アウディが開発「アウディナビアプリ」はカーナビとしてGoogleマップより優秀?

車載カーナビではなく、Googleマップに代表される「マップアプリ」をカーナビ代わりに利用する方は少なくないのでは? 一方、Googleマップには「カーナビに特化したアプリではない」という弱点があり、ナビゲーション通りに進むと車幅ギリギリの狭い道を案内される場合があるといった難点も目立ちます。

つまりカーナビアプリとしては「Googleマップの代替アプリ」に、普及余地がまだまだあるかもしれません。そんな中、2024年10月、アウディが日本向けにカーナビアプリ「アウディナビアプリ」をリリースしました。アウディが開発したカーナビアプリは、カーナビとしてGoogleマップより優秀なのでしょうか?

アウディが開発「アウディナビアプリ」と「Googleマップ」の違いは?

まず「アウディナビアプリ」は、カロッツェリアカーナビのアプリ版「COCCHi」をベースに開発されたカーナビアプリです。

アウディが開発「アウディナビアプリ」と「Googleマップ」の違いは?1

カロッツェリアカーナビのアプリ版である「COCCHi」

「COCCHi」は良い意味で「地図帳」のような見た目が特徴のアプリです。たとえば、Googleマップは、マップ上で地図上の建物が3D表示されます。一方で「COCCHi」はあくまで二次元の地図のままといった違いがあります。

またGoogleマップが3D表示かつビル名などの表示がかなり多いのに対し、COCCHiは駅名やコンビニなどの表示が中心。運転中に気になる要素に絞って表示されている感が強いです。

では、そんなCOCCHiベースの「アウディナビアプリ」とGoogleマップの使用感はどのように違うのでしょうか?比較してみましょう。

ルート案内画面の見た目の違い

ルート案内画面の見た目の違い1

COCCHiベースの「アウディナビアプリ」のルート案内画面は、COCCHiと同様に二次元の地図。そしてGoogleマップと比べると、やはり「運転中に気になるであろう情報」が非常に詳細に表示されています。

たとえば高速道路のジャンクションは実際の運転目線で「右」か「左」かが表示されています。マップアプリを利用する場合、運転に慣れていない助手席の人にスマホを渡したうえで、道案内を頼む場合もあるでしょう。この場合、助手席の人にとっては意外と「右に進めばいいのか左に進めばいいのか」が分からないものです。

その点、アウディナビアプリならすぐに「右」か「左」かが直感的に分かる表示です。このほか駐車場やトイレ、EV向けのチャージスポット、ガソリンスタンドなどをクイック検索できる機能もあります。

ルート検索

ルート検索1

アウディナビアプリには道路幅や車線数、信号の数まで加味した最適ルートを検索可能です。またルート検索をすると、そのルートにおける「有料道路の割合」「幹線道路の割合」「一般道の割合」も算出可能。そのルートで運転した場合の、有料道路の料金、ガソリン料金の目安も表示されます。

総じて:
・日本の道路事情に合わせたルート検索が可能
・その区間を運転した際にかかるコストも簡単に把握できる

点で、かゆいところに手が届く印象があります。

一方、Googleマップで検索されるのは基本的には最短ルート。また有料道路や幹線道路の割合、ガソリン料金の目安の表示などはされません。

筆者が試した限りでは、アウディナビアプリとGoogleマップアプリで同じルートを検索して同様のルートを進む際の「到着予定時間」の精度には大差がありませんでした。ただし渋滞の有無や「そもそもどこを目的地に設定するか」で精度にブレが出る可能性はゼロではないかもしれません。

渋滞情報の精度

渋滞情報の精度1

【左】公式首都高道路交通状況マップ【右】Googleマップ

まず、Googleマップは首都高公式の渋滞情報と、渋滞情報がほぼ一致しています。渋滞情報の把握やその精度で困ることはないでしょう。

そして首都高道路交通状況マップとアウディナビアプリを比較すると、こちらは交通渋滞が発生しているエリアはおおむね一致しています。また、アウディナビアプリでは渋滞の原因や、どちらの車線が混雑しているのかなど、より詳細な情報を得ることが可能です。

渋滞情報の精度2

【左】公式首都高道路交通状況マップ【右】アウディナビアプリ

つまりどちらのアプリを使っても、渋滞情報の精度の面で困ることはないでしょう。

一時停止や踏切、最高速度などの表示の有無

一時停止や踏切、最高速度などの表示の有無1

Googleマップには、マップ上の一時停止や踏切などが表示されていません。また最高速度の表記もありません。一方でアウディナビアプリには制限速度のデータや、一時停止、踏切はもちろん、信号も細かく表示されています。そのため道路上の一時停止や踏切、信号などの表示を重視するならば「アウディナビアプリ」の方がおすすめです。

アウディが開発「アウディナビアプリ」にあってGoogleマップにない機能は?

アウディが開発「アウディナビアプリ」にあってGoogleマップに無い機能は?1

アウディナビアプリには日本の道路事情を踏まえたルート検索性能や、マップの見え方の違い、一時停止や踏切表示の有無、ガソリン料金目安の表示などGoogleマップにはない機能があります。

このほかにも、Googleマップにはない独自の機能がいくつか搭載されています。まず、アウディが提携する急速充電ネットワークサービス「プレミアム チャージング アライアンス(PCA)」の充電スポットをワンタッチで検索できる機能が搭載されています。さらに、トラブル時には「Audi Roadside Assistance」や「e-tron Roadside Assistance」に直接電話をかけられる機能も備えており、アウディ車オーナーの安心・安全なドライブをサポートします。

トアウディが開発「アウディナビアプリ」がおすすめの人

アウディナビアプリは、主にアウディ車オーナーにおすすめ。また、日本の複雑な道路事情に対応した詳細なルート案内を重視する方や、アウディ専用のサービス(ディーラー検索、充電スポット検索など)を利用したい方にも最適です。さらに、CarPlayに対応した大画面での表示を楽しみたい方や、アウディ車の走行特性に合わせた安全運転支援機能を活用したい方にもおすすめです。

Googleマップがおすすめの人

Googleマップは、幅広いユーザーに適したナビゲーションアプリです。最大の特徴は無料で使えること。「自動車で頻繁に出かけるわけではないため、マップアプリには電車や徒歩での利用も含めた汎用性が欲しい」という方におすすめです。

またGoogleマップは近年、一種の「口コミサービス」としての側面が強まっています。出かけるついでにマップ上で、飲食店や小売店、商業施設などの口コミもチェックしたいという方にはおすすめです。

※サムネイル画像(Image:Vladimka production / Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています

オトナライフ編集部
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