の到着を待とう(右写真)。なお、「K」=「1,000」なので、「20K」は「2万ドン」のことである
「Googleマップ」で待時間1分と表示されていたが、本当に1~2分ほどで車が到着した。ただし、車は普通車で何も表示がない。ナンバープレートを見て確認するしかない点は要注意(上写真)。ベトナムでは「GrabBike」も選択可能。料金は車の半額なので、一人で近場を移動するならアリかも……(下写真)
車に乗り込んで「Grab」アプリを見るとリアルタイムで移動経路が確認できる。到着は午後5時予定だ(左写真)。クレカ払いなので、目的地に到着したらそのまま車を降りればよい。このとき、ドライバーを評価する画面が「Grab」アプリに表示されるので、★を付けてあげよう。良いドライバーにはチップを追加で払うこともできる(中写真)。翌日、Grabの領収書がメールで送られてきた。これならビジネスでも利用できるだろう(右写真)
料金は時間帯などで結構変わるのは要注意!
実は、筆者も最初は「Grab(グラブ)」アプリでの配車には多少の不安もあったが、実際に使ってみるとあまりにも快適すぎた……。とくに、ベトナムのバイクタクシーなどは、ライダーと料金交渉しないといけないうえにトラブルが多くて何度も嫌な思いをしてきた。それだけに、この「Grab」の快適さは感激ものだったのである。
ちなみに、「Grab」で少し気になったのは、車が個人所有の小型車なのでナンバープレートで確認するしかないこと。また、軽自動車並みの小型韓国車が多く、大きな旅行バッグなどがある場合は荷物を積みきれないと思ったこと。そして、意外だったのが夕方のラッシュ時などは料金が高くなる場合があることだ。たとえば、通常7万ドン(約330円)の距離なのに14万ドン(約660円)のドライバーが表示されたりする。ただ、その場合は安いドライバーが現れるのを少しだけ待ってみるとよい。実際に筆者の場合は1~2分後に、8万ドン(約380円)のドライバーが表示されたので、すぐに「Book GrabCar」を押したのであった。
※サムネイル画像(Image:TY Lim / Shutterstock.com)