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意外と知らない「GREE(グリー)」はオワコンなのか? いまでも盛り上がっているのか?

2004年にSNSとしてスタートし、ソーシャルゲームプラットフォームとして大人気を博した「GREE(グリー)」。世界初のモバイルソーシャルゲームを開発した企業としても知られ、いわゆる「ソシャゲ」で一時代を築き、思い出深いモバイルゲームを多数輩出しています。

とはいえ「スマホゲームの時代への移行に失敗した」というややネガティブなイメージも、しばしば報道されがちです。「SNSの走り」「ソシャゲの先駆者」という印象も強い一方、GREEはいまでも盛り上がっているのか気になる方もいるのでは?今回は「GREEはいまでも盛り上がっているのか」を解説します。

GREE(グリー)とは

GREEはもともと、2004年に創業者・田中良和氏の個人サイトとしてオープンしたSNSでした。2005年にガラケー版SNSの提供を開始し、2007年にはGREEの代表的なタイトル「釣り★スタ」を公開。「Mobage(モバゲー)」と並んで、携帯電話向けのSNS及びソーシャルゲームプラットフォームの代表格と言えるでしょう。

GREEは国内で極めて多くのユーザーを獲得したため、2024年時点で30代~40代の方ならば「一度はGREEに触ったことがある」方も多いのではないでしょうか。

SNS及びソーシャルゲームプラットフォームとしての「GREE」

SNS及びソーシャルゲームプラットフォームとしての「GREE」1

(画像は「GREE」公式サイトより引用)

先述した通り、GREEは2004年にSNSの提供を開始。翌2005年に携帯電話向けにサービス開始。大きな躍進のきっかけとなったのは、2006年にauの顧客向けサービスとして「GREE」が採用されたことです。特に長らくauを利用している方にとっては、GREEは「懐かしいサービス」として記憶にあるかもしれません。

代表的なゲームには「釣りスタ」「探検ドリランド」などがあります。またAKB48を題材としたソーシャルゲーム「AKB48ステージファイター」も同グループの人気も相まって、多くの注目を集めたタイトルでした。

ゲーム・アニメ事業を手がける企業としての「GREE」

ゲーム・アニメ事業を手掛ける企業としての「GREE」1

(画像は「GREE」公式サイトより引用)

SNS及びソーシャルゲームプラットフォームというイメージが強い「GREE」ですが、同社はゲームやアニメの制作・配信にも力を入れています。

特にGREEの完全子会社であるWFS社が手がける「ヘブンバーンズレッド(Android/iOS/Windows向け)」や「消滅都市(Android/iOS向け)」などのタイトルは名作として知られ、「消滅都市」は2024年2月にサービス終了後、2024年5月にオフライン版の配信が決定。サービス終了したとしても長く遊びたい、というファンの熱意が現れている一例と言えるでしょう。

その他

そのほかにもGREEはメタバース事業やDX事業、コマース事業、マンガ事業、投資事業など、多岐にわたる事業を展開。特にGREEの投資事業は有名で、2022年7月にはGREE LP Fund US GP I, LLCを通じて北米におけるファンド投資を拡大してもいます。

SNSとしての「GREE」は盛り上がっている?

では「SNS」及び「ソーシャルゲームプラットフォーム」としてのGREEの現状はどのような感じなのでしょうか。さっそく具体的に見ていきましょう。

「GREE」公式アプリ

まずは「GREE」公式アプリ。SNSとしての「GREE」を利用するならば、最初にインストールするスマホアプリです。筆者が2024年6月のGoogle Playのランキングを確認する限り、Google Play全体及びSNS分野にて「GREE公式アプリ」が上位にランクインした履歴は見受けられませんでした。

「GREE」公式アプリ1

(画像は「GREE」公式サイトより引用)

他社で言えば、たとえば「mixi」公式アプリはGoogle PlayのSNS分野でランクが付いています。つまりGREE公式アプリは、相対的に見て「SNSとして盛り上がっている」とはあまり言えないでしょう。

「釣りスタ」

ソーシャルゲームプラットフォームとしてのGREEの人気タイトルである「釣りスタ」は、筆者が確認した限りでは、継続的にGames > Actionの分野でランクイン(国内158位・2024年6月時点)しています。つまり「GREE公式アプリ」が高い人気を得ていると言うよりは、「釣りスタ」など長年愛されている個別のゲームタイトルのアプリに人気が移行していると言えるかもしれません。

「釣りスタ」1

(画像は「釣りスタ」公式サイトより引用)

「釣りスタ」はGREEを代表するモバイルソーシャルゲームです。簡単な操作で釣りをするというシンプルなゲームですが、釣る場所や竿、エサなどを変えることで多種類の魚を釣ることができ、簡単ながら奥が深いゲームとなっています。

2007年のリリースから現在も愛され続けており、2018年にはVR版もリリースされています。2007年にガラケー向けにリリースしたタイトルが2024年時点でも一定の人気をキープしていると見られ、極めて長寿のタイトルと言えるでしょう。

なおサードパーティー製のアプリの分析ツールによる推定値では、2024年6月時点では「探検ドリランド」に対してデイリーのユーザー数で倍ほどの人数がいると見られます。

「GREE」のゲーム・アニメ事業:「ヘブンバーンズレッド」が代表作

GREEは「SNS」「ソーシャルゲームプラットフォーム」のイメージが強いですが、事業の多角化が進み、先にもご紹介した通り、ゲーム・アニメ事業やメタバース事業、投資事業などが拡大しています。

その中でも、一般ユーザーに最もなじみ深いのは「ゲーム・アニメ」でしょう。特にライトフライヤースタジオ(グリーの完全子会社)が手がけた「ヘブンバーンズレッド」は圧倒的な人気を誇るタイトルです。

「GREE」のゲーム・アニメ事業:「 ヘブンバーンズレッド」が代表作1

(画像は「ヘブンバーンズレッド」公式サイトより引用)

モバイルRPG「ヘブンバーンズレッド」はWFS(ライトフライヤースタジオ)社と、「泣きゲー」で有名なKeyによるタイトル。キャラクターたちの日常を追体験しながら進む独自のストーリーと美しいグラフィック、全40曲以上の劇中歌で多くのファンを魅了しており、「Google Play Best Of 2022」では「ベストゲーム 2022」にも選ばれています。

2023年にはリリースから1年で2億ドル以上の収益を記録。累計収益は3.5億ドルに到達していると見られます。スマホ版にとどまらず、Steam版の評価も極めて高く、間違いなくGREE社のゲーム・アニメ事業における「名作」の1つです。

「消滅都市」は10周年を迎えて再び話題に

「消滅都市」は10周年を迎えて再び話題に1

(画像は「消滅都市」公式サイトより引用)

「ヘブンバーンズレッド」以外では、2024年にオフライン版がリリースされた「消滅都市」も有名でしょう。こちらもライトフライヤースタジオが開発したタイトルで、もともとは2014年にリリースされたゲーム。全世界で1000万DLを突破しており、10年間にわたって長く愛されたタイトルでした。2024年2月をもってサービスが終了したものの、ファンからの熱い声に応えるような形でオフライン版がリリースされました。2024年7月現在はオフライン版のみがプレイできます。

このようにGREEは、SNSとしてのスタートから始まり、現在ではゲーム・アニメ事業やメタバース事業など、多岐にわたる事業を展開しています。SNSとしての利用は全盛期と比べると「盛り上がっている」とは客観的に見て、あまり言えないのが現状です。

しかし「釣りスタ」に代表される過去のGREEのゲームはいまでも根強い人気を誇ります。加えて「ヘブンバーンズレッド」に象徴される、iPhone/Androidに留まらずSteam向けにもリリースされるビッグタイトルも登場。

さらにメタバース事業や投資事業も活発化しており、従来とは異なる形ではありますが、いまでも間違いなくGREEはモバイル業界で存在感を発揮し続けていると言えるでしょう。

オトナライフ編集部
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